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リーファくすぐり拷問

「リンクスタート!」  VRMMOであるアルヴヘイム・オンラインのプレイヤー、桐ヶ谷直葉は最近知り合ったキリトというプレイヤーと共に世界樹を目指す旅をしていた。  世界樹までの道のりは遠く、何度もログアウト休憩を挟みながらようやく道半ばというところだった。  中立地域でログアウトする時はプレイヤーが無防備になってしまうため、他のパーティメンバーに見張ってもらう必要がある。(これをプレイヤー間でローテアウトと呼んでいる)  直葉は一度キリトに見張りを任せ、リアルの晩御飯や風呂休憩を終わらせゲーム世界に戻ってきた。  ゲームが始まれば隣には頼もしいキリトがいる――当然そう思いこんでいたのだが…… 「ん、んんん……。ただいまキリトくん……って、えぇっ!?」  気が付けば直葉――こちらの世界ではリーファという名前のプレイヤーネームである――は縄で両手首を縛られ太い木の枝に吊るされるようにバンザイの格好で拘束されていた。  そして周りにはニタニタといやらしい笑いを浮かべる数人の男たちがリーファを囲っていた。 「ちょ、なに、これっ……!!あなたたち誰っ!?キリトくんはどうしたのっ!?」  リーファの知るキリトは並のプレイヤーで太刀打ちできるわけがない。きっと卑怯な手を使ったんだと予想していた。 「キリトだぁ?あのスプリガンのガキなら俺たちのワナにかかっておねんねだぜ」 「ちょいと敵プレイヤーの襲われてるフリをして連れだしたらあの優男、簡単に騙されてやがんの!」  男たちは下品に笑い合う。リーファの予想通りキリトは卑怯な手によって騙されてしまったようだ。 「お前にはシルフ領を裏切った罰を与えるよう、シグルドから命令されてるんだ」  シグルドとはシルフ種族であるリーファの領主、サクヤの側近である。  キリトと共に世界樹を目指すためシルフ領を後にするリーファをよく思っていない人物だ。 「デスペナルティくらい怖くないわ。どんな嫌がらせをされたって私はキリトくんと一緒に世界樹へ行くんだから!」 「デスペナルティだぁ?」 「俺たちはそんなことはしないぜ」  罰、というからてっきりキルされるのかと考えていたリーファは呆気にとられる。 「キルしないの……?じゃあ罰って一体なに……ひゃぁぁあんっ!?」  男たちの狙いが分からず困惑するリーファ。そんな彼女を襲ったのは予想だにしない刺激だった。 「ヒヒヒッ、脇腹ちょいとつついただけでこの反応とは、相当なくすぐったがりとみたぜぇ」  一人の男がにやりと笑う。そう、男たちの狙いとは―― 「オラッ、お前らこの女をくすぐってやりなぁ!!」 「はっ?ちょ、あなたたちどういう――っ、ぶふぅっ!?ぷっ、ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~~~~~~!!!??(ちょっと待って!なになにどういうことぉおおおっ!?)」  実はただでさえ現実世界でも他人からくすぐりの類を受けることを頑なに避けるほど敏感なリーファにとって突然受けたくすぐり責めは相当なものだった。  拘束されている状態で複数の手が体に触れ、無数の指先があらゆる部位を襲うとなればたまったものではない。  リーファは悲鳴のような笑い声をあげながら身をよじるしか出来なかった。 「ぎひっ、ぐへぇっ、げほっげほごほっ!!!ぎゃはははっははははははは!??ヒーーーッヒッヒッヒッヒ!???(やめてやめてやめて~~~~~~!!!!くすぐったい!!くすぐったいい~~~~~いはははははははははっはは!??!?)」  自分の体を制御できずに暴れ回り、笑い狂うリーファ。複数の男の指によってあばら、脇腹を蹂躙されるととんでもないくすぐったさに見舞われてしまう。 「ぎゃはは!!シグルドが警戒してかかれって言ってたから手ごわいヤツかと思ったら、弱すぎだろコイツ!!」 「ゲラゲラ笑ってだらしないぞリーファちゃんとやらよぉ!」 「そうら、もっともっとくすぐってあげようねえ~」  無数の手によってもたらされるくすぐったい感悪によって涙とよだれを垂らして笑い悶えるリーファ。  それを見た男たちはさらに興奮しさらに激しく彼女をくすぐっていく。 「ぎゅひぃいいっ!?きゃあああっははははははは!!!やめでえええ!!