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広域はんい
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縮小奴隷日記外伝 中編②~千雨のペット~


「君が来るのをずっと待っていたんだ。 同じ人間に飼われている者同士、色々と話したくてさ」

「……ぁ……ぅ……え!? あ、あんたは?」


 陽介は始めて晴樹の存在に気付いたようだ。

 まさかこんな所に、自分と同じサイズの男が居るなんてと驚いている。


「ああ、自己紹介がまだだったね。 僕は君を連れてきたあの女性に飼われている、晴樹という名前なんだ。 ――君は?」

「お、俺は……あの二人の娘にようちゃんと呼ばれている……」

「違うよ、僕が聞いているのは人間の時の名前。 まさかようちゃんって名前じゃないよね?」

「……人間の時のなまえ……? お、俺は」


 必死に思い出そうという素振りに不思議に思う晴樹。

 自分の名前を忘れるはずがないと思って。


 晴樹は知らなかった。

 小さくされると記憶が薄れゆく事に。

 たまに人間だった時の思い出話をする千雨のおかげで、記憶が薄れるという事はなかったから気づかなかったのだ。


「え、えっと……大丈夫? 調子悪そうにしていたからそのせいなのかな?」

「いや、あの女の唾を飲んだおかげで体はだいぶ楽になった。 ……えっと、名前だったよな……。 ――そ、そうだ! 俺は『田川 陽介』という名前だった! ははっ! 陽介、陽介なんだ! 俺はッ!」

「あ、ああ……思い出せたみたいでよかったね。 よろしく、陽介」


 思い出した名を確認するように何度も連呼している陽介に、少し不気味に思う晴樹。

 あまりに声をかけつらく、立ち止まったまま見ている事しか出来なかったのだが、次第に陽介は落ち着きを取り戻していき、大人しく――正常へと戻る。


「……すまなかった。 自分の名前を思い出せて嬉しくて……」

「う、うん……」

「あの少女達に小動物みたいに扱われ続けていく内に、自分自身、何が何だか分からなくなってきて。 あげく、名前まで忘れてしまっていたとは……何てことだ」


 胡坐をかいて悲しそうに項垂れる陽介。

 泣き出しそうにもなっているその姿に晴樹は疑問を感じる。


 《幸せじゃないのかと》


 なので、質問をしようと口を開く。


「自分で人間に飼われるペットになったのに、思ったよりも大変だったから後悔してるのかい? でも、後悔してももう僕達は元に戻れな――」

「はあ!? 自分でペットになっただって? そんな訳あるかよッ! お前だって無理やりあの人間のペットにされて飼われているんだろ?」

「――えっ!? いやいやいや、何を言って……」

「……へっ?」


 違うと言わんばかりの返事を返す晴樹に、呆けた声を出す陽介。


「……お前も無理やりそんな小さな体にされたんじゃないのかよ」

「い、いや、僕は自分から進んで千雨のペットになったんだけど……」

「なっ! 何でこんな地獄みたいな生き方をわざわざ選んだんだ」

「えっと、何故かと言われたら千雨の事が好きだから、としか言えないんだけど……まあ、一から説明すると――」


 晴樹はこれまでの経緯を説明しだす。

 元々幼馴染である事や、恋人であった事。 結婚しようにも彼女の家のしがらみで許されなく、自分とは違う相手と結婚した事を。 だから、それでも一緒にいたくてペットになるのを選んだのだと。


 陽介も同じように経験してきた事を話す。

 小さくされてから女性の自慰の性具として、物となりお店に陳列されて生きてきた事を。

 そこにはたくさんの小さくされた男達がいて、ほぼ全員がお店に来る女性客の都合で食べられたりして、命を奪われた話を。


「す、すごい凄惨な話だね……」

「この話は嘘じゃないぞ。 だから俺はご主人様の……いや、あの萌という少女が店にきた時に、カバンの中へ潜り込んで逃げようとしたんだ。 だけど結局見つかってしまって……。 まあ、それから何故かペットとして飼われている」

