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さるまる
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北海道にある実家に帰省してきた話【後編】






(Fanbox)






こちらの続きとなります。

一秒でも早く夜が明ける事を祈りながらなんとか一時間程眠る事ができチェックアウトした土曜の朝。
何かを食べようにも喉の痛みと耳の痛みから咀嚼が行えそうになくコンビニでコーンポタージュを購入し朝食がてら啜りながら駅に向かいました。天気は幸い晴天。晴天ですけど放射冷却でむしろ晴れてる方が寒いんですよ 北海道の朝。町で通り過ぎていく重武装の方々が短パンの僕を一瞬見て目を丸くしている気がします もうただの被害妄想です。コートだって一応冬物ではあるんですが関東クラスの寒さをしのぐ程度の防寒性しかもってないんですよね。北海道だと秋くらいに着てるやつです。オータムファッションの短パン小デブがポタージュ両手にガチガチ震えながら大通公園歩いてたらそりゃ不審に不穏ですよ。僕だったらまず近寄りません。
ていうかこのタイミングで無理矢理にでも病院いっときゃ良かった。もう脳味噌回ってませんでした。

僕の実家はそれはもう田舎も田舎のほうにありまして、ここから電車を乗り継ぎ3、4時間。
最寄りの駅に着いたらそこからバスで30分。最寄りのバス停から家まで徒歩30分弱でようやく到着します。もう少し近いバス停があったんですけどそのバスは3時間に一本で一日3本しか動かないんで無いものとしてカウントする他ないです。文字に起こしてるだけで気が狂いそう。

そうして5時間の旅を終え実家に帰りついた訳ですがこれまたタイミングが悪くて。
すっかり忘れていたんですがその日はちょっと特別な日だったものだから親戚連中が二三組集まっていたんですよ。ええ。ここ数年全く顔を合わせていなかったものですから叔父様も叔母様もヒロくんも晶子ちゃんもワイノワイノでもう盛り上がっちゃって。耳殆ど聞こえてなかったんで話合わせながら相槌打ってただけなんですけども。

そんなこんなで数時間、親戚も帰り落ち着いたタイミングで限界を迎えた僕は耳から膿を出し38度台後半の発熱を伴ってぶっ倒れました。


いやもうほんとこんな感じ。
あとはもう一時間に一度目を覚ましては水かお湯を飲み意識を失いまた目を覚ましては水かお湯を食む、なんていうか植物みたいな状態でした。幸い病弱だった姉がロキソニンをこれでもかというレベルでため込んでいた為痛みは幾分マシだったんですが兎に角熱が下がらない。下がったと思ったら更に上がって帰ってくる。なんかもう実家にいた記憶あんまりありません 天井だけ見てました。かろうじて食べられたのがほぼお湯のお粥くらい。食べ物が美味しいくらいしか取り柄がない北海道(道産子特有の歪んだ地元愛)に行って食べたものがカラオケ館のパーティプレートとコンビニのコーンポタージュと重湯とお湯と水だけですよ。何しに帰ったんですか僕は。流行りのファスティングダイエットかな?家は断食道場じゃあねえんだぞ。

耳は耳でもう一大事です。まるで雪解けを待った山々から流れ出る湧き水のように膿が溢れて溢れて止まらない。これだけ止まらないものを僕はかっぱえびせんかワルキューレくらいしか知りません。それくらい止まらない。一体どこからこれだけの膿が生成されてるんだろうってレベルです。もしかしたら脳味噌が熱で溶けだして耳から染み出てるんじゃあないのかと疑いました。干ばつに喘ぐ農村にいったら竜神として称えられるレベルであふれ出てた。言い過ぎか。


そんな状態ではありましたが月曜日には東京に戻らねばならず、姉が無理して仕事を休んで車で空港まで送ってくれました。正直一番助かった。一瞬姉を抱いてしまいたいと思えるくらいには好きになりました。
死に体ではありますが空港になんとか到着し荷物検査を済ませ、突然の腹痛に襲われ土産も変えず搭乗ギリギリまでトイレに籠り。それでもなんとかこれで辛い旅も終了だと思っていました。

いたんですが。





そうです。航空性中耳炎。
中耳炎の風邪引き男が飛行機に乗ったらどうなるかご存知でしょうか。
中耳炎になるんです。より、重度の。
そして死ぬ程痛い。往路の機内での痛みなんてまるで相手にならないクラスで痛い。
あの時僕の鼓膜に居たのはヒクソン・グレイシーじゃあなく橋本環奈だったと思えるレベルの痛みの差。
ついでに言うと往路では左耳のみで右は軽い違和感程度だったんですが復路では両耳です。
右でボブ・サップが大暴れしてると思いきや左でゴジラが上司滅殺ビーム吹きながら阿波踊りしてる感じです。自分の体内でボブ・サップとゴジラが枠組みを超えたコラボレーションしている人類なんていると思いますか。居ました。当時の僕です。
あまりの痛みに体を丸めて耐えていると横にいる叔母様が「ちょっとお兄さん 大丈夫?」と声をかけてくれました。全然大丈夫じゃあないですがここで乗組員さんとか呼ばれたらたまったもんじゃありません。いや膿は溜まりまくって溢れてるんですけども。
「大丈夫です!飛行機の気圧的なのに弱くて痛いだけですから!」とよく分からない言い訳をしましたがこんなよく分からない言い訳をする見ず知らずの髭眼鏡にご婦人は大層よくして下さり、
「わかるわかる、おばさんもね、若いころ苦手だったのよ~!」
「飴舐めるとちょっと楽になるのよ。無い?じゃあこれあげるからね!しんどかったら係の人呼ぶからね!」
「あらあらあら貴方これ血みたいの出てるわよ!ティッシュ詰めときなさい!」
と終始僕を気遣ってくれました。
女神だ。治療の神ディアン・ケトがここにいたのだ。
彼女こそ令和のナイチンゲール。この腐敗した世界に堕とされたゴッドチャイルド。スライムベホマズン。

そんな予想外の助力もありその日の夜には無事東京の家に帰り、翌日の朝一で近所の病院に駆け込み今は若干マシになった耳と喉の痛みに耐えながらこうして無事にブログ記事をかけています。
なんていうか皆さまも気を付けてください。少なくとも僕はもう二度と冬の北海道へは行きたくありません。あと長ズボン買います。


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