もぅやべてぇぇ!!じぬぅっ、じんじゃうからとめてぇぇ!!」  両足をじたばたさせ暴れるリーファ。しかしその足を一人の男が脇に抱えるようにして捕まえてしまう。 「ヒヒヒ、つっかま~えたっと」 「邪魔なブーツはポイポイポーイっと♪」 「な、何すんの!?ま、まさか――ちょ、まってそっちはっ、うっひぃっ!?ぎゃ~~~~~~~~~~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!??!?やめでっやだああああああっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!?!?!?」  靴を脱がされ生足にされたリーファ。脇に抱えられ動かせない彼女の足裏を男がこしょこしょとくすぐり始めた。  するとその瞬間、先ほどの比ではない電撃的な笑いに襲われるリーファ。  ただでさえくすぐったがりのリーファが、しかもひと際弱点である足の裏への刺激が襲う。それを拘束された状態でやられてはたまったものではない。 「わぁああぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁひゃああっはっはっは!あしだめぇぇえっへヘヘッハァッハッハッハッハッハッ!」  全身に汗を浮かべ、くねくねと動くリーファ。しかし男の手が止まることはない。  それどころか追い打ちをかけるように他の男たち数人がリーファの腋、あばら、脇腹をめちゃくちゃにくすぐり始めた。  こちょこちょこちょこちょこちょ~~~~~~~~~~~~!!!!!! 「ぎゃっはひゃひゃひゃひゃひゃ~~~~~~~~~!!!!????じぬっしぬぅうううううううううぎゅひひひひひひひゃああああああああっはっははっははははははいひひひひひひひヒーーーーーーーーッヒッヒッヒッヒッヒ!!???」  耳を覆いたくなるような大音量の笑い声。体を暴れまわらせ逃れようとするものの、それは無駄な抵抗だった。  数人がかりによるくすぐり責めは暴れるリーファの身体を支える腕が何本もあり、どれだけ暴れたりくねらせたりしてもくすぐってくる指から逃れることは出来ない。「くっくっく、更にこいつを使わせてもらうぜ」  リーファの足を抱える男がアイテムストレージから取り出したのは羽のアイテムだった。 「これはシルフィードの羽って言ってなあ。本来は使用効果のない換金用のアイテムだが、とある鍛冶師が違法エンチャントを付与してくれたんだ」  男がそう言うと羽が怪しく光り輝きだす。その羽がリーファの足をするりと撫でると―― 「~~~~~~~~~!!!????ぎゃーーーーーーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!?!??な、にゃにっなんなのぉおおおおおおおおぎゃはははははひひひひひひひひひーーーーーーーっひっひっひっひっひひひひひ!?!??」  リーファはたちまち物凄い大声で笑ってしまう。普通、羽の感触は手でくすぐられるよりも弱いのが当然のこと。  しかしこの違法改造された羽は対象プレイヤーのくすぐったく感じるレベルを著しくダウンさせ、相当なくすぐったさを与えるアイテムに変更されていたのだ。 「ぎゃははははははっはははひゃはははははははは!!!??なにこれぇえへっへっへっへっへっへっへっへ!!??」 「ギャハハハ!!こいつはすげえ!!羽だけでゲラゲラ笑ってやがるぜ!」 「俺にも貸せよ!フヒヒヒヒ!!」 「そう慌てるなよ、お前らの分もあるからよ!」  そう言って男はいくつものシルフィードの羽をアイテムストレージから取り出した。  男たちはそれを手に取ると、下品な笑いを浮かべリーファを眺める。  ただひとつの羽ですら物凄い反応をしているのだから、大勢がこの羽でくすぐったらどうなるのか――それを脳裏に思い描いているのだろう。 「やべでっそれ以上ちかづけないでえええええぎぇへへへへっははははははっはははは!?!??くすぐっだいくすぐっだあいいいいいいいいいいいいいいいいいぎゃははははははははははははははははははははははははははっはは!?!?!?」  リーファの足裏を無数の羽がこしょこしょとなぞる。するとこれ以上ないほどの笑い声がまき散らされ、リーファは悶絶してしまう。  やめて、おねがい、たすけて――笑いながらもそう懇願するもそんなことはお構いなしとばかりに男たちはリーファをくすぐり続ける。  