◇
~ 一方、そんな茂が激しい揺れに耐えている頃、弥生は、両方の乳首に与えられる刺激に身悶えていた。
そう、この揺れは、弥生が感じたからこその無意識たる反応。
身体が反射的に反応し、ただ勝手にビクビクと小刻みに痙攣を起こしているだけの反応である。
弥生の今の姿は、両手を枕にして頭に組み、何とも優雅な体勢で自慢の巨乳を弾ませている。
肺に勢いよく空気を取り入れ、そしてゆるやかに吐いて……胸を大きく上下に。
その呼吸のせいで、乳首に登り、しがみ付いてクリームを塗っていた男達がポロポロと落ちていく。 耐えている者もいたが、その大半が。
でも、そんな耐えていた者達も――
女が笑い、胸を揺らしただけで落ちてしまう。
ポロポロと……桜色の乳輪の上に。
「あ、ごめんね? お姉さん、くすぐったくてちょこっと感じちゃって」
自分の事をお姉さんと呼び、年下の子供に向けて話すかのように笑顔で喋る弥生。
君たちに言っているんだよ? と言わんばかりに、ギョロリ、ギョロリと左右の乳首に向け、巨大な眼球だけを動かして見つめている。
謝ってはいるが、とても悪びれた様子ではない。
「でも、ビックリしちゃった。 埃みたいに小っちゃいのに、お姉さんを感じさせちゃうなんて」
弥生が言う感触。
それは、クリームが乳首の中に吸収されていく刺激と、たくさんの男達が乳首に群がり、至る所を細かく触りまくられる感触である。
例えるならば、筆の毛先でさわさわ触られるような、そんなくすぐったさがある刺激。
かような刺激は、乳輪の時にはまだ耐えられていたようだが、しかし、敏感な乳首においては反応してしまったようだ。 ……二つの刺激を、性的快感に変換させて。
実際に乳首を高くそそり勃たせ、もっともっとと、求めているのだから。
「んっ……また登っていってる……はぅ❤」
身体の揺れに耐えられず落ちた男達は、一斉にまた乳首の根本から登り始めていた。
そんな根本から登っていく男達の微小な刺激に、乳首は細かく震えて反応する。
「や、やだ……皆で一気に登っちゃうと……んぅ❤ 知らないよ? お姉さんの乳首……もっとおっきくなっちゃうよ?」
ムクムクと男達を巻き添えに、さらに大きく勃ち膨らんでゆく。
弥生の乳首は天に向け、これ以上膨らみようもないフルに勃起した状態にまでなってしまった。
「はふぅ……乳首が勃っちゃった。 ごめんねぇ? 高さが増したけど、頑張ってお姉さんの乳首を登ってね❤」
尋常じゃないほどにまで巨大化して膨らんだ乳首。
そんな勃起した乳首の表面に男達はしがみ付き、負けじと登っていっている。
「あぅ❤ んふぅ……。 それにしても、こんなに小さいのに生きているのよね……ほんとう信じられない」
弥生からすればこの者達は、等しく皆黒い粒――微小な点にしか見えてはいない。
それらが左右の乳首に集まり、登っている。
「それにこれは人間の男の人、なんですよね……」
せっせと自分の乳首を登る男達を、大きな眼(まなこ)で見つめる弥生。
生きて普通に生活をしていたであろう人間の男が、こうして一生懸命自分の乳首に纏わり付いて奉仕している姿に、彼女は言いようのない性的興奮を覚えてしまっているようだ。
――まるで自分を求め、求愛されているように感じて。
こんな小さな微生物みたいな者でも、これは男だと弥生は認識しているから。
どんな姿や形であれど、求められれば嬉しく思うものであるため。
当たり前に恋愛的な感情は、一切彼女にはないが。
「あ、うふふ♪ 何人か私の乳首の頂上に登れてる。 えらいね? よく頑張ったね」
クリームを塗りながら登っていた男達は、ちらほらと乳首の頂上にまで辿りついていた。
いくつかはまだ登っている最中であるが、その者達も頂上に近い付近にいる。
しばらくすれば、彼らもじきに辿りつけるであろう。
そんな頂上に辿り着いた男達からの、コチョコチョとした乳首の先端に感じる刺激に、また弥生は身体を悶え震わせる。
膨張しきった今の乳首には、小さな男の感触が良く伝わってしまうようだ。
「ハァ……ハァァ~……くすぐったくって気持ちいい❤ もっとお姉さんの乳首の上で動き回って……。 ほらがんばれ♪ がんばれ♪ モルちゃん❤」
熟れた乳首を固く膨張させ、男達の与える刺激を受け入れている弥生。
もっと触れと、胸を天井に向けて突き出して。
彼女は存分に、自分の乳首に集まる黒い点を麗し気に見つめながら、優雅に喘いでいるのであった。
………………
…………
……
「おわぁぁ!」
乳首の先端――乳頭部分に全てクリームを塗り終わった後、俺は乳首の頂上で突然の地震の揺れに見舞われていた。
頻繁に襲いかかってくるこの揺れは、次第に激しさを増していく。
だから身を屈め、必死になって地面という乳首にしがみ付いて耐える。
「茂さん、また揺れだしています! “穴” だけには落ちないよう気を付けてください!」
「――わかってるッ!」
穴とは、乳頭の中心地点にあるぽっかり口開いた穴の事。
赤ちゃんに与えるためにミルクが出る場所――乳穴という小さな穴。
「ぐぅおわぁぁッ!」
そんな穴に転げ落ちないよう、俺達は耐えていた。
この穴にだけは絶対に落ちないよう気を付けろと、広斗が言っていたから。
