2021.2.9
設定メモ後編です。
例のごとく、読むと想像の余地を楽しめなくなるので注意。
前編はこちら。
fanbox post: creator/98192/post/1895252
後編は「このシリーズは部しずかすではない」というネタばらし(オチ)のパートで、
「じゃあ結局何?」というのは曖昧なまま終わるタイプの漫画です。
ただ、この点についてはいろいろとヒントとなる描写を入れたので、
4コマパートから通して読めば
偽しずく=しずく②(しずくの第二人格)、偽かすみ=しずくの妄想
という結論に至ることもできるようです。(Twitterでの皆さまの考察を拝見するに)
このパートでは
・しずくが左を向いているときは妄想の世界を見ている
・しずくが右を向いているときは現実の世界を見ている
というのを意識して描いています。
しずくは、「偽かすみ」が「居る」という疑念を抱いている。
※実際には偽かすみはしずくの妄想なので、実在はしていないが、しずくは気づいていない
放課後の教室に偽かすみを呼び出した?ように見えますが
偽かすみはしずくの妄想なので、居てほしいところに現れる
(妄想のかすみんは性に積極的…)
構図はアニメ8話のしずかすシーンオマージュをベースに、
日陰にいる偽かすみは妄想の世界の住人
しずくは日陰に入りかかっており、妄想に浸食されつつある(視線はすでに妄想の世界に入っている)ことの暗喩
偽かすみがニセモノであることを証明するため、
本物のかすみに電話をかけるしずく
でも電話に本物のかすみが出てしまうと
目の前の偽かすみがニセモノであると証明”されてしまう”ので
電話に出ないことを願うしずく
※ニセモノだと証明されると、じゃああの時(4コマ「雷鳴が鳴り響いて」)私を襲ったアナタは誰なの?っていう問題から逃れられないので
※実際はあればしずくの妄想(自慰)なので、いらない心配ですが
偽かすみが黒塗りで少しかすれているのは非実在性(しずくの妄想であること)の暗喩
コマを斜めに切る日陰で妄想と現実の境界線上にしずくがいることを暗に示す
次ページで本物のかすみが教室に助けにくるための溜めのページ
2コマ 日陰となるカーテン側にいるのは非実在である偽かすみ
日が差す窓側に立つのは実在するしずく
(この構図はラストでも使っている)
電話はつながっているけれど、しずくの妄想である偽かすみの声は本物のかすみには聞こえない
しずくのたすけてという声だけがかすみに届く
助けに来るかすみ
妄想の偽かすみに襲われるしずく
かすみから見たらひとりでおなかを出して涙目になっているヘンな子である
本にしたときに前のページとの見開きで良い感じになるように描いた
1コマ 突き飛ばされたように見えるけど
不安定な座り方をしていたので後ろに転げただけである(かなしい)
2コマ 痛そうだったので駆け寄るかすみ
「しず子、服が(はだけているけど、どうしたの?)」の意。
3、4コマ 妄想の偽かすみが本物のかすみに襲い掛かろうとしているので
かすみをかばうしずく
かすみからしたら突然タックルしてきた変な子である(上原さんもびっくり)
最後のコマ パンツが描きたかっただけだけど、副次的には、読者がパンツに注目して、「かすみが偽かすみに全く反応しない不自然さ」を見逃す効果を狙ったもの(効果があったような気もする)
2コマと3コマの間でいわゆるイマジナリーライン越えをした描写をしているけれど、現実と妄想のラインを行き来する感を出したかったのであえて読み手に不親切な感じにしてみた(イマジナリーラインについてはWikipediaなどを参照のこと)
1コマ 4コマ「仮面舞踏会」のセルフパロディ
「仮面舞踏会」ではしずくが偽かすみに「あなた誰?」と問う構図だったが
今回はかすみがしずくに「どうしたの?」と問う構図(暗に妄想に侵食されたしずくに対して「あなた誰?」と問いかけている)
「大丈夫?」「さっきから、なんか、変だよ?」「どうしたの?」
というかすみのセリフと、前のページでかすみが偽かすみに全く反応していない点から
「偽かすみが実在していない」ということが読み取れるように描いた
「ねぇ、なんか、すごい音したけど」は次ページ部長のセリフ
