SamSuka
ナーヴ
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SS_私だって目立ちたい

先日は中秋の名月でしたが、まだまだ残暑が厳しいです。

そろそろ落ち着くらしいですが、どうなのでしょうか……


今回も東方のキャラで、古明地こいしです。

東方地霊殿のEXボスですね。

黄昏フロンティアの東方心綺楼にプレイアブルキャラとして登場したことにより

人気が爆発的に伸びた(人気投票で1位になった回もあります)のもあって

今でも人気トップクラスですね。


それでは本題。

東方Projectより、古明地こいし。

地底に住む彼女が地上をたくさん満喫します。

(約4,500字)


※無断転載禁止


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「青い空と青い海。

 とっても開放的で気持ちいいわ?」



ここは本土から数キロメートル離れたところにある無人島。

淡い緑の髪、黒の帽子。

古明地こいしは1人でこの世界に遊びに来ていた。


普段は地底に住む彼女。

上を見上げれば空ではなく大地の天井がある。

さらに彼女の居る地底には海もない。


最近は地上に出て活動する機会が増えてきたようで

彼女にとっても青空は身近なものになっているが、彼女の活動範囲内に海はない。

しかしここでなら、少し特別な空と、とても特別な海とを同時に楽しめる。


目を輝かせながらはしゃぐのも無理はない。



「早速お散歩しちゃおうかな。」



靴とニーソを脱ぎ捨てて裸足になると早速海に踏み入れる彼女。

足裏に伝わる砂浜の感触とこの時期には心地よい温度の海水の冷たさ。


無邪気に進めばあっという間にひざ下まで浸かってしまっている。

両手でスカートを持ち上げながら海をかき分けて笑顔で進んでいく。



「泳ぐのも楽しいと思うけど、こうやって歩いているだけでも結構楽しいかも?」



開放感と涼しさを全身で感じながら散歩を楽しむ彼女。

足元に気をつけながらゆっくりと歩き続けるのであった。


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場所は変わって、ここは本土のとある街。

彼女が居た無人島から一番近い陸地である。

中心地には高層ビルが建ち並ぶと同時に、

そこから少し離れると住宅街が広がっている。

小さくまとまった地方都市といったところだろうか。

そんな街に居る人々のうちごく一部の人がにわかにざわつき始めていた。


悪天候でもないのに海岸線の波が明らかに高くなっている。

そして小さな地響きが定期的に発生していて、さらには少しずつ大きくなっている。

あまりにも不自然な現象だ。


現象を観測していて原因を推測するだけではおそらくたどり着くことはできない。

原因を本当に理解できるのは海の向こう側を実際に見ている人だけである。


もっとも、目にしたところで理解できるかは少し別の話になるだろう。

そこで見えるのは

水深数十メートルの海の向こう側から少女が歩いてきている様子なのだから。



「あっという間に渡りきっちゃった。

 海のお散歩はおしまい、っと。」



ざばぁぁっ……

ずしぃぃん!!


海岸に右足を踏み下ろす彼女。

コンクリートの堤防と海沿いの道路をひとまとめに踏み抜いてしまった。


今の彼女の身長は400メートルを超えている。

彼女はただのお散歩を巨大化した状態で行っていたのだ。



「ここからはお楽しみの怪獣ごっこをしちゃうもんね。

 がおーっ、がおーっ!」



どしぃぃん!!

ずどぉぉん!!


早速上陸した彼女は付近の住宅街を踏み荒らし始める。

50メートルを超える足によって民家がまとめて踏みつぶされていく。

一瞬で足跡が刻まれて、建物の瓦礫が濡れた彼女の足裏に貼りついていく。


ずしぃぃんん!!

がしゃぁぁんん!!


ベランダからの海の眺めがとてもよさそうな10階建てのマンションも

彼女のスネに届くかどうかの小ささ。

少し大きく足を上げた彼女によって屋上から1階部分まで

1秒程度で全て踏み抜かれてしまった。



「こんなに大きくなっても天井気にしなくてもいいし、

 大きくなったらこんな刺激的な遊びができるなんて、とっても楽しい!」



笑顔のままに住宅街をどんどん踏みつぶしていく彼女。

民家やマンション、公園や学校、スーパーマーケットや百貨店などなど。

そこにあるものすべてを足跡に上書きしていく。


楽しそうに街を襲う彼女の姿は街の人々から見れば狂気さえも感じてしまう。

そのうえで逃げ惑うことしかできないという非情な現実。

パニックになってしまうのも仕方ない。



「このあたりはこのくらいでいいかな?