これまで何人もこの穴に落ち、消えていった人間を見てきたと聞いたから。
だから俺は死に物狂いで落ちまいと、必死になっていた。
「ヒィィィィッ!」
穴からは頻繁にニチャニチャと音を出して、開いたり閉じたりをさっきから繰り返している。
まるで俺というご馳走が、この穴に落ちてくるのを待ち望んでいるかのよう。
何というか……こっちに来いと、怪物が大きく口開いているみたいだ。
「あぐぅあッッ……」
野太く聞こえる女の嬌声。
見ると、女の巨大な顔は真っ赤に頬を染めて、気持ちよさそうな表情をしていた。
俺達をこんな目に遭わせているというのに、この女は乳頭にいる俺達の方へ巨大な眼球をギョロギョロ動かし見つめ、多いに悦んでいる様子。
そんな悦ぶ女の深い吐息の後、縦横無尽に揺れ動いていたのがやっと収まりをみせてきた。
次第にその揺れは上下の動きだけに変化し、その動きすらも徐々に落ち着きを取り戻してゆく。
「ゼェハァ……ゼェハァ……や、やっと静まってくれたか……」
「え、ええ……そうですね」
激しい揺れが完全におさまり安堵する。
どうやら俺や広斗以外の奴らも全員無事なようだ。
そんな男達は皆、屈んでいた身を起こし、どういう訳か乳首の頂上から飛び降りていっていた。
「は? ――おい!」
大声を上げて慌てて呼び止めようとする。
俺にはこの飛び降りる姿が、まるで自ら命を絶とうとしているように見えたから。
……しかし、
「ああ、彼らは大丈夫ですよ。 毎回乳首のご奉仕が終われば、私達はああやって飛び降りているんです。 下は柔らかいご婦人様のおっぱいの脂肪ですから、怪我なんてしませんし、それに飛び降りた方が早いので」
「そ、そうなのか……」
「ええ、ですので茂さん、私達も飛び降りて次のご奉仕先へと向かいましょうか」
「なッ⁉ 次のご奉仕先って……これで終わりじゃないのか!」
「終わりじゃあないですね。 ほら、次に私達が目指す場所は、あの奥にあるご婦人様の女性器や排泄器官となります」
乳首の頂上から、広斗が指さす方へと視線を向ける。
女の……黒い茂みへと…………。
「う、嘘だろ……あんな痴帯にも俺達は使われるのかよ……」
「……そうですね。 でも、安心してください。 残り二つの箇所にクリームを塗れば、私達の仕事はそれで終わりですので」
安心なんて出来ない。
しかし、この最悪な状況の終わりが見えた事には心が休まる。
残り二カ所。
そこさえ耐えて頑張れば、やっとこの苦痛から解放されるのだから。
「さて、早く終わらせに参りましょうか」
「あ、ああ……そうだな」
そう言って広斗は端にまで移動し、乳首の頂上から飛んだ。
俺も広斗と同じく飛ぼうとするのだが……しかし、
「こ、こえぇ……」
足が竦んでしまって中々飛べないでいた。
何故なら俺からすれば、女の勃起した乳首といえどもかなりの高所であるからだ。
いわば、高層ビルから飛び降りるようなもの。
だけど、いつまでも怯えている訳にはいかない。
「……飛ぶしかないか」
ゆえに俺は精一杯の勇気を振り絞り、乳首の頂上から身を乗り出して飛んだのだった。
乳首の上に誰一人いなくなった事への惜しむ、物足りなさそうな女の声を背に受けて。
「――ぐぅっ! おわぁっ」
落ちてゆく感覚の後、地面が茂を包み込んだ。
どこにも怪我は無い。
乳首から飛び降りた先の弥生のおっぱいが柔らかかったため。
「茂さん、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……無事だ」
どうやら広斗は、下で飛び降りるのを待ってくれていたようだ。
そんな優しい彼に頷き、茂達は来た道を戻っていく。
時間をかけて必死に登っていた弥生のおっぱいを、一瞬にして滑り台のように滑り下りたりしながら、弥生の下半身を目指して。
――しかしその途中、弥生のお腹の上辺りに辿りついた頃。
「う……わ……」
茂の耳に、胃液が腸へと流されていく音が聞こえたのだった。
しかしそれだけ。 そう、本当にそれだけ。
だからこそ、胃液の音だけしか聞こえない事に茂は怯えてしまう。
胸に向かって歩いていた道中には、この中から複数人の男の悲鳴が聞こえていたのに、今や……胃液の音以外まったくもって聞こえなく、静かになっていたから。
「うああ……中にいた奴らは……」
まさしくこの中にいた彼らはもういない。
茂達が必死になっておっぱいを登っている最中に、弥生の胃液によって完全に溶かされてしまっている。
そして茂が聞いた胃液の音。
これは溶かした男達を小腸へ運び、まさに分解し終えようとしている音である。
一部は――人間に必要な栄養に。
そして必要のないもう一部は――大腸に運ばれ、肛門から排泄される汚物にするための。
これら残酷な行為を、弥生は茂達の奉仕を受けながら行っていたのである。
乳首をフルに勃起させ、気持ち良さそうに表情を歪めながら淫らに喘いで。
「茂さん、少し歩くスピードをあげましょうか」
「ああ、そうしよう」
二人はそんな音は聞きたくはないからと、両手で耳を塞ぎ、足早に歩き出したのだった。
この凄惨な場所から一刻も早く、逃げるように。
………………
…………
……