「そうだったんだ……。 僕と違って辛い思いをしてきたのですね」

「辛いなんてもんじゃない! 地獄だ。 人から人間扱いされないのは」


 「確かに」と晴樹も納得する。

 人間扱いをされないのは、如何に惨めであるかと知っているからだ。 ――ましてや好きな人に。

 現状の生活に慣れて麻痺してしまい、だいぶ薄れてはいるが……辛いという事には変わりない。


「…………」

「…………」


 お互い負の感情を思い出してか無言になる。

 そんな空気になってしまったのをいち早く気付いた晴樹は、話題を変えようと別の話をふった。


「――所で小さくなってからの話を聞いたけど、陽介は人間だった頃は何をしていたんだい?」

「………………」


 陽介は返事を返さない。 いや、返そうとはするが答えられないのが正解か。


「あの、陽介?」

「……いや、すまん。 覚えていないんだ。 人間であった頃、俺は何をしていたのかを。 それでも俺には大切な人がいた気がする。 死んでも守らなくてはならない大切な人が……。 ああ、なんで! 何で思い出せないんだッ!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて陽介!」


 晴樹は再度取り乱した陽介の背中をさすってなだめる。


「ハァハァ……す、すまん。 また俺は……」

「気にしなくていいから、僕が余計な事を聞いたせいだ。 こっちこそごめん」

「あ、ああ……。 でも、このまま忘れたままにはしていられない。 思い出さないといけない気がする」

「そうだね。 そこまで陽介が思うのなら、とても大切な人なんだろうね。 もしかしたら恋人とかそういう関係の人なのかもしれないね」

「恋……人……か。 あーいやっ、恋人とは違うような……」


 目を瞑って思い出そうとするが、ブンブンと頭を振る。


「まあ、今はどうやっても思い出せなさそうだ。 それよりも、えっと……晴樹の方はどうなんだ? 現状を受け入れたようにしているが、元恋人で結婚してしまったんだろ? こんなペットを入れるケージの中で結婚生活を見せられて苦しくはないのか?」

