リリースしている音声作品の栞梨編の台本です。
行方不明になった咲那を追いかけて、栞梨が下水道に入りますが同じく触手に負けて拘束される流れです。
評判が良ければ実際に収録をお願いするかもしれません。
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「ここですねっ…咲那ちゃんから連絡が途絶えたのはっ…」
私は、協会から妖魔の討伐を請け追い、その任務中に消息不明になった同僚の退魔師、伊吹咲那を探し、彼女が最後に連絡をしてきた現場に来ていた。
場所は首都の真ん中、その地下に蟻の巣のように広がる下水道。
任務の内容は簡単な妖魔の掃討だったはずだ。
彼女が消息を絶った理由は明白だった。
だが、現場は酷いありさまだ。
私が立っている地下水道への入口は、既に異界化していた。
壁は腐った肉がのたうち、水路からは白濁した粘液が流れ出している。
外にまであふれだした触手がうねり、ヒールブーツに白い飛沫を飛ばす。
私はそのおぞましい光景に、無意識に一歩たじろいでしまう。
今日はすでに何件かの討伐任務をこなし、だいぶ霊力を使ってしまった。
私の身体は、この呪いの文様のせいで常に疼き、霊力を使うことに快感を覚えてしまう、退魔師として恥ずかしすぎる体質に改造されてしまっている。
たとえ雑魚との戦闘でも確実に身体の疼きは蓄積して、私の精神を苛む。
腰の奥から湧き出すような快感がじくじくと身体を疼かせ、疼きが収まらない。
退魔師の戦闘装備、狩衣、身体に密着する戦闘スーツが戦闘で蒸れた身体に汗でしっとりと張り付き、気持ちが悪い。
いつもは気にならない、肌に密着する極薄の衣装、狩衣の感触が気になって仕方がない。
太腿や股間に食い込むハイネックレオタードにサイハイニーソックス。
指先や指股をぴったりと覆う肩口までのグローブ。
鼻と口を覆うマスク。
そういった肌に接する、さらさらした布地の些細な感触がむず痒い。
鳥肌が立ったように敏感になっている肌の感覚がわずらわしい。
スーツの食い込みのせいで、無意識に内股になってしまい、身体を捩ってしまう。
呼吸は熱くなり、早くなり、鼻にかかったような甘い吐息を止められない。
私の身体の状態は最悪だった。
だけど、もう時間がない。
援軍を待つ予定だったが、この状況では、行方不明になった咲那ちゃんには一刻の猶予もない。
私は覚悟を決めて、本部に短く連絡を入れると、腐肉と粘液がぐちゅぐちゅとうごめく妖魔の巣に足を踏み入れた。
この時の私は焦っていた。
そして、私は、すぐに自分のこの軽率な決断をいやというほど後悔させられることになる。