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タジマ粒子
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魔空挺の王子付きケモミミメイド




帝国の西方。広大な砂漠地帯が広がる。

だがそこには巨大な流通網が横断しており、聡賢な王のもとオアシス都市は大いに繁栄し巨大な連邦国家が存在していた。

その利権をめぐり帝国とオアシス国家は対立。戦争が勃発。

戦争は初戦、魔法を駆使する帝国の優位に進んだが、誰もが諦めかけたその時、救国の英雄が登場した。

褐色の肌に精悍な顔つき…黄金色の長髪を砂漠の乾いた風になびかせ…。

彼はオアシス国家の王子。五兄弟の末弟でありながら魔空挺と呼ばれる魔力炉を搭載した飛行戦艦で敵戦力を大いに打ち破った。

もちろん帝国もそれを有していないわけではない。

しかし王子はそれらしくないエンジニアの素養も併せ持っており、聡明な彼は自身とその配下の船団を強化していた。


救国の英雄として次期後継者の有力候補と噂されるようになった彼を他王子たちは苦々しく思っていた。

当の王子は相変わらず魔空挺ばかりを乗り回し、弄り回していたが。


だがそんな折である、王が戦の心労で崩御した。

水面下で行われていた王子たちの権力闘争は一気に表面化し、第五王子もいやがおう無くそれに巻き込まれる…。

各地で王子たちの私兵が戦闘を起こし、オアシス国家は分裂。

その戦闘後の第五王子の消息は不明。戦死と噂された。


その剣呑とした空気は宮廷をも包んでいた。

そこに使える獣人族のメイド、ニル・ニアルディもそれを感じざるを得なかった。

王様の死後、宮廷と首都は第一王子の所領である。

第一王子は冷酷な人物であり、国民のみならず仲間のメイドたちがひどい目に合うさまを何度も見ている。

息を殺して過ごすしかなかった。

王様にお仕えしていたころはあんなに心地よかった宮廷ももはや監獄と変わりがない。

そうした暗い気持ちで見上げるとあるものが目に入った。

それは先の大戦で活躍した第五王子の魔空挺である。

王宮中央のサンルームに記念展示されたそれは白亜に輝き、とても戦闘兵器とは思えない優美ささえある。

今すぐこれに乗って飛んでいけたら…。

だがニルは宮廷しか知らない。

憧れ以上に外の世界に恐れがあった。

自分でも不思議だ。冷酷な王子がうろつく宮廷より自由な外の世界を怖れているなんて…。

だがそうした不安を本当に恐ろしいものが上書きした。

「オイ。そこのメス狐!」

「はひっ!!」

「お前だって言ってるだろ!!」

第一王子である。うつろな目でニルを睨みながら近づき…。

「お前みたいなメスケモがまだ残ってたなんて知らなかったなぁ。もうめぼしいのは大体躾終わったと思ってたんだが…。」

下卑た生臭い吐息を吐きながら彼女を抱き寄せた。

「や…やめてください…!!」

「スケベなメスケモが…お前に断る権利あると思ってるのか!!!うらぁあ~…。部屋までガマンできねぇ…。ここで一発スッキリするぜ…。」

そうしてニルの腰を鷲づかみにし、おぞましいものをうしろから突き立てようとする。

そうだ…私に逆らう自由はない…。

諦めて見上げた先。白亜の魔空挺は日の光を浴びてきらりと光っている…。

次の瞬間!!!!


ドカーーーーーーーンン!!!!!!

どこかで爆発音がとどろいた。

どよめく宮廷内。近衛兵が王子を見つけ駆け寄ってくる

「ななな!何事だ!」

慌ててズボンを上げながら訪ねる第一王子

「第四王子の急襲です!!やつの一味に城門を突破されました!!!」

「アイツ!!!まだ生きていたのか!!!クソッ!貴様ら!絶対やつの首を持ってこい!!」

そう叫ぶ第一王子。しかし。

「……首ならここにあるよ~」

「!!!???」

「身体もシッカリくっついてるけどwww」

「バサラ!!!!貴様ぁ!!」

第五王子である!!!!!!!

「そっちからもってきてくれるとは有り難い!重装近衛兵!奴を殺せ!!!」

魔法にも耐性のある特殊合金で強化された重装兵四人が王子に襲い掛かる!!

しかし突如四人が絶命!!

「!!!!????」

「バサラ様…。」

第五王子の仲間による早業…。噂に聞く王子の隠し刀、アサシンだ…。

「さて…。兄さん。魔空挺は返してもらうよ。悪趣味な兄さんのインテリアにはちょっと上品すぎるからね。」

「グギギ…そうやって昔から俺を…。バサラ貴様ぁ~!!!」

近衛兵から抜き取った短剣で王子に襲い掛かるも王子は鮮やかに身をかわし、腰に下げたツールケースからレンチを抜き出して頸椎に一発振り下ろした。

バキ!!!っと鈍い音が響く。死なずとももう体は動かないだろうことがわかる。

「よし、みんな~撤収撤収!!!本隊が来るとさすがににげらんないよ~」

飄々と仲間を集めて魔空挺に乗り込むバサラ王子…。

この人はなんて自由なんだ…。

その一方で私は…。さっきの恐怖?それとも外の世界に?もしくはどっちも…。

ニルの脚は固まって動けない。

「おっし。みんな集まったね。いくよ~」

魔空挺のエンジン始動音が高くなる

ああ…自由が行ってしまう…。でもそうだ…私と彼は違うんだから…。

そうニルがうつむいていると

「おーい!行くって言ってるでしょ!!急いで急いで!!」

「!??…わ…私…ででで…ですか!????」

「君しかいないでしょう~。ほら!つかまって!」

王子のしなやかで大きな手が差し出された。


あれから私、ニルは王子…いや、バサラ様の魔空挺の一団の専属メイドとして働いている。

今やバサラ様は空を駆ける傭兵だ。

魔空挺のエンジン音が荒鷲の鳴き声のように朝日を浴びて響いた…。








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好きだ。

TENYU


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