「あはは……。 確かにペットとして慣れない内は苦しかったかな。 それに、目の前でその……男女の行為をされた時は死にたくもなったよ」

「うわ……それは確かにきっついな……」

「うん。 あれは確かまだ夏の暑い時期で、千雨とあいつが結婚したばかりの新婚の時だったかな」


 思い出す。 ぼんやりと過去の事を。


 ――それは、まだ晴樹が小さくなって間もない、千雨達が始めての夫婦生活を送る日の、夜の出来事であった。



「やんっ……ちょ、あきまへんよ」

「いいだろ? 結婚してからしようって約束だったじゃないか。 私はずっと我慢をしていたんだぞ。 それに、そんな肌を見せるような着物を着て私を誘うから」

「せやけど心の準備が……あんっ! もぅ……」


 晴樹がいるケージの前で、二人の巨人である男女が抱き合う。


「そ、そんなっ! 千雨……」


 透明なガラスを挟んだすぐ向こう側では、男の巨大な脚と、丈の短い着物を着た巨大な千雨の太ももがある。

 ズボンの上からでも分かる膨らんだ男の股間は、着物がはだけて見え隠れする千雨の下着……下半身にあてがい、執拗に擦り付けていた。


「ぅ……ぁぁぁ……」


 スリッ……スリッ……スリッ


 擦り付け合う男女の生殖器である股間は蜜を湛え(たたえ)、今やズボンや下着は濡れてしまっている。


「「ハァ……ハァ……」」


 そして、お互い興奮してか荒げた呼吸をして見つめ合い、さらにはどちらからでもなく二人は顔を近づけていく。


 ちゅ……ちゅぷっ

 ぶちゅっ! くちゅ……


 舌を絡ませて鳴る唾液音。

 晴樹の手が届かぬ遥か頭上で、男女は求めあうように口同士を密着させた。


 ぺちゃ…… ちゅく……


「ああ、あ”あ”ッッ! 千雨、ちさめぇぇっ!」


 悲痛な声で名前を呼ぶが、晴樹の声は小さく……互いの荒んだ息や舌を貪る音でかき消されてしまっている。 また、二人の男女は行為に夢中であるため聞こえやしない。


 ――晴樹は分かっていた。 覚悟もしていた。

 いつかは自分以外の男と添い遂げ、夫婦生活を送る姿を見るのであろうと。


 しかし実際に好きな人が別の男と行為を及ぶ姿を見て、簡単に覚悟は消し飛んでしまったようだ。


 何故なら晴樹は、本当に辛そうに涙を流しながら名前を呼び、見ていたから……。

 じっと……じっと、蕩けた表情をした千雨だけを。


 彼女は彼女の方で、晴樹に意識を向けないでいた。 いや、あえて無視をしていると言っていい。


 それは、晴樹がペットになると覚悟をした時、千雨自身も覚悟を決めてしまったがため。

 彼を――晴樹をペットとして扱うって事を。

 それが例え、元恋人で愛し合っていた人だったとしても。


 ――彼はもう、人間である事を自分で決めて辞めたのだから。


 だから出来る。 男女がする行為を目の前で。

 悪いと思う気持ち、罪悪感さえ抱かない。


 《ここに在るのは自分が飼っているペットだ》


 気を遣う必要なんてありはしない。



「脱がすよ、いいね?」

「……はい」


 ファサッと着ている着物が床に落ちる。

 そして外気にさらされ露わになる千雨の紫色の下着姿。

 勝負下着というものなのだろうか? いっそう大人の色香が漂うその姿に、脱がした本人である男は生唾を飲み込む。


「あぁ……あぁぁぁっ……」


 とうとう男の手でブラジャーまでもが外された。

 だからか、窮屈な中に閉じ込められていた柔らかな乳房は、プルンッと弾みをみせる。

 如何に弾力があり、張りがあるのかは――誰が見ても明らか。


「うーん、これはどこに……ここでいいか」

 パサリ……


 外したばかりの手に持ったブラジャーを邪魔に思ってか、男は晴樹のいるケージの縁に引っかけた。


「ぁ……」


 こんな男の無神経な行いに、千雨は何も言わない。

 「雑に扱うな」と、そう言いたいのに、新婚であるためか喉まで出かけていた言葉を吞み込んで我慢をする。


 今日は始めての夜だ。

 注意した事で気まずくなってしまうのは嫌だと思って。

 それに、後々矯正していけばいいとあまり深くは考えていなかったため。


「あら、もうこんなに勃ってる……。 ウチの裸を見て興奮したん?」

「魅力的だからしょうがないだろ。 それに、うぐッ! そんな事をされると余計に……」


 着ているものを全て脱いで、すっかり裸になってしまった男女。

 二人はまた抱き合い、千雨の胸は男の胸板でへこむ。


 胸元から下は、男の性器が膨らみをみせている。

 そんな性器を千雨は片手で握り、指を器用に動かし鬼頭を撫でまわしていた。


「ふふ、もっとおっきなってきたね。 こないおっきしてどないしたいの?」

「ぁ……うぐっ」


 耳元でふぅ~と吐息をかけながら話す千雨に、男の性器は強く熱を持つ。

 ビクンッ! ビクンッ! と何度も跳ね上げようとするが、千雨の手が邪魔をして自由を奪う。


「やんっ♪ もぅ、暴れん坊やね」

「ち、千雨! 私は、私はッ!」

「ふふ、ええよ、しよっか。 これまで我慢させてしもうたさかい、ウチが可愛がってあげる」


 晴樹の前にある二体の巨体は轟々ともつれ合い動く。

 あらかじめ敷いていた布団の上に、巨人達は寝転ぶために。


「千雨ぇぇッ! イヤダァァァッ! やめてくれよぉぉ」


 悲痛な叫びを上げるが、気付かれず横並びに寝転がってしまった二人。

 晴樹に足裏を向け、互いの気持ちの良いポイントを触りあっている。


「あ”あ”あ”ぁぁッ!!」


 とうとう本格的に始まろうとしている夫婦の営み。

 しかしそれは、まだ若く新婚であるための然るべき行為である。


 だが……だけども、晴樹は我慢ならなかった。

 夫婦なのだから当然だとしても、恋人であった人がいざ男に抱かれようとしている事が許せないのだ。


