おそらく本作は、オリジナルをリスペクトしつつ手触りを令和に合わせてアップデートする方針で作ったと思われる。
その結果として、オリジナルにあった尖った要素は丸められ、不親切なシステムと悪辣な戦闘バランスと大量のマスクデータ相手に悪戦苦闘しながら帝国の未来を切り開いていく独特の体験は失われたが、令和でのリメイクであることを考えるとトゲを削るのは英断だったと考える。
(一周目は難易度オリジナルでプレイ。)
オリジナルを標榜するだけあって確かに歯ごたえはある。しかし、難しい箇所もあるものの対策の余地も用意されており、オリジナルの唐突な死(触手)に比べると理不尽さは少ない。
例えば、特に序盤においては敵の攻撃は強く、敵の攻撃が2、3発集中すれば簡単に倒れてしまう様は確かにSFC時代を連想させる。しかし、パリィやフェイント(スタン)等を使うことで現実的な範囲の難易度に抑えることができ、インペリアルクロスの偉大さを再認識できる仕組みになっている。
ボス敵にはさすがにスタン類がそのまま効くことは少ないが、しかしボス戦でも敵が複数体いるようなケースではだいたい誰かにはスタンが効く仕様になってたりと、「無策だと厳しいが、適度に搦手も使えばちゃんと戦える」ように注意深く調整された跡がうかがえる。
ボスに関してついでに言えば、(遭遇タイミングにもよるが)七英雄達はちゃんとボスとしても強く、一方で河馬人間等の中ボスはそこそこの強さに抑えられている点も好印象(運河要塞のハゲはえらく苦労したが)。
戦闘システムにおいてもオリジナルではほとんどマスクデータだった弱点・相性等の要素が大幅に可視化・強調された結果、うまく相手の弱点を突けるように手札を整える必要性が増し、技と術の選択肢の幅が広がった。馴染みのある技や術が、基本的な性能は維持しつつも特攻や属性、追加効果などの付加価値を得る様は、「味変」としてとても良い塩梅だと思う。
あと、テンポもよい。
ただ、バフ・デバフに関してはちと微妙に感じられた。
自分にしか掛けられない/持続ターンが少ない/有効なシチュエーションが限られている&わかりづらい…など取り回しがいまいちな事例が多い。そのため、(スタン類を除けば)1ターン消費して微妙なバフデバフを掛けるくらいなら殴った方が手っ取り早いという、SFC時代のキッズの戦略に逆戻りしている感も否めなかった。
あと、カメラアングルが劣悪。
本作のウリの一つであるはずの陣形が視覚的にほとんど存在感がない上に、敵の配置もろくに見えない。敵の配置どころか数すら凝視しないとわからない事が多々ある。
色々事情はあるかもしれないが、結果として出力されたものは未完成品レベル。評価に値しない。
七英雄の深堀り自体はいいとして、七英雄関連情報に接する順序がオリジナルとは異なってくるので、それが初見プレイヤーにとってどう映るかはちょっと気になる。「こんだけ悲しい過去を見せておいて、倒すときは(悲しい悪役ではなく)ただの悪役として倒すの?」というチグハグさを感じてしまわないかがちょっと心配。実際のところ、深堀りしたんだったらもうちょっと本編におけるストーリー面での回収的なものがあって然るべきなんじゃなかろうか。散々七英雄要素を引っ張っておいて追加の裏ボスがアリなのはちょっとなあ。
せんせい探しは、収集要素を設けるという意図自体はともかく、特典が強力すぎて実質的に探索必須になっているのはいただけない。この辺、どうにも追加要素のゴリ押しを感じずにはいられない。大体誰よその目玉。
当方は「一周目はあえて収集要素にはこだわらず気ままにプレイし、二周目で色々コンプする」というプランを考えていた。が、どうも二周目の追加難易度は一周目でコンプ含めて十分準備をする前提の難しさらしく、色々考えた末に、結局本編クリア後にせんせい等を回収する羽目になった。回収だけのために巡るダンジョンは大層つまらなかったよ。
一応、考えられているとは感じた。
単調にならない程度の謎解き・迷路要素に、逃しても致命的にならない程度の収集・回収要素。敵を倒しアイテムを回収していけばそこそこ時間が掛かるが、ボスまでの踏破だけを目指せば結構あっさりと行けたりする。そして回収しながら進むとだいたいセーブ&回復ポイントのちょっと前くらいでBPが切れ、術酒を使うか否かの選択た立ち上ってくる。この辺のプレイ体験はいい塩梅だったと思う。
とは言え、全体的に「妙に疲れる」という印象は拭いきれない。
敵は殲滅すると端から決めてる場合はあまり気にならないが、そうでない場合は敵から逃げながらワープの把握に努めたり宝を探したりすることになり、妙に疲れる。特にせんせいやアイテムの回収時など作業感が強いときには道中の敵やら迷路やらが途端にうんざり要素と化してくる。「いや、今そういう気分じゃないんで…」という感じである。
そして街ですら宝が無いか、取り逃がしが無いか気にしながら散策することになり、やっぱり妙に疲れる。
平たく言えば、ダンジョンにしろ城や街やフィールドにしろ、歩くという行為にそこまでエネルギーを費やしたくないというのが正直なところ。極論、一本道でも成立したんじゃないのこのゲーム?
