9月初頭、やよい軒にて冷や汁定食の販売が終了したという知らせが届きました。
日本において夏とは、やよい軒で冷や汁が販売されている期間の事と定義されています。つまり、今年も夏が終わったということです。
過ぎ去った季節をちょっとだけ惜しみつつ、今年の冷や汁を振り返ることに致しましょう。
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味を調整して冷ました味噌ベースの汁に米飯や焼いた魚などを入れた料理で、主に宮崎の郷土料理として知られる。汁にはゴマ、豆腐、キュウリなどが入れられることが多い。
食欲の減退した状態でもスルスルと食せることから、夏に向いた健康食とされている。
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当方は宮崎とは縁がありませんが、幸いなことに やよい軒では毎年夏に冷や汁の定食を供給しており、それ経由で冷や汁成分を補給しております。
というか、そもそも当方が冷や汁の味を知ったのもやよい軒経由。元来の冷や汁文化圏を除けば、現代日本においてはやよい軒が冷や汁最大手と言えるのではないでしょうか。というわけで、改めてやよい軒の冷や汁を語ることに致しましょう。
正式名称は「冷や汁ととり南蛮の定食」。
その名の通り、冷たい味噌汁にシャリ、塩サバ、鶏天などがついてくる。
公式では鯖とシャリを味噌汁に入れて食えと言っているが、入れなくても白米・塩サバ・鶏天の三者だけでも完結したうまさを誇る。そのため、一部を味噌汁に入れて一部をそのまま食えば、二種類の美味さを並行して味わうことができる。クリエイティビティが高い。
更に(店舗によっては)白米のおかわりが自由であるため、この手の定食にありがちな米不足問題と無縁でいられる点も見落としてはならない。
※米不足問題:ご飯が進むようなオカズが多すぎるとき、食事の後半になると白米が不足してくる問題
総じて言えば定食としての完成度は十分高く、冷や汁の定番たるに相応しいと言えるだろう。
ただ、昨今の物価高の影響は免れ得なかったようで、今年2024年はそのお値段990円。気軽なランチからは段々離れつつあるのが寂しくもある。
ところで。
これまで冷や汁冷や汁と散々連呼しておりましたが、考えてみれば当方、やよい軒でしか冷や汁を食べたことがありませんでした。冷静になってみると、そもそもやよい軒の冷や汁がどこまでスタンダードなものかもわかりません。にも関わらず、一種類の冷や汁だけで冷や汁を語ろうとする様はまさしく井の中の蛙。これでは冷や汁の民の名折れというものです。
そこで、他の冷や汁も食してみることに致しました。ちょうど都合よく、吉野家でも冷や汁を扱っているという噂を耳にしたので、私は真相を確かめるために一番近い吉野家まで赴いたのでした。
塩さば定食+冷や汁変更
吉野家の場合、いわゆる「冷や汁定食」的なものはなく、オプションで味噌汁を冷や汁に変更できるよという扱いの模様。牛丼屋における豚汁と似たようなポジションと言えるだろう。
で、今回は朝にやっているメニューの一つである「塩さば定食」をベースに選び、そこの味噌汁を冷や汁に変更することで擬似的に冷や汁定食を作り出すことにした。値段は600円くらいだったかな。
さてその問題の冷や汁。
その水面には、すき焼き用よりもでかい豆腐の塊が二切れと大量のゴマと少々ネギが浮かんでおり、面構えの時点でやよい軒の冷や汁とはだいぶ趣を異にしている。
味の方はというと、なんというかゴマの主張がやたらと強い。その一方で出汁の旨味はいまいち響いてこず、味噌の味も妙に尖っている。そんなわけで、シャリを入れても焼き鯖を入れてもシナジーを感じられない残念な結果に終わってしまった。逆説的に、やよい軒の冷や汁はクオリティを担保するために頑張ってたんだなあと気付かされた次第である。
ひょっとしたら、あるいは吉野家の冷や汁は、米飯をぶっこむと言うよりは牛丼と並べて食すことを想定しているのかもしれない。そう言えばWEBの記事でもそんな組み合わせで頼んでいたような気がする。
牛丼との組み合わせの可能性は将来的に検討するとして、今は暫定的に、求める冷や汁ではなかったと判断することにしよう。
というわけで2つの店で冷や汁を試したわけですが、そこから先が難しい。
残念ながら、2024現在では冷や汁はそこまでメジャーなメニューではないので、扱ってる店を探そうにも中々条件を満たす店が見つからないわけです。