彼女がいくら暴れても、拘束から抜け出せないことをいいことに、ただひたすら笑い狂わせる。  こしょこしょこしょこしょこそこそすりすりすりすり…………!! 「にゃぎゃはははっははははあっぁあっははははっははっは!?!??いやあああああああああっははははいひひひひひひひひひひひひ!?!??」 「おっと暴れても無駄だぜ。俺がこうして抱えてる限り両足に逃げ場なんかないんだぜえ?」 「ギャハハ!!足裏雑魚すぎぃリーファちゃん!!」 「なあ、これ腋とかも撫でたらどうなっちまうんだ?」  暴れるリーファを数人がかりで抑える男たち。足裏をひとしきり蹂躙した男は彼女の腋に狙いを定めた。  こしょ……さわさわ……すりすりすり……  数本の羽がリーファの腋の窪みをすりすりと撫でる。ただそれだけなのにリーファのくすぐったい神経が犯され、大爆笑してしまう―― 「ぎょえぇえっへへへへへへっへっへへっへっへっへ!!ぎゃああっはははははは!?!??だめええええええぎゃははははははっははっはは!?!??げっほげほげほ!?じぬっしんじゃううぅううううぎゅひひひひひひひひひ~~~~ッヒッヒッヒヒヒヒヒヒ~~~~!?!????」  こうなってしまえばもはやリーファはなすがままだ。  ただひたすらに全身に羽を這わされ、精神力の尽きるまでくすぐられ続ける。  やがてリーファは度を越えたショックのフィードバックにより意識を失ってしまった――……  ………………  …………  ……  *** 「――…………!!!!???…………!!?!???」  とある実験室に大量の脳のデータが補管されていた。  この脳たちの行われている実験は、感覚や感情の電気信号を直接脳に送り込み、その反応を記録したり思い通りの夢を見せたりするというもの。  例えば痛みの電気信号を送れば脳は痛いと感じている信号を返すし、痛みの伴う拷問を受けている夢を見るだろう。  脳には現実世界の名前とゲーム内プレイヤーネームのプレートが一緒に飾られていた。  その脳のひとつに【桐ヶ谷直葉/リーファ】と表示された脳があった。  直葉に与えられている感覚は【TICKLE】と表示されている。TICKLE――すなわちくすぐったい感覚である。 「!!!?!???~~~~!!?!??!?っっっ――~~~~!?!?!?!?」  直葉の脳のすぐそばにあるモニターには彼女の感情波形が表示されており、それが凄まじい勢いで上下に動いていた。  これは彼女が笑っている証左であり、つまり今彼女はくすぐったくてたまらないということだ。  それもそのはず、今直葉に与えられているくすぐったさは気絶する前に使われた違法改造された羽を何万本も増殖し、身体をくすぐっている電気信号を与えられている。  実際にそんな数を身体に這わせることは不可能なのだが、今の直葉は脳データだけの存在なので、仮想世界ではどんな無理な設定も数値上で可能となる。  この実験は「人はくすぐりで死ぬのか?」という主題を目的に行われているらしく、脳がくすぐったい刺激に苦しみすぎてショック死するラインが波形グラフのモニターの上下に表示されている。  直葉の感情波形はそのデスラインを何度もオーバーシュートし、往復していた。  すなわち既に何度も笑い死にを体験させられているということになり、しかもその分だけくすぐり責めの夢を見させられているということになる。  現実世界で1分しかたっていなくとも、脳に与えられる感覚時間はいくらでも引き伸ばせられる。直葉にとっては無限にも等しい時間、くすぐり地獄を味合わされていた。 「~~~~~~~~~~~~~~!!?!?!??!?~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!??」  現実世界の直葉はナーヴギアを装着したまま目覚めない。  しかし直葉の意識は確実にゲーム世界に存在し、くすぐられる信号を送り込まれ笑い苦しむ信号波形で自己を表現しているのだ。  こうして直葉はかつての兄と同じくゲームの世界に捕らわれることとなってしまった。  デスゲーム以上に恐ろしい、無限笑い地獄に捕らわれたまま直葉は延々と笑い狂わされるのだ――……


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