名作を解剖する行為は、先人たちの表現を学ぶだけでなく、体表の起伏を判別するトレーニングになります。ここでは写真の上に筋を加筆して、体表の起伏を勉強していきます。
エピゴヌス作『自害するガラテア人』(原作前1世紀ごろ、ローマ国立博物館アルテンプス宮)
この作品は脇腹あたりの起伏の情報量が多いので「作者の推しポイント」の一つだったと考えられます。広背筋の肋骨付着部と肋骨の数がきちんあっています。
ミケランジェロ作『ドゥオーモのピエタ』(1522-23、フィレンツェ、ドゥオーモ博物館)
ミケランジェロが途中で放棄した作品です。当初は自分の墓跡にしようとしていましたが、気に入らなかったのか腕をハンマーで割り、弟子に与えたそうです。力なく脱落した腕の起伏が正確で、筋線維を描き込むと(ライティングのせいもありますが)実際の解剖体のような印象になります。
『リアーチェの戦士B』(紀元前460-450年ごろ、レッジョ・カラーブリア、マグナ・グラーキエラ博物館)
この像は同時代の古代ギリシャ彫刻と比較して起伏の情報量が多く、個人的にオーパーツと思っている像です。特に腕の外側面の表現が非常に繊細で、(今回は描きませんでしたが)静脈の表現までなされています。