 結構踏み荒らしちゃったもんね。」



ぐるっと見渡す彼女。

住宅街があったところは彼女が数分ほど怪獣ごっこをしただけで

ほとんどの建物が踏みつぶされた更地と化していた。


ごく一部の建物は踏まれずに形を保っているが、

彼女が何度も起こした地震と踏みつけの衝撃の余波で

外壁にヒビが入っていたりガラスが粉々になっていたりと、

お世辞にも無事とはいえない状態である。



「せっかく怪獣ごっこしているんだし、もっとたくさんの人から注目されたいよね。

 そっちの方がドキドキして楽しいもん。」



ずしぃぃん……

どしぃぃん……


ゆっくりと中心街へと向かう彼女。

大通りや大型の駅、そして建ち並ぶ高層ビル。

人がたくさん集まっているのは明らかだ。



「……あれ、もしかして?」



ふと、中心街まで一直線に向かっていた彼女の足が止まる。

すると進路を左に変えて再び歩き出した。

なにかを見つけたらしい。

中心街から少し離れた沿岸部を目指しているようだ。



「やっぱり。

 お船で逃げようとしてたんだね?」



そこにあったのはフェリー乗り場である。

彼女が怪獣ごっこを始めて逃げ出した人々の一部が乗っているようだ。

ちょうど出港した直後だったが、それに気づいたらしい。


彼女の種族は覚(さとり)妖怪。

相手の考えを読み取る能力を持っている。

それ故に苦しんだことで力を封印した過去を持っているが、

いろいろな出会いもあって最近はほんの少しだけ封印を解いている。


心を読めるほどではないが、

人々の考えや動きを敏感に感じ取れているのかもしれない。



「こいしの怪獣ごっこをちゃんと見てくれないとダメだよー?」



ざばぁぁっ……


両足を再び海で濡らしながら

出港してから数百メートルほど進んだばかりのフェリーを跨いだ彼女は

そのまま両手でフェリーを持ち上げてしまった。


怪獣から逃れるための希望の船が

一瞬にして逃げ場のない絶望の監獄と化した瞬間だった。



「うーん、やっぱりこのくらいの数なら逃がしちゃってもいっか。

 ばいばーい。」



ぶぅんっ……

どぼぉぉんん……


なんと持ち上げたフェリーを沖の方へと投げ捨ててしまったのだ。

数秒間の空の旅をした直後に勢いよく海面に叩きつけられたフェリー。

当然ながらあまりの衝撃に船体は大きく損傷。

さらには着水の向きも悪かったようで船はどんどん沈み始めている。

沈没するのも時間の問題だろう。



「逃がしてあげたのは特別だから、街の人たちはこいしのことちゃんと見ててね?」



どしぃぃん……

ずしぃぃん……


先ほど投げ捨てた船の様子をほとんど確認することもなく

再び上陸するといよいよ中心街へと踏み入れ始める彼女。


大通りの渋滞の車列をまとめて踏みつぶしていったり、

蹴散らして通り沿いの建物の外壁に激突させて爆発させたり。

住宅街を襲っていたよりも大惨事が彼女の足元で起きている。



「この辺は大きな建物が多くて遊びがいがあるし、

 まだまだたくさんの人が私を観てくれているからドキドキしちゃう!」



がしゃぁぁん!!

ガラガラガラ……


中心街のさらに栄えているところへと入りこんでいく彼女。

大通り沿いのビルを蹴り倒していけば

ビルは付近の建物を巻き込みながら横倒しにされてしまって

大通りに大量の瓦礫がなだれ込む。

ただでさえ渋滞の道がさらに塞がれてしまった。


ずどぉぉん!!


さらにはちらほらと建っている高さ100メートル前後のビルに対して

勢いよくキックをお見舞いするとビルの根元付近が一気に抉り取られてしまった。

建物は支えを失ってそのまま崩壊してしまい、付近に大量の土煙が舞い上がる。

まるで火薬を使わない爆破解体のようだ。



「このあたりには特に人が集まっているみたい?

