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今回は数年前に某出版社の担当さんと打ち合わせしていて、何やかんや僕の連載が忙しくなり連絡が取れなくなって没になった読み切り作品のキャラ表とプロットを掲載しておきます。
もし「読んでみたい!」という方が多いようでしたら文字ネームもありますのでコツコツ描いていこうかな〜なんて思っております。キャラクターとストーリーのコメディとブラックの比率がとってもお気に入りの作品です。
当時すごく原稿が忙しくて、一体どの時期の企画だったのか定かでないのですが、確かラパスが始まる前くらいで担当さんは講談社の方だったような…少年系の漫画雑誌のお仕事だったように思います。うろ覚えですみません。
それでは最初にキャラ表です。
女の子です。当時はのっぽの男×ちっさい女の子のカップリングが大好きだったので自分の好みを爆乗せしました。足太い子が好きです。
先ほど「のっぽの男」と言ったのですが、描いてみたらやっぱり僕の悪い癖でロリコンお兄さんみたいになってしまいました。
そこで担当さんに「これもう少し若い方が良くないですか?」と自分から提案したら「そうですね」という感じだったので修正しました。
まぁもっとヘンタイっぽくなってしまったんですが、担当さんのウケはよかったです。
以下、担当さんに送ったプロットそのまま転載するのですが、前編後編になるくらい長いお話です。簡単にいうと、リオが人間じゃなくて銃だったって話です。
やっぱりデビュー作の「ジェラール」から始まり「ウルフマン(読切)」「em(同人誌)」「兄弟-BROTHERS-」みたいなファンタジーだけど土臭いような、そんな世界観大好きなんですよね。これもその部類のお話です。
あらすじ
舞台は西イストリアという架空の国。
その世界では銃(ガン)を持つ者が最強とされ、銃自体が非常に珍しく滅多なことでは手に入らない。なぜなら、国家と平等の権力を持つ「界軍」と呼ばれる軍事組織が銃を製造する権利、そして製造する技術者を戦争のために全て独占しているためであった。
民間で銃を持つ者は滅多におらず、いたとしても権力者や富豪の用心棒として雇われていて、その姿を見る者は少ない。
主人公はリオという男。背中には長い包み。道行く人は銃を背負っているのでは?と想像するものの、話してみればただのロリコン野郎だということが一瞬で理解できる。幼女じゃなくて14歳くらいが好き、肉付きが良かったら尚いい、そんな話をしつつすぐ鼻血を出す、などなど…口を開けば非常に残念なキャラ。
そこに一人の少女が舞い降りる。物理的に。何者かに追われているのか、屋根から落ちてくる。
彼女を受け止め、その容姿を見た瞬間にリオは悟った。理想の女の子、これは運命だ!追われている彼女はリオのことなど眼中になくその場を立ち去る。彼女を追っているのが界軍の人間だと知ると、リオも界軍とは別に彼女を捜す。
リオは彼女を見つけ出すが、非常に警戒心が強く名前を聞くのも一苦労。あげく、長い包みを持っているだけで銃と勘違いされ人殺し扱いされる。人を殺したことは一度もないと弁解すると、銃を持っているくせに変な奴…と少しばかり距離を縮めていく。
少女の名は「ベイア」。リオはベイちゃんベイちゃんと呼び出す。二人で界軍の追ってから逃げながら話を聞けば、ベイアが人間の生死に対して強い拘りを持っているのが分かってくる。「人殺しの軍が嫌い、銃を作ってる奴も嫌い、人殺しの道具を作る奴らなんか最低」だから、銃を持っていながら人を殺したことがないというリオに興味がわいたのだという。リオは銃がどうとかよりも理想の女の子と一緒に居られることの方が重要だけど。
