午後九時。
鉄臣昂介は、チームの全体練習後、独自メニューの個人練習をこなし、
さらに一軍専用トレーニング施設で筋トレをしていた。
「昂介様!世界一!デカすぎる筋肉!強すぎる!
その太すぎる腕でスカイツリーもなぎ倒せます!
その鉄壁の腹筋は隕石も跳ね返します!
昂介様の巨大すぎる筋肉!世界最強ですぅっ!」
南部忠は、鏡の前でポージングする鉄臣の足元にひざまずき、
パンプアップした鉄臣の筋肉を見上げ、思いつく限りの表現で褒めちぎっている。
『筋肉は褒められるほどデカくなる』
…という、オカルトめいた都市伝説を松地から聞いた鉄臣が、南部に命令し、
筋トレ後には毎回この"儀式"が行わるようになった。
言葉に詰まったり、褒めのボキャブラリーが貧困だったりすると即、罰が下されるため、
南部は午前中、授業もそっちのけに、
必死で後輩への賛辞を考えなければならないのだった。
全身から湯気が上がるほど火照りきった体。
今日の練習はこれで終了。
全裸に首輪で四つん這う南部のリードを引いて、鉄臣は一軍専用寮に戻った。
ホテルのように立派なロビーの中央に、二機設置されたエレベーターのボタンを押す。
「遅れたらションベン茶漬けな」
鉄臣はそう言って、握っていたリードを南部の顔に投げ捨てた。
「し、失礼いたします!」
南部は土下座すると、リードを両手で持ち、ロビーの端にある階段まで全力で走り出す。
鉄臣の部屋がある最上階、四階まで、階段を二段飛ばしで駆け上がっていく。
付き人がエレベーターに乗ることなど、当然、許されない。
鉄臣がエレベーターから降りるより前に、
南部は自力で四階に到着していなければならないのだ。
南部は痛むヒザをかばいながら、ひいひいと息を切らして四階まで上がり切った。
その時、20メートル先で「チン」と、ベルが鳴った。
南部は声にならない叫びを上げながら走り、
四階の床のみに敷き詰められた高級な絨毯の上をヘッドスライディングした。
身体中をやけどしそうな摩擦熱。
だがそんな些末な痛みなど、頭上から降りかかる恐怖の前では何も感じない。
震える両手でリードの持ち手をかかげ、土下座する。
「・・・。」
エレベーターから出てきた鉄臣が無言でリードを奪い取り、
きつく引っ張りながら部屋へと歩き出す。
間一髪、間に合ったらしい。
南部は豚のように床を這いながら、
疲労と恐怖をぬぐうように過呼吸ぎみに肩を震わせるのだった。
ーーーーー
鉄臣の部屋の前に、小柄な女が立っていた。
「あ・・・たっくん・・・!」
女は南部の姿を見て驚いたような顔をしたが、ハッとして口に手を当てた。
そして、思い出したかのように、いそいそと床に膝をついた。
「お前がユミか」
ひざまずいた女を、鉄臣が見下ろす。
「・・・は、はい」
ユミの声は震えていた。
緊張、恐怖・・・殿様を前にした町娘のように。
亞実の関係者ならば誰もが理解している。
鉄臣昂介という存在が、いかに強大かを。
ユミは鉄臣より二学年上だが、学年や年齢など、何の意味も持たない。
亞実に在籍する以上、この一年生に対して、逆らうことは許されない。
目の前にいるのは、あの鉄臣昂介だ。
日本中の話題をさらい、世の女性を釘付けにしている高校球界のスーパースター。
街に出ようものなら、一瞬で囲まれて身動きが取れなくなるほどの人気者。
もちろんユミも、同じ学校に通っているのだ。
廊下ですれ違ったこともあるし、幼馴染である南部から、いろいろな話も聞いている。
南部が付き人として普段、何をやらされているかも、
そして今夜、自分が何をしなければならないのかも。
「本日は・・・お呼びいただき・・・光栄です・・・」
蚊の泣くように、ユミが声を絞り出す。
おそるおそる見上げると、薄暗い廊下の照明が、鉄臣を逆光で照らしている。
そのせいで表情がよく見えない。
それでも押し潰されそうなオーラ、風格、凄味・・・威圧感の塊だ。
「入れ」
そう言って鉄臣が指紋認証のドアを開ける。
その後を這う南部。
一瞬ちらりとユミを見たその表情は、許しを乞うているように見えた。
中は八畳のフローリングで、
大きなベッドと一人掛けのソファだけが置かれたシンプルな部屋だった。
モノクロを基調に統一された室内。
壁にはタンクトップやシャツ、そして、
小さな人形が入った水槽のようなものがディスプレイされていた。
南部から聞いた話では、四階は鉄臣・合渡・松地の一年生トリオが専有しており、
もともと六部屋しかないのを一人二部屋ずつ使い、
一部屋は寝室専用にしているとのことだった。