 何かあるのかな?」



彼女が中心街で見つけたのは駅だった。

栄えている地区の駅ということもあり、複数のホームがある大きめの駅だ。


駅の周辺にあるビルを蹴り倒した彼女はゆっくりと屈んで駅に顔を近づける。

駅には電車が2編成停車しており、ホームにはたくさんの人が溢れかえっている。



「わあ、こんな狭いところにたくさんの人間たちが居るのね。

 こんにちはー。」



笑顔で手を振る彼女。


駅に居る人々が手を振り返している余裕などあるはずもなく、

あちこちで悲鳴が上がりさらにパニック状態になるだけだった。



「このあたりも怪獣ごっこで襲うから、ちゃんと見ててね?」



どかぁぁん!!

ずどぉぉん!!


笑顔のままに手をグーにして振り下ろし始めた彼女。

ホームや電車、線路のある高架もひとまとめに粉々にしていく。

あまりにも力強い振り下ろしに線路も簡単に折れ曲がっている。


バキバキバキッ!!


今度は電車を乱暴に握って持ち上げる彼女。

加減を知らない子どもに扱われたような電車は

握られた車両は既にべちゃんこで、

繋がっている他の車両が宙ぶらりんになっている。



「こんなちっちゃくて脆い乗り物にたくさん乗っちゃって……

 窮屈じゃないのー?」



がしゃぁぁんん!!

ばしぃぃん!!


持ち上げた電車を今度は勢いよく線路に叩きつけてしまった彼女。

それだけでも車両は既にボロボロになってしまったにも関わらず、

さらには容赦なく平手を叩きつけて追い打ちをしてしまえば

車両はぺちゃんこの1枚の金属板と化してしまった。


その後も駅に向けて数十回腕を振り下ろし続けた彼女

彼女が止まったときには

そこに駅があったことさえ分からないほどの瓦礫広場と化していた。



「ふーっ、とっても楽しいけど

 全身で怪獣ごっこすると結構大変だね?」



ゆっくりと立ち上がりパンパンと手を払う彼女。

駅とその周辺が壊滅したことで中心街としての役割を大きく失ってしまった。

建物も半分以上が彼女によって破壊されてしまっている。


電車は使えなくなり、自動車やバスも渋滞で使えない。

人々は走って逃げながらただ彼女を見上げることしかできなかった。



「えへへ、でも頑張ったおかげで皆が注目してくれてる。

 じゃあ、お礼にこの辺の大きな建物を全部壊しちゃうところを見せてあげるね?」



ずどぉぉん!!

どしぃぃん!!


中心街の残りの高層建築物を目についた順に襲い掛かる彼女。

彼女がキックでの攻撃をお見舞いすればビルはへし折れて崩れ去ってしまい、

下半身全体でぶつかればなぎ倒されてしまい、

小さく飛び跳ねれば屋上から地上まで一気に圧縮されてしまう。


爽快感、征服感、全能感。

さまざまな快感で満たされる彼女だが、

人々に注目されているということに大きな喜びを感じている様子。


街を破壊すれば多くの人が見てくれるはず。

人によっては子どもっぽいと表現するかもしれないが、

それは実は間違いではないのかもしれない。

何故ならば、子どもとは時として残酷なのだから。



「……んー、さすがにもう大した建物はなさそう?」



きょろきょろと見渡す彼女。


10分も経っていないが、

気が付けば中心街の高層建築物はすっかり全滅してしまった。

あちこちで土煙が上がっていて瓦礫が散乱する荒れ地と化している。



「うん、大体壊したし、いっぱい見てもらえてとっても満足したよ。

 ばいばーい!」



笑顔で手を振る彼女。

あまりにも無邪気な笑みである。

それこそ一切の悪気を感じないほどに。


ずしぃぃん……

どしぃぃん……


ゆっくりと海の方へと向かう彼女。

海の向こうには彼女が最初に居た無人島がある。



「うーん、怪獣のペットとか居ると楽しいのかな?

 でもあの娘ならいつもの大きさでこのくらい街をめちゃくちゃにできるし……

 あの娘たちを大きくして一緒に遊ぶのとかいいかも!」



余韻に浸りながら街を後にする彼女。


人々はただただ彼女の無邪気で理不尽な遊びに付き合わされて、

彼女の望むがままに注目することしかできなかったのだった。


彼女は無邪気なのか、あるいは狂気に満ちているのか。

過去に彼女が自身の力を封印したことで

他の覚妖怪さえも彼女の心を読むことができなくなっている。

彼女の本性はいまだに謎のままだ。


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おしまい。

Comments

ありがとうございますー。 是非見せつけてもらっちゃいましょうー

ナーヴ

こいしちゃんの蹂躙とてもよき... 特等席から見せつけられたい... お持ち帰りされて飼われたい... (*´ч`*)

八雲橙


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