逃げ回るうち、二人は少しずつ仲良くなってゆき、リオのこともいろいろと知ることになる。
昔は軍に務めていたが、銃を人殺しの道具に使う彼らの考えと馬が合わずに逃げ出し、そのとき軍から身を守るために銃を一丁拝借した(背中の包みのこと)が、未だに怖くて使ったことはないと。軍に対する思いが自分と通じる部分もあり、ベイアは少しだけ彼に好感を持った。
出会って3日後のことだった。運悪く界軍と鉢合わせ、そこでリオは新たな事実を知ることになる。
ベイアの父「フォン・ハルツハウゼン」は銃の製造者で名高く、彼の作り出す銃は他の製造者のものに比べて極めて高性能であったらしい。しかしその父が界軍に連れ去られた後に反逆、命を奪われていた。殺害された原因は「アルスマグナ」と呼ばれる彼の最高傑作ともいえる銃の設計図を界軍に手渡さなかったことにある。その設計図を、なんとベイアが今持っていると軍が言うのだ。腰に下げた筒状の鞄、そこにアルスマグナの設計図が入っていると。
その事実をばらされ、ベイアは界軍からもリオからも逃げ出す。
ベイアの過去。
父のフォンは銃の製造に全ての時間を捧げ、母は家庭を守りながらもフォンの片腕として彼を支えていた。夫婦は軍からも一目置かれる存在であり、彼らの作り出す銃はとても評判が良かった。ベイアは寂しい幼少期を過ごすとともに、ラジオから流れる戦争の話題になると、こうして死んだ人は全て両親の作り出した銃で命を奪われている、両親は人殺しの道具を作っている…と考えるようになり、父のことも母のことも尊敬ができなかった。
ある夜、夫婦は泣きながら喜んでいた。アルスマグナという最強の銃の設計図が出来上がったのだという。その様子を見ていたベイアは両親が気が狂ったのだと思った。人殺しの武器を作って喜ぶなんて頭がおかしいと。
アルスマグナの設計図が出来上がったことは軍の者にすぐに知られた。フォンが渡すつもりはないと言うと、彼を連れ去った。暫くしても口を割らないフォンのために軍は残酷な手段を選んできた。妻を殺したのだ。
ベイアはアルスマグナの設計図の居場所を知っていた。父を連れ去られ母を失った悲しみ…アルスマグナなんてこんなものがあるせいで、と思う反面、最強の銃というからには絶対に界軍の手に渡してはいけない、これ以上父の発明で人を死なせてはならないと誓い、設計図を持ち出した。どこか人目につかないところでこのアルスマグナを葬るために。
逃げ出した彼女を再びリオは見つけた。軍と銃と父の話を知ったリオの顔つきはいつもと違った。ベイアは不審に思う。
リオは言った「あなただったんですね」——ベイアは彼の態度に気を取られ、気づけば周りは界軍に包囲されていた。せっかく仲良くなれたのに、ベイアは気づいてしまった。「…グルだったのね」。
「軍に設計図を渡してしまいなさい」ただそれだけを話すリオ。ベイアは裏切られた怒りと悲しみでリオに殴りかかろうとするが軍に取り押さえられて捕まってしまう。
薄暗い牢屋。ベイアが父や母の夢から覚めると、目の前の牢屋にはリオの姿。
ベイアは怒りが収まらず暴言を吐くも、グルだと思っていたリオがなぜ牢屋に入っているのか不思議に思った。リオは何も話さない。ベイアはなんだか馬鹿馬鹿しくなり独白する。「…なんであんな紙切れ、大事に大事に守ってきたんだろう。もっと早くに燃やしてしまえばよかった。…でも…」銃を作っている両親のことは許せない…でも、これは彼らが生涯を捧げた仕事で、あの設計図は父と母の血と汗と涙…何度燃やそうと思っても、簡単にはできなかったと。それを聞いたリオが言った「…その通り、"あんな紙切れ"ですよ」。
意味深なその言葉にベイアがどういうことか訊ねると、リオは衝撃的な一言を放った。
「アルスマグナは既に完成しています。そしてそれは、僕が持っています」
