《おわぁぁぁッッ!》《ぎゃぁぁぁッ!》
ポトポトと床にあるクッションの上に落とされていく男達。
茉由の手から。 明日香の手から。 詩織、ニナの手から、ゴミを捨てるように立ったまま放り投げられて。
《うあぁぁぁぁッ!》
倣(なら)って、りんも同じように手に持っていた男を落とす。
若干、罪悪感を含んだ顔をして。
《うぁぁ……ま、マジかよ……》
そんな光景を速人は桜の手の中で怯えて見ていた。
明日香達からすればなんて事はない高さだといっても、小さな速人からは、例え胸元の位置でもビルの十階……いや、二十階以上も高さがある場所から落とされていたからだ。
――そんな落ちていく男達を見ていた速人にも、今、まさに災難が振りかかろうとしていた。
《――えッ!? まさか! ちょっ!》
両手で押し広げようとしても、ピクリとも動かなかった指が開かれていく。
速人を握っていた一本一本の指が順々に……。
《ま、待ってくれっ! 桜、なぁ! 嘘だよな!》
離れゆく人差し指にしがみ付き、桜の顔を見上げる。
落とされた男達のように、まさか自分も落とそうとしているんじゃないのかと思って。
《お、おい……桜?》
恐る恐るか細い声で呼びかける。
だけども桜は必死に指にしがみ付く速人を、ニコリと微笑んで見ているだけで、手の平を徐々に傾けていく。 最終的に、手の平を下に向けるまで。
《お、落ちる! 落ちるって! やめろっ! やめろよぉぉッ!》
両手で桜の指にぶら下がる状態になった速人。
掴む手は速人の汗なのか、はたまた桜の汗なのか分からないが、指を持つ手はズルズルと滑りだす。
「アハハハ♪ 速人めっちゃ耐えてるじゃん。 必死だなぁ♪ ほら、早く落ちなって、邪魔だから」
桜はケラケラと笑う。
だけどその笑いで指が小刻みに震えたせいで、掴んでいた手はなお滑り落ち――
《ウアアアァァァァァッッ‼》
床に落下したのだった。
………………
…………
……
《ぐっ……いてぇ……。 く、くそう桜の奴……》
落とされた先が柔らかいクッションの上で助かった速人。
少しの痛みを感じているようだが、どこも怪我はしていない。
だから一言、こんな扱いをした桜に文句を言ってやろうかと速人は桜の方を見上げるのだが、
「マジで! 明日香の下着ってここの小人で作った奴なん⁉」
「そそ、ちなみに茉由とニナも愛用してるよ」
「うん、穿くだけで汚れた箇所を自動で綺麗にしてくれるし便利だからね」
こんな目に遭わせた自分を一切気にせず、桜は楽しそうに会話をしていたのであった。
そんな姿を見て、普通なら怒りが湧くだろう。
幼い頃から近所付き合いのある女の子から、物みたいに雑に扱われたら尚更。
だけども速人は怒る訳もなく、唖然と見上げたまま固まっていたのだった。
怒りという感情が、一瞬でかき消されてしまって。
《お……おおっ! ま、まじか!》
何故なら、クラスメイトの女子達が目の前でドレスを脱ぎだしているからだ。
普段、制服を身に纏って隠しているその下着を、堂々と速人の前で晒して。
《……うほおおっ!》
始めて見る女子達の下着姿に歓喜し、興奮する。
ぷにゅっとブラで寄せ作られた、好きな人である明日香の胸の谷間を見て。
生きていて絶対に拝む事が叶わないはずの、お嬢様である茉由の下着姿を見て。
他にも詩織の下着は大人っぽい下着で、とても煽情的だ。
りんとニナは胸の大きさは小振りとはいえ、お尻は女性らしく柔らかそう。
《す、すげぇ……》
始めて見る女子達の下着姿は、速人からすればどれも魅力的であった。
魅了されていると言ってもいい。 釘付けとなり、目が離せない。
「あ、あの……皆様の同級生の彼、ジッと私達を見ているのですが……」
「アハハ♪ ほんとだ。 フジって男子の中で特にエロかったからな~」
「そうだね。 たまに話す時、藤田君って胸元や脚に絶対目線がいってたから……。 本人には言えなかったけど、正直気持ち悪く思ってたよ。 優君なら大歓迎なんだけど」
「気持ち悪い……ふふ♪ 確かに。 まあでも、藤田君はほんとおめでたい頭をしていますね。 これから私達に使われるというのに」
「いや、しおりん、案外フジは喜ぶかも」
「ああ……ですね。 容易に藤田君の喜んでいる姿が想像できてしまいます」
速人は女子達の会話なんて聞いていない。
明日香が……女子達がブラジャーに手をかけて外しだしたからだ。