しかもそれぞれが自分の好きなようにリフォームさせ、
リビング用と寝室用の二部屋を行き来できる内ドアまで設えさせているという。
費用は会社を経営しているOBに、合渡が出させたらしい。
彼らは、校長や監督、OBさえも口出しできない超特権階級なのだ。
たかだか野球で活躍した一般生徒、それも一年生のなずなのに。
なぜ彼らがそこまでの絶対的な権力を持っているのか、ユミには知る由もなかった。
ーーーーー
「脱げ」
鉄臣の低く響く声。
絶対に抗えない、思わず服従してしまうような迫力がある。
ユミは急いで全裸になり、フローリングの床にひざまずいた。
「・・・すまん、ユミ・・・」
鉄臣の服を脱がせ、ユミの隣にひざまずいた南部が、小さな声でつぶやく。
「・・・ううん」
ユミは小さく首を振った。
「よーし、ヤるかァ」
ユミと南部の目の前のベッドに、全裸になった鉄臣がずしんと腰掛ける。
筋トレ後、シャワーも浴びないままの鉄臣の肉体は、
筋細胞の一つ一つ、筋繊維の一本一本がボコボコとパンプアップし、
その凹凸が汗に塗れ、恐ろしいほどに美しく、神々しく輝いていた。
そしてその中心部。
ユミが顔を上げると、まさに目の前にだらりと横たわる大蛇。
ユミの手首ほどもありそうなほど太く長く、凶悪な雄の臭いを漂わせていた。
思わず目を反らしてしまうユミ。
それを許さんとばかりに、鉄臣の左足が、ユミの顎に差し込まれる。
「おい豚。この女、ちゃんと躾けてあんだろうな・・・?」
「は・・・はい!昂介様のご命令には、絶対服従いたしますので・・・!」
三時間前、電話で南部に言われたことを思い出す。
何度も何度も「俺のせいで」と謝りながらも、南部が涙声で言っていたこと。
「絶対に、絶対に。あの方の機嫌を損ねるようなことはしないでくれ・・・たのむ」
かぼそく震える声は、鉄臣を怒らせるとどうなるのかを物語っていた。
幼い頃から一緒にいても、あんなに怯えている南部ははじめてだった。
人懐こい笑顔で人々を魅了するスター選手の裏の顔が、どれほどに恐ろしいのか。
南部が鉄臣によって、心の底から恐怖支配されているのが痛いほど分かった。
もしここで不快な顔をしてしまったら、南部は恐ろしい罰を受けることになるのだろう。
「たっくんのため」と言い聞かせながら、ユミは媚びるような目で鉄臣を見上げた。
鉄臣の素足が、ユミの口唇に触れる。
スパイクと分厚いアンダーストッキングの中で蒸れに蒸れた、鉄臣の足。
本能的に眉をひそめてしまいそうな酸っぱい臭いが、
否が応でもユミの鼻腔をつらぬく。
「・・・証明してみせろ」
鉄臣が冷たく見下ろす。絶対服従の証を見せろと。
「はい・・・わかりました」
意を決したように唾を飲み込んだユミは、鉄臣の足の親指をくわえ、舌を這わせた。
凝縮された塩辛い味。そして強烈な男の汗のニオイが、口中にひろがる。
おもわず嘔吐しそうになるのを必死でこらえながら、
大きな足の裏、分厚く硬いかかと、汗の溜まった指の間まで・・・
ユミは、血管が浮き出てゴツゴツした鉄臣の足を、丁寧に舐めた。
「いいだろう・・・特別だ。『昂介様』と呼ばせてやる」
鉄臣は蔑むような笑みで見下ろし、ユミの顔をぐりぐりと踏みつけた。
「ありがとうございます・・・昂介様」
ユミは鉄臣の足を両手で捧げ持つと、
足の甲にうやうやしくキスをして忠誠を示してみせた。
「ほら、嗅げよ」
鉄臣はベッドから立ち上がると、
ムワァッと湯気立つ、蒸れ火照った肉棒をユミの眼前にさらす。
男性経験のほとんどないユミ。
その邪悪な巨根を前に、ひとりでに顎が震えだす。
犬のようにヒクつかせた鼻を、裏筋と玉袋の間に押し当てる。
そして息を吸い込んだ瞬間、脳天まで犯されるような、圧倒的な雄の臭い。
その臭いが体内を侵すたび、体温が上がる。頬が赤くなる。呼吸が荒くなる。
ああ、
このニオイ・・・
すごい・・・
なんだか、
あたまがぼうっとしてくる・・・
バチン、バチンッ!
その目を覚まさせるかのように、超重量のマラが、ユミの顔をビンタする。
鉄臣は少し固くなりはじめたそれを口元に押し当てると、
ユミの髪の毛を鷲掴んだ。
「オラ・・・しゃぶれ」
(後編へつづく)
【後編ではいよいよ昂介様の野獣ムキダシな『独裁SEX』本番に突入!
圧倒的に優れた雄の前では、誰もが一匹の雌に堕ちていく。
バックに駅弁、後始末は壁に飾られた『小さな人形』たち。
動き出した鉄臣の『巨大な力』、そしてユミを待ち受ける運命…】
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