ベイアは瞬時に勘付いた。彼の背負った長い包み。銃だと言っていたその包みを見上げる。そしてリオは続ける「フォン博士の遺言により、アルスマグナはあなたのものです。しかし、僕のことを信じてくれなきゃ、渡せない」「なにを信じろというの」「あなたの味方だと」。
そこに界軍が慌てた様子でやってくる。遠くに聞こえるは「設計図が偽物だった」との声。ベイアに本物の設計図の居場所を聞き出そうとするだろう、最悪、非情な手段を選ばれるであろう。命の危機を感じた。父も母もいない、銃の製造者の娘というだけで友達もできなかった、逃げ回っていたせいで親しい人もいない、自分にはもう何もない。味方なんて誰も。
「…あたしにはもう、何もないの」助けてくれと素直に言えない彼女の、精一杯の言葉だった「あんたを、信じる他に、もう、何もない」。
「交渉成立だ」リオは背中の包みを下ろすとその場に投げ捨てた。まるでいらない物のように。てっきりその銃で威嚇でもしてくれるのかと思ったベイアは驚く。リオは鉄格子に両手をかけるとまるで細い針金の如く格子をへし折った。背が高いだけで貧弱そうに思っていた彼のギャップに更に驚くベイア。彼女を牢屋から救い出すとリオの前には既に複数の軍人が集まっていた。リオは銃を牢屋に置いたままにしておきながら不思議なことを言う。「あなたの砲弾許可がないと撃てません」。「何言ってるのかわからないけど、人殺しはダメ」「安心して下さい、プログラムされています」。
界軍が一斉に銃を向けてきた———その時だった。
リオの体から数々の金属片や無数の銃口、大砲やガトリングのような腕、人間とは思えない変貌に軍人もベイアも驚愕する。
巨大な銃口を軍の奴らに向けながらリオは言った。
「アルスマグナは、この僕です」
「砲弾許可を!」咄嗟の出来事にベイアは思わず答える「撃って!」。軍人が放つ無数の銃弾の一発も彼の体を貫通することはなく、ベイアを背で守りながら発砲した。放った銃弾は弾でなくエネルギーガンのようなもので、それを受けた軍人が次々に倒れる。ベイアは慌てたが「安心してください、僕の銃弾は命を奪いません」、その言葉の通り相手を気絶させる効果があるだけの銃だった。
軍を蹴散らし、無事に牢屋を脱出した二人。
リオは、軍に努めていたときにベイアの父であるフォンの助手をしていたことを話した。アルスマグナの設計図はフォンの頭の中に叩き込まれており、自宅に残っていた設計図は軍の発見を恐れたベイアの母がでたらめを書き足して使えないものにしたのだと。フォンは軍に連れ去られてから何度もアルスマグナを作るよう命じられたが、この銃を作るには人の体が必要だった。その被験者にリオが自ら志願したのだ。
志願した理由は、そのアルスマグナの性能にあった。"絶対に人を殺さない銃"…元々軍のやり方に反対していたリオはフォンの考えに賛同したのだった。そしてフォンはリオに頼んだ「アルスマグナは一人の力で使うことはできない。共に人を傷つけないと願う者——…我が娘と」。以降、リオは名も知らないフォンの娘を探すために軍を抜け出した
「博士は、あなたの言った言葉が忘れられなかったそうです。銃は人殺しの道具、それを作る人も人殺しだ…最愛の娘にそう言われ、アルスマグナを発明することを決心したそうです」。
「博士が、あなただけに僕を使えるようにしたのは、あなたが人を殺さないと信じているから。平和のために僕を使うと信じているから。銃は、使う人の心によって役割を変えるものです。…だからもう、博士のことを、人殺しだなんて言うのはやめませんか?あなただって、大好きだったはずでしょう?」リオの言葉に優しく諭され、ベイアは思い出した。ほんの少しの時間、仕事のことも銃のことも忘れて、家族で過ごした思い出を、そっと———