そんな苦境にも負けず、インターネットで頑張って調べたところ、なんとか行ける範囲にある店を発見しました。どうやら出汁茶漬けの専門店のチェーンが、期間限定で冷や汁も扱っているようなのです。
冷汁
大ぶりのお椀に、味噌の茶色というよりはむしろ灰色の汁。確か800円だか900円だったか。見た目からしてこれまでの冷や汁とは一味違うぞというオーラを醸し出している。これまで食べた冷や汁にあった豆腐が無い代わりに、キュウリやナスなどの夏野菜を用い、その頂上に練った梅が鎮座している。見た目は、泥のようで正直あんまうまそうではない。
じゃあ味の方はと、スプーンで掬って口に運ぶと複雑な味が現れる。どうやらこの泥のような汁の灰色は胡麻に由来するようで、どこかクリーミ。かと思えば梅系統の酸味も見え隠れするが、他の味とは喧嘩せずにいい感じのアクセントに収まっている。この辺の完成度は流石に出汁の専門店といった塩梅で、なんかこう、複数の味が溶け合って最終的に美味いと感じられる様はいかにも「高級な味」といった感じだ。
ただ。うまいと言えばうまいけど、これ、本当に冷や汁としての美味さか?という疑問はどうしてもついてまわる。色も味も味噌感が薄いし、焼き魚も豆腐もない。宮崎の郷土料理というよりは出汁屋の創作料理と言われたほうが納得感は高くなりそうだ。
特に今回は、世の冷や汁を知るために食ってる側面があるので、こちらの冷や汁観ができあがっていないうちにこういう変化球を投げられると解釈に困るのだ。こう、防御力は高いんだけど、形状がファンタジーすぎて鎧を学ぶ参考にはならないトゲトゲアーマー、みたいな。
まあ、冷や汁の概念はかくも広いのだ、と解釈できなくもないが。
さて、これまでは外食に冷や汁を見出す旅をしてきましたが、最後に自宅における冷や汁も検証いたしましょう。平たく言うと、「インスタント冷や汁」みたいなやつです。
奇しくも無印良品でこの手のインスタント冷や汁を売っているという噂を耳にしたので、そいつを試してみることに。パッケージに「宮崎風」とあるので、恐らく正統派冷や汁からあまり大きく外れてはるまいという判断で選んだ側面もあります。
宮崎風 冷や汁
中身はいかにも冷や汁といった味噌ベースの汁。フレーク状の魚は入っているが、それ以外の具は特になし。キュウリと豆腐くらいは自前で用意しろというメッセージのようだ。が、今回は在庫調整が面倒なのでそれらを省き、文明度の低い冷や汁として賞味させて頂くことにした。(二度目はサバ缶だけは入れた)
味の方はというと、低文明度セットだと最小限の冷や汁といった塩梅。しかし、確かに冷や汁。味噌と出汁の旨味、冷たい汁に温かい米飯を入れた温度差を体内にかき込む体験は確かに冷や汁だ。
コスト削減のためにオプションパーツを削ぎ落とした結果、米飯に味噌汁を掛けただけのものに限りなく近くなったわけで、「これ、実質的にねこまんまでは?」という声が幾度となく頭に響いてくるが、幻聴なので無視した。これは冷や汁、冷や汁なのだ。
本体は確か250円くらいだったと思うので、オプションパーツを含めても、これまでの冷や汁と比べて非情に安価と言える。手軽に、コンパクトに冷や汁成分を接種できるという意味で大変意義深いと言えるだろう。
というわけで、足の届く範囲であちこちの冷や汁を試してみましたが、「やよい軒」と「無印」あたりのものが現代日本における一般的な冷や汁の範疇なのだろうという知見を得ることができました。
これで私も冷や汁の民を名乗ることが許されたでしょうか。冷や汁の上級民にはいつなれるでしょうか。さらなる検証は次の夏まで待つことに致しましょう。
グレゴリウス山田/ヤマーーダ
2024-09-19 18:27:56 +0000 UTCグレゴリウス山田/ヤマーーダ
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2024-09-19 18:26:15 +0000 UTCグレゴリウス山田/ヤマーーダ
2024-09-19 18:26:01 +0000 UTCchipstar
2024-09-11 02:33:30 +0000 UTC(S)[bp]
2024-09-09 07:42:19 +0000 UTCJAF
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2024-09-08 14:37:35 +0000 UTCkeith20132
2024-09-08 14:22:02 +0000 UTC某
2024-09-08 12:44:49 +0000 UTC