「しずくとかすみに変装した演劇部部長がしずかすを引っ掻き回す」という部しずかすの前提を崩すオチのページ
普通に現れる部長
部長からしたらしずかすが教室で激しめにいちゃついているところに出くわしただけ(ちょっと気まずい)
「じゃあ偽かすみは誰?」というクエスチョンを読者に印象付けるページ
ホラーっぽさを意識した構図としている
カーテンがしまっている側に立つのは非実在
カーテンがあいている側にいるのは実在するしずくとかすみ
目を覆う非実在の手
現(うつつ)からの隔絶
妄想の世界に閉じ込められたことの暗喩
問いかけへの応えはなく
ただ闇に吸い込まれるのみ(おわり)
偽かすみが幽霊みたいな「この世ならざるモノ」として
ホラーオチっぽくも読めますが、
偽しずく=しずく②、偽かすみ=しずくの妄想
という設定からすると、装いだけかなと。
さて、
これはこれで、一応のENDなのですが、
設定上はtrue endへの展開があります。
fanbox post: creator/98192/post/1895154
ネームなので修正入るかもしれませんが、
構成としては、
・現実から隔絶され妄想の世界に囚われたことで、逆説的にこれまで認識できなかったしずく②を認識することができたしずく
・しずく②に触れ(第二人格との記憶の共有)、「ああ、そっか」と、しずく②が自分自身であること=仮面の下に隠していた性的な欲求に気づく
・しずく②との人格の統合を達成し、妄想の原因を受け入れたことで、現に戻ってくるしずく(目隠しから解かれ、覚醒の表情)
・現実世界でかすみに名前を呼ばれ、目が覚める
・ちょっと気まずい現場に出くわした部長は「ごゆっくり」とクールに去った模様
・かすみは「しず子のせいで勘違いされた」とプンプン
・しずくの「そうかな?」は、これからそれが「勘違いではなくなる」=かすみを襲うつもりの意
・立ち上がり服を脱ぐしずく
・ここでいう「本当の私」はこれまで仮面の下に隠してきたかすみんへの性的欲求
・かすみんの運命はいかに…!?(しずかすハッピーエンド)
ーー雷鳴が胸に鳴り響いて、閉じ込めていた感情が溢れ出していく
もう見失ったりしない、私だけの思いを
ーー目覚めてく強く裸足で駆けだしていこう
どんな私からも逃げたりしない
ーー世界でひとりきりの私になる覚悟ならできているから
その瞳に映して、私の色で、私だけのリアルで
あなたの心に触れたい
ーー”Hello, This is me”
………
……
…
不思議とSolitude Rainの歌詞と整合がとれている気がしてくる!(曲解)
ちなみにpixivに後編を投稿した際のタイトル「仮面の告白」は三島由紀夫の小説から
キャプションの「さよならを教えて」はアダルトゲームのタイトル(通称「さよ教」)から拝借したもの。
どちらもそれほど深い意味はありませんが、
仮面の告白は、しずくと「仮面」繋がりであり、この漫画とは「同性愛テーマ」繋がり
さよ教は、この漫画と「妄想」繋がり(「偽かすみ=しずくの妄想」という設定をある意味で直接的に説明しているワード)ですが、詳細はネタバレ含むのでWikipediaなどをご参照ください。
最後に考察関係では、直接リプライいただいた考察のなかではこちらがすごいなぁと思いました。(描き手としては、分かりにくいものの、分からないものではない、ということで安心しました)
twitter post: 1358488981831180289
こちらは、設定への考察もそうですが、桜坂しずくという人物への考察が深くてすごいなぁと思いました。
twitter post: 1358418219963305988
こちらは、考察に「仮面の告白」を絡めていてすごいなぁと思いました。というか全体的にロジカルに分解いただいているのでこれが正史でも良い気がしてきました。
twitter post: 1358465020217106433
考察に対して「すごいなぁ」と小学生並みの感想しか言えなくてすみません。
(あと無断で記事に引用してます。すみません。)
長くなりましたが、以上です。
こっそり加筆修正するかもしれません。
追伸
ネーム⑤のtrue endについては本にするときに描きおろして収録する予定です。