SamSuka
グレゴリウス山田/ヤマーーダ
グレゴリウス山田/ヤマーーダ

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九龍功夫叉焼硬直

◯映画日記

己に課した「月一本は映画を見る」という誓約に従い、映画「トワイライト・ウォリアーズ」見てきました。いわゆる香港映画というジャンルに位置付けられる一本ですね。


あんまり認識してなかったんですが、本作、どうやら今年頭くらいにひっそりと封切りされたものが、じわじわ口コミ等で認知と評判が広まっていった作品のようです。

総評:どうしてもっと早く教えてくれなかったの君たち?



◯九龍城

ところで、本作はサブタイトルに「決戦! 九龍城砦」とあるように、かつて香港に実在した九龍城砦を舞台としています。

九龍城砦。元々は香港国際空港の近所にあったビルやらが違法増築を繰り返し、魔窟と言われるまでのスラム街に発展したもの。

ごった煮感、生活感、路地裏感、違法増築感、屋外感と屋内感の融合。なんかもう、そのことごとくが当方の好みのツボを付く存在です。かつての私も本屋で探訪記なんてものを買ったものです。

むしろ、ここまでくると好みのど真ん