 ――故に晴樹は止めさせようと、ケージの中から出るために行動を起こす。


「早くッ、早く急がないと!」


 とは言っても外にでる術はない。 ペットが逃げ出さないように作られているため、透明なガラスの壁は晴樹よりも高く……高く聳えているからだ。


「ぁぁ……駄目だ、どうしたら。 このままだと千雨はあいつとッ!」


 何か脱出できる方法はないのかと周囲を見回す晴樹。

 すると、外へと伸びた巨大な物がケージの縁に引っ掛かっているのを発見する。


「こ、これって、千雨の……」


 それはブラジャーであった。

 今さっきまで千雨が身に着けていた、胸を支えて固定する物。


 見た感じ引っ掛かっているブラは、ロープのようにホック部分から上へとよじ登れそうである。


「よし、あれを使えば外へ出られるかもしれない!」


 走って垂れ下がっているブラへと向かう。

 そして両手で垂れ下がっている紐を掴み、引っ張ったりをして自分を支えられるのかどうかを確認する。


「うん、僕の体重を乗せてもずり落ちなさそうだ! 急いで登ろう」


 晴樹が掴む紐は背中で固定するためのホック部分。 それを一握り、一握り掴みながら、上へと登り始める。

 思った以上に紐は頑丈なようで、これぐらいなら千切れたりはしないのだろうと安心する。


 それからも上へ上へと登っていく晴樹は、今や人一人が余裕で入れる個室のような、布で作られた大きなお椀辺りにまで辿りついたのであった。


「はぁ、はぁ……やっとここまで登ってこれた。 しかしこの匂いは……」


 お椀の中からは、ツンッとした甘い残り香がしていた。

 それは汗の匂い。 嗅がれたら恥ずかしく思う彼女の体臭だ。


 まさしく晴樹が辿りついたこのお椀は、女性の乳房を包むものである。

 男性にはない成長して膨らんだ乳房を、支えて形を守るもの。


「はは……ははは………………」


 晴樹は改めて実感した。

 自分が如何に小さくなったのかを。


 確かに小さくなった当初、千雨との体の大きさの違いに驚いていた。

 自分を持とうと迫る、あまりに大きな手の平にも驚いていた。


 ――知っていた。 分かっていたのだけど、そんな彼女が身に着ける “ただの物” にまで、自分との差が大きく広がっているのだと知り虚しい気持ちになる。


 《人間でなくなった自分は、どれだけちっぽけな存在なのかを……》


「惨めだ……僕は。 千雨のおっぱいを入れるカップに入るぐらい小さいなんて。 しかも、片方のおっぱいだけの……」


 とは思うが、諦めずに登り続ける。

 これ以上、晴樹は惨めな思いをしたくなかったので。

 なんせ目の前で恋人だった人が、自分とは違う男に抱かれようとしている。

 そんなのを見せられて、男なら黙って見ていられるはずはない。


「絶対にやめさせる! させてなるものかッ! 彼女は――千雨は僕のなんだ!」 


 かような思いを胸に、汗を流して必死になって登っていく晴樹。

 その甲斐あってか、やっとケージの頂上である幅が狭い縁(ふち)にまで辿り着く事ができた。


「はぁ、はぁ、着いた! 後は――」


 下に降りるだけ。

 だが、余りにも下の地面までの高さがあった。


 確かに登っていた時と同じように、ブラを掴んで降りていけはする。

 しかしそれは机の上まで。

 晴樹がいた場所は、高い机の上に置かれたケージの中に入れられていたのだから。


「何か、降りていける方法は……」


 晴樹は縁の上でどうしようとかと手をこまねいていると、


「あん……もぅ、そないな触り方して♪」

「ごめん、痛かったか?」

「ええよ。 でも、もうちょっと優しく……あっ❤ そうそう、そないな感じ」


 甘い言葉を囁き合う、男女の会話が晴樹の耳に入る。

 

 その声につられて見ると、布団の上で横になって脚を絡ませ合う、二人の巨人の姿があった。

 高い位置から見下ろしているため、男が乳房を触る姿を、また、触る手に快感を感じて、蕩けた表情をして悦んでいる女の姿が良く見える。


「ぁぁ……千雨ぇぇそんなッ!」


 そんな姿を見て、晴樹はつい気を取られてしまう。 ――それがいけなかった。


「お、落ちッ――ウワァァァァァッ!」


 晴樹は誤ってバランスを崩してしまい、下へと落下してしまったのだ。

 机よりもさらにその下、畳の地面にまで……。


「ぐぅぅあ”あ”ぁぁぁ……うあああッッ!」


 落下した晴樹は痛みで尋常じゃない悲鳴を上げる。

 脚から落下した事によって、両脚が折れてしまったからだ。


「うぐぅぅ……ああぅぅ……」


 だが、奇跡的にも意識はある。

 このまま意識を失ってさえいれば、痛い思いをしなくて済んだとは思うが……。


「ぅぅぅ、ちさめ……ちさめ……」


 晴樹は折れた脚を引きずりながら、千雨の元へと向かう。

 畳の上を腹這いになってでも、ズリズリと。

 そして、時間をかけてなんとか巨人達が寝転ぶ、敷布団の上へとやってくることが出来たのだが……晴樹の視界に広がるそこには――


「あ、あぁぁ……だめだ……駄目だ千雨ぇ! やめて! やめてくれよぉぉッ!」


 男の身体の上にまたがる、恋人だった女の大きなお尻が……勃起した男性器目掛けて、ちょうど下ろされようとしている光景だった。


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読んでくださりありがとうございます。

前編での後書きで後編は……と書いておりましたが、中編になってしまい申し訳ございません。 次回は必ず後編となります('ω')


縮小奴隷日記外伝 中編②~千雨のペット~

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