気が狂いそうなほどの絶え間ない絶頂を受け止めるためには、もはや抵抗のもがきをする余裕などなかった。触手の粘液塗れの凹凸で酷く研磨された恥部は、その凹凸の一粒一粒を余すことなく知覚し、止めどない湧き水のように潮や汁のような何かを激しく噴き続ける。
「あ……あ゛ぁ…………♡」
桃乃木林檎は快感を注がれるだけの動かぬ器となり、時折、女らしく甘くて汚い声を漏らす。これだけの莫大な快感を与えられたのなら、普通は失神してしまうようにも思えるが、不思議なことに意識が途切れることはなかった。
ジャカジャカ……という触手が股の前後を行来する音が延々と狭い個室トイレの中に響き渡る。その時――がちゃり。桃乃木林檎は、待ち望んだその音を決して聴き逃すことはなかった。経年劣化ゆえか、個室トイレの鍵が何かの弾みで外れたのである。
「ふぅぅ…………!!♡」
逃げねば。機会はまたと来ないと、忍耐に割り振っていた余力をこの瞬間に全て賭ける。腹に力を込めると、脳天まで届く絶頂の心地良さに思わず腰が抜けそうになるが、何とか最初の一歩を個室の外側へと踏み出した。
「オやオや、コれはいけません。まだ潮ヲ出し切っていないでしョう?コちらに戻ってまだまだイキ狂い続けなさい」
「いやぁ……!!♡」
触手が獲物を逃すまいと、駆け出す桃乃木林檎の手脚に絡み付く。この触手は器用なことに、掴んだ肌との接着面で滑らぬよう、良い具合に粘液の量を減らして的確にグリップしてくるのである。片足を浮かされ、両手は後ろへと引っ張られる。あまりに刺激されてしまった恥部は未だに潮を噴き続け、片足の踏ん張りを妨害していた。
このままでは確実に個室へと連れ戻されてしまう。逃げたいという意思に反して、力及ばず身体が仰け反っていくその姿は、なんとも惨めで滑稽な有様であった。