総じて微妙。
イベント/演出に関しては「もう一言か二言足せばもっとマシにできるやろ」「もうちょっと間ってものをさあ」と言いたくなる事が度々あった。
元々ロマサガは、イベントの演出は淡白で言葉足らずな傾向がある作品だ。ドット絵ベースのオリジナルであればそのような演出も「そういうもん」と解釈できたし、なんならそれが河津節とでも言うべき独特の妙味を生み出している側面もあった。でも、3Dでボイスもある令和の解像度のゲームでオリジナルのテキストを尊重しちゃうと、そりゃなんか色々不足感が出るよなという話である。
更に、ボイスとの兼ね合いの都合上、リメイク版の皇帝はイベントではほとんど喋らない(文官!皇帝のセリフを取るな!)。例えばキャットが運河要塞に忍び込むイベントでは、キャット側は魅力的に描かれているのに、対するジェラールは真顔で黙って頷くだけなので、皇帝周辺だけパントマイム感が漂う不思議空間が生まれていた。(公平を期すために補足すると、逆にセリフが追加されているイベントもあった。基準は不明)
初見プレイの配信者でも、「このやりとりどういうこと?」という反応になり、コメントからの補足でようやく理解するというパターンがちらほら見られた。
・コッペリアは皇帝になっても俺女であるべきだろ
・戦闘中の回復時等のキャラの掛け合いは、皇帝/非皇帝でセリフを分けてほしかった
・違う!「ふー」はもっとわざとらしくやるのだ!
・大学あたりに歴代皇帝肖像画一覧みたいなのがほしい。あと、各皇帝ごとにセーブデータを残しておきたいのでセーブデータは最低でも200くらいほしい
特に言及すべき点はない。
以下、各キャラに関する所感
◯帝国軽装歩兵(女)
・オリジナルの時点でもデザインは完成されていたけど、何故かリメイクに合わせてイメチェンしてきた人。
・下半身の質感を検討した結果、帝国猟兵の代わりにインペリアルクロスの一員になることに。
・ベア族のパリィと並んで彼女のフェイントは帝国の繁栄の礎を築いたと史書には記されている。
・ステータスは割と平均的ゆえに、後半になると火力不足が目立つことになるが、それはそれとして伝統的に帝国の小剣枠を担い続けたと史書には記されている。
◯宮廷魔術師(女)
・火遊びの専門家
・リメイクにあたって人気を得るためにイメチェンした組筆頭
・実際に初周ではジェラールの後を継いで皇帝になったわけで、そういう意味ではイメチェン計画は大成功と言えるが、いざ皇帝にしてジャンプさせると…掛け声が…その…絶妙におばちゃん臭い
・リメイク版のプレイにあたって、オリジナルでは存在感がなかった棍棒技を輝かせてやろうという計画があったが、その目論見の実現は鍛冶師の登場を待つことになる
・彼女自身の戦力は平凡なものだったが、積んだ火と光の術のノウハウは後に帝国を支えることになる(太陽光線、ギャラクシイ、フラッシュファイア)
◯キャット族
・オリジナルでは我が帝国は火力で殴る戦術を採用したので小剣使いは眼中になかった。イベントを起こしたかどうかも記憶にない。
・リメイクではさすがに力の入れっぷりに負けて一通りイベントはコンプした。しかし加入したタイミングで年代ジャンプが起こってジェラールが退位したので彼女の物語の真の結末は史書には記されていない。
・性能はというと、小剣と体術で普通に活躍するしアビリティも有用。もっとも、彼女の強さの半分は体術自体の強さのような気がしないでもない。
・踏みつけ使い手ということもあり、代々蹴り技の専門家として育てたが、彼女がカポエラキックを覚えることはなかった。
・最終皇帝の時代にキャラが一巡してキャットに戻ってきた。調べたところ冥術の相性が高いようだったので無理やり冥術使いにしたが、役には立たなかった。
・イラストの方は、小動物感の表現に四苦八苦した。今も正解がわからない。
◯人魚
・ネレイドかレネイドか未だに覚えられない人
・オリジナルの頃に初めて皇帝になった人外キャラということで思い入れがあったクラス
・性能は…まあ特筆するほどでもないというか。人魚からトライデントの連想で槍使いにしてみたが、あんまり強く育たなかったよ。(ちなみに後に、海女がトライデントそのものを持って加入して来ることになる)
・モーション等の都合で二足歩行にせざるを得なかったのは理解するが、やはり最大の人外要素である下半身の魚要素が失われたのは惜しい。まあでも人間形態の生足感もこれはこれで尊い。
