霧の海上を進む一隻の漁船から、モンスターに追われているというSOS信号が発信された。その現場に到着したアルメリアは、今にも漁船を飲み込もうとするモンスターを間一髪のところで持ち上げるように受け止めた。
「ウルトラヒロインだ!俺たちを助けに来てくれた!」
「間に合った…っ!今のうちに逃げて…!」
パワータイプでは無いアルメリアの力では、モンスターを長く支える続けることはできない。漁船さえ安全地帯まで離れれば、一旦モンスターから距離を取り、体勢を整えることができる。
しかし、漁船はモンスターの操る海流で、この海域から離れられることができない。
(くっ、このままじゃ私ももたない…)
なんとかモンスターの意識を漁船から逸らさなければとアルメリアが考えていると、モンスターの口の中から複数の触手が生え、アルメリアの身体に巻き付き始めた。
「こいつ…私を呑み込もうとしてるの…?」
(危険だけど、このまま私に引き付けておけば船が逃げられるはず…)
アルメリアの思惑通り、モンスターの海流操作能力は止まり、漁船が今まで以上のスピードでその場を離れだす。
(この調子ならなんとか…)
アルメリアが安堵した瞬間、追加の触手が飛び出し、アルメリアの弱い部位を的確に狙い始めた。
「あぁっ!いや…っ!」
最初に身体を這っていた触手は、アルメリアの弱点を探る為のものだったのだ。
複数の触手で弱点を同時に攻撃されるアルメリアは、急激にエナジーを消耗してしまう。
「くぅ…んっ!」
(もう少し…もう少し船が離れれば…)
身体をビクンビクンと震わせながらも、モンスターを支え続ける。
それからアルメリアは戦士の精神力で、モンスターの攻撃から耐え続け、漁船が安全な距離まで離れたことを確認する。
しかし、アルメリアの消耗は著しく、自分がモンスターから逃れる力は残っていなかった。
「はぁ…はぁ…船は離れたわね…んんっ…」
(でも私は…ここまでみたいね…)
避難した漁船を見送ったアルメリアは限界を迎えた。
次の瞬間モンスターの巨体がアルメリアを丸呑みにし、そのまま深海へと消えていってしまった。
「あぁ…俺たちを助けてくれたウルトラヒロインが、モンスターに食われちまった…」
漁船の船員たちは、静かになった海を遠くから眺める事しかできなかった。
はやみやゆう
2023-12-06 01:30:19 +0000 UTCはやみやゆう
2023-12-06 01:28:38 +0000 UTCmu-tanian
2023-11-29 13:29:12 +0000 UTCKDAL
2023-11-29 11:04:11 +0000 UTC