ずちゅうっ ずずずっ ぢゅぱっぢゅぢゅぢゅ 暗く黴臭い密室に、異形が乙女の乳房を貪る音だけが響く。 「それ」は杏の左乳房を異常と思われる程の執着で貪り、 右乳房を揉みしだき、乳首をこりこりとこねくり回した。 左乳房は異臭を放つ涎にまみれ、 揉まれている右乳房も、「それ」の汗なのか他の分泌液なのか、 ぬるりとした液で汚されている。 それが肌から胸の内側に沁み込んでくるような感覚がある。 通常なら汚らわしくおぞましいと思うはずだが、 杏の意思に反して病に侵された身体は、 その感覚をおそらく本能的に歓喜とともに受け入れていた。 (なんで…こんなに気持ちいいの?) 病になってから四六時中杏を苦しめていた胸の疼痛が消えている。 「神様の体液は全てが薬」という、巫女の言葉が思い出される。 その時、しつこく吸いついていた「それ」が ちゅぽん、と左乳房を解放した。 てらてらと涎をまとった乳首がぷるんと揺れる。 そして、先ほどまで口内でそれを弄んでいたイボだらけの舌が 涎をしたたらせながら何かを求めて、杏の唇をつつく。 (!) 杏は「それ」の意思を察して、思わず顔を逸らした。 が、「それ」は杏の頭をつかまえて、自分の顔に引き寄せる。」 「あ、いや・・・」 拒絶の言葉を吐こうと開いた口内にイボだらけの舌が侵入し、 杏の舌を絡めとる。 「んんっ!んうっ!」 両手で優しく乳房を揉み、時に乳首を摘まみながら、 ぢゅぷぢゅぷと音を立てて杏の唇を吸う。 (私のファースト…) 杏は泣きそうになった。 やがて「それ」は、口内の唾液でぐちゃぐちゃぐちゅぐちゅと うがいのような音を立て、溜まったそれを杏の口内に流し込む。 「んっ!んぐっ!ごくごく…) 喉まで差し込まれた長い舌を伝ってそれは否応なく杏の胃へ 流れていく。 「ああっ…」 杏は「それ」の涎が流れ込んだ胃から、全身が軽くなっていくのを感じた。 同時に、全身が熱を帯びていく。 生命力が湧いてくるようだった。 いつの間にか杏の両手は、 その得体のしれない生き物の頭に巻き付き、 ディープキスを交わす舌は自ら「それ」の舌に絡みついていた。 (もっと、おくすり、ください)