・というわけでイラストでは人の下半身要素と人魚の下半身要素を頑張って両立させてみたよ。試行錯誤の末にいい感じの落とし所を見つけられたと自認してるよ。褒めて褒めて。
◯忍者
・侍枠がイーストガードなんだから忍者もなんかそれっぽい横文字にしたほうが世界観的にすっきりしたんじゃないの、と思わないでもない。例えばシャドウ何とか、みたいな
・キャットに続いてのわかりやすい小動物キャラ。なんかノリがロマサガっぽくないなという気もするが、そうそうこういうのでいいんだよと受け取ることにした。IQの低さが癖になる。
・世間では体術使いの強キャラという評判らしいが、先行して体術使い枠にしていたキャット族と比べて有意な違いは感じなかった。
・というわけで、我が帝国では代々忍者とキャット族がスタメン枠を取り合うという伝統が生まれることに。
・忍術という解釈で術使いにすることも検討したが、計画は途中で頓挫。結局、マシンガンブローの専門家みたいな立ち位置に。
・いざ描いてみると、クソガキ感の表現が難しい。
◯踊り子
・追加キャラということで「とりあえず入れてみるかー」という安易なノリで加入させたキャラ
・こいつのためにわざわざ退位して帝国軽装歩兵(男)のジョン君を皇帝に迎え入れたよ。思ったよりも一連のイベントが長かったので、途中で年代ジャンプしないかとヒヤヒヤしながら何とか仲間にできたよ。
・で、いざ仲間にしてみると…なんか妙に強いぞ。術を使わせても普通に戦えるが、弓を使わせるとガンガン敵を落としていく。
・そもそも弓が強いのか…?いや、やっぱ強いわこいつ。もうこいつ五人並べて落鳳破とバラージシュートとイズナ使わせるだけでいいんじゃないか?
・というわけで加入して以来ずっと帝国のスタメンだったが、だいたいどの代も「きみ、ファイアーエムブレムか何かに出てなかった?」みたいな気分になる外見だったよ。
◯帝国鍛冶職人
・棍棒を活かしたいという我が帝国の野望を叶えるために実装されたかのような期待の新キャラ。
・お陰様で棍棒も使えなくはない程度に活躍できた(強いとは言わない)。
・アビリティも普通に優秀。ステータスも悪くはなく、何気に前衛でガンガン戦える貴重な女性クラスの一人だったりする。
・斧を使わせたらもっと活躍したかもしれないが、一周目は斧を使わない方針だったので彼女は棍棒と心中することになった。ごめんね。
・エプロン
・でも皇帝にすると鍛冶屋が使えない現象(バグ?)が出たので泣く泣く退位した
◯海女
・キッズの頃は読み方がわからず「うみおんな」と呼んでた
・オリジナルをやってた頃、攻略本等で存在は知っていたが、実際に仲間になるのは戦力が揃った終盤で微妙に存在感が薄かったのが記憶に残ってる
・リメイク版プレイ時でもやっぱり仲間になるのは終盤で微妙に存在感が薄かったよ
・実際に使ってみると光・水・風の術使いで申し訳程度に槍もつかうという、概ね人魚と同じ運用に。水に関連のあるクラスという意味でもキャラが人魚とかぶる。
・まあでもそれはそれとして好きなクラス。ロマサガ2以外で海女なんてクラス見たことないし。
・イラストは、描いてる途中で「女装したショタ」感がでてきて調整に苦労した。なんかこうね、カラーリングがBOWのリンクなんよ。
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以上、邪な心の一切ない硬派なレビューでした。
mur
2024-11-14 11:49:38 +0000 UTCグレゴリウス山田/ヤマーーダ
2024-11-11 23:57:15 +0000 UTCグレゴリウス山田/ヤマーーダ
2024-11-11 23:57:08 +0000 UTCグレゴリウス山田/ヤマーーダ
2024-11-11 23:56:46 +0000 UTCグレゴリウス山田/ヤマーーダ
2024-11-11 23:56:37 +0000 UTCグレゴリウス山田/ヤマーーダ
2024-11-11 23:56:31 +0000 UTCCoolFox
2024-11-11 22:54:46 +0000 UTCarohaJ
2024-11-11 22:50:56 +0000 UTC某
2024-11-11 14:37:26 +0000 UTC_Nyarla_(ニャルラ)
2024-11-11 12:23:35 +0000 UTCchipstar
2024-11-11 12:16:45 +0000 UTC