《うおおっ! うほおッ‼》
ブルンッ! とたゆたう明日香の爆乳。
茉由や詩織もブラを完全に脱ぎ去り、明日香ほどではないが大きな胸を弾ませている。
《すげぇ……すっげぇぇッ!》
遅れて桜やりん、ニナまでも胸をさらけだした。
女子達の生のおっぱいを始めて見て、速人は小さくなって良かったと心の底から思う。
自分がこんな姿になったからこそ、この女子達六人の胸を拝める事が出来たから。
「ぷッ……アハハハ♪ フジってばまだ見てる。 もうガン見」
「しかも顔がにやけたまま……、気持ち悪い……。 何だか使いたくなくなってくるよ」
「そだね。 ――まあ、とりあえず脱ぐもの脱いだし始めようか。 先に桜とリンリンからどうぞ♪」
「――えッ⁉ あたし達から?」
「うん、ここにある自慰用性具を使うのは初でしょ? 普段私達はここに来て使ってるし。 それに、二人にもエロステにハマって貰ったら嬉しいしさ」
膝を床につけ、明日香は喋りながら一人一人男をひょいひょいと鷲掴みに捕まえていく。 無遠慮に、手慣れた手つきで。
グワッと目の前に迫りくる巨大な手の平に怯えつつも、男の誰もが逃げだそうともしない。
知ってるからだ。 どうやっても逃げられない事を。
逃げ出そうとすれば、性具よりも酷い扱いをされる物にされてしまう事を。
《ぁ……ぁぁ…………》
そしてとうとう速人だけが残り、自分の順番がきてしまった。
他の男達と同様に鷲掴みにしようと、広げた手が迫りくる。
速人にかける言葉なんてない。 まったくの無言で。
まるで、落ちた人形を拾うかの如く。
《ひあぁぁぁッ‼》
速人の視界は一瞬の内に暗闇に包まれた。
好きな人……明日香の手に全身を鷲掴みにされて。
「じゃあ二人共ベッドに寝転がって。 ただ寝転がってるだけでいいから。 あ、下も脱いどいてね」
「う、うん……」「りょ」
狭苦しい暗闇の手の中で、明日香の陽気な明るい声が耳に聞こえてきた。
《がっ……ぁぁ…………か、しわぎ》
そんな声を速人はただ聞いているしか出来ない。 握る力が強すぎるために、呼吸すらもままらなくて。
《ぉ……ぁぁぁ…………》
自分の体が急激に上昇し、また横に揺られた事により、強烈なGが襲いかかり、言葉すらも発する事が出来なくなった。
明日香が立ち上がり――ただ歩いたせいで。
速人は何も出来ない。 身動きすらも。
唯一出来る事があるとすれば願う事。
早くここから解放して欲しいと願うだけだった。
◇
「寝転がったよ? これでいいの?」
「おっけー♪ そのままジッとしてて。 二人の身体の上に三匹づつ置いていくから」
「はぁ~何か急に恥ずかしくなってきた。 今から使ってするのがあたしと同じ人間だって思うと」
「あはは、それがスパイスになってめっちゃ気持ち良いんだよ」
「明日香の言う通り、普通のオナニーじゃ絶対味わえない快感を愉しめるよ。 男の人を自分の性欲のために使ってるんだって思うとなお」
「へ、へぇ……そうなんだ」
「天上院さんもオススメするんだったら……うん、りんは頑張って恥ずかしいのを我慢する」
「ふふ、そんなに恥ずかしいって思わなくてもいいよ。 この小人は、もう一生人間社会に戻れないから。 二人はマッサージを受けてるみたいに楽にしているだけでいいからね。 勝手にこの小人が気持ち良くするために動いてくれるから」
明日香は黙々と二人の身体の上に、男を一人一人丁寧に置いていっている。
右胸、左胸、そして股間側の陰毛の上に。
まるでそこが、お前達の担当する場所だと言わんとするように。
当然速人も置かれていた。
桜の左胸の頂上である、ピンク色の膨らんだ乳首傍に。
《ちょ、地面がうご……く。 ――おわぁッ!》
胸に置かれ、すぐに速人ごと持ち上げ上下する地面。
呼吸をしているから。 肺に空気を入れて吸ったり吐いたりしているから。
しかし、ただの呼吸それだけで、速人はバランスを崩されてしまった。
《ハァハァ……やべぇ、危うく滑り落ちかけた》
倒れる間際、思わず近くにあった突起物を掴んだおかげで助かった速人。
安心し、余裕が出来たおかげでふと、自分が掴んでいる突起物に目を向ける。
《な……なんだこれ?》
掴んでいる物はでこぼこしていて正直見た目は気持ち悪い物だった。
しかもそれが生暖かいものだから、気持ち悪さに拍車がかかる。
《何だよ……どこなんだよここは!》
速人は未だ気付いていない。 ここが桜の体――胸の上だって事に。
突然暗い手の中から解放されて、ここに置かれたからだ。
だがそれは今だけ。 数秒もしない内にすぐに知る事となる。
風景の一部だと思っていた巨大な物体……桜の顔が動きだし、速人に喋りかけてきたから。
「ちょっと、人のおっぱいの上で勝手に遊ぶなよ……ったく」
「うふふ、きっと夢にまでみた胸に触れて嬉しいんですよ。 天上院さんが言った通り、ほんと学校でも視線が良く胸ににいっていましたから」
《は? おっぱい……だって⁉》
嘘だと、何かの冗談だと思い、速人は辺りを見回す。
すると、谷を挟んだ奥の山の上にも一人の男がそこにいた。
近すぎて分からなかったが、遠く離れているからこそ分かる、天辺に鎮座するピンク色の “乳首” の前に。
《ほ、本当に俺がいる場所は……桜のおっぱいの上なんだ……。 じゃあ、向こうにある黒い茂みは陰毛……なのか?》
下方遠くに視線を向けると、もじゃもじゃとした長い蔓がびっしりと生えていた。
股間を守るために生えてくる、陰毛という黒く固そうな毛が。
《ん? なんだ? 何か陰毛が動いているような……。 ――えッ! 人⁉》
陰毛の一部分がわさわさ動いているものだから気になって見ていると、その中には人がいた。 四つん這いになり、陰毛の湿地帯の中に。
《な、なんであんな所に人が……》
分からない事だらけ。 何で桜の胸の上に乗せられているのかも、また、陰毛の中に男がいるのかも。
何もかもが初めての事で知らないのだ。
これから自分達を使って、オナニーという性欲の慰め行為に使われるという事が。
「よし、じゃあ始めようか。 この二人は、始めてお前達のようなお店の自慰用性具を使う大切な友達だから、うんと気持ち良くしてあげて。 もし手を抜いたりなんてしたら、食用にして食べるから」
底冷えするような何とも冷たい声だった。
そんな明日香の言葉を聞き、身体の上にいる男達は慌ててご奉仕するために挨拶をする。
《麗しきお嬢様の乳首様、オマンコ様にご奉仕させて頂く事をお許し下さい》
と、最大限自らの価値を下げ、平身低頭をして。
「――えっ⁉ ……う、うん。 よろしくお願いします」
「お、おう……」
自分の乳首や陰毛の中にいるそんな男の姿に、頭を少し上げ、驚き目を大きくしている。
だけどもそれは一瞬の事で、すぐさま桜とりんは頭を枕の上に戻し、無防備な体制のまま寝転がる。
《な……何を言ってるんだこの人らは……》
突然男達が言い出した馬鹿みたいな言葉に唖然としている速人。
許可の言葉を皮切りに、呆けている速人を置いて、いそいそと男らはご奉仕をするため動き始める。
反対側の胸の上にいる男は乳首を触り、そして陰毛の中にいた男は桜の少し開いた股の間の奥の方へと向かい、消えていって。
また、桜の隣に寝転がっているりんの巨体の上にいる男達も、同様に動いている。
小ぶりな胸だがそれでも男からすれば大きな胸の乳首を触り、りんの陰毛の中にいた男は同じく股の間の奥へと消えて。
《お、おいおい……どういう状況だ?》
まったく状況がつかめないでいる速人。
そんな速人をよそに、男達は一生懸命に二人の身体をご奉仕している。
「んくっ……ハァ……❤ やばっ! こいつら気持ち良いわ」
「う、うん、ピンポイントで気持ち良い箇所を触ってくるね、この小人さん達……んっ❤」
「良かった、二人が気に入ってくれてるようで。 それよりもフジ、何ぼうっとしてるん? 桜にご奉仕してあげなよ」
《――へッ⁉》
真上から覗く明日香を見上げる。
するとそこには上空に悠々と垂れ下がっている大きな胸があった。
《おおっ……すご……》
ぶるんっと揺蕩う胸。
間近くから見る、その圧倒的な胸の物量に驚き、速人は見上げたまま固まる。
「ほら、早く。 好きなんでしょ? 女の子のおっぱい。 今のフジなら触ったりしても誰も気にしないからさ」
《あ……わ、わかった……》
返事を返すが本当にいいのか迷う速人。
なので確認するため桜の巨大な顔を覗き見るのだが、
「あっ❤ くふ……。 んぅ❤」
《ぅ……ぉ……》
頬を真っ赤に染めて、こちらを見つめる桜の大きな目玉と目が合い、速人は尻込みしてしまった。
――恐怖で。 同じ人間とは思えない、巨大なガラス玉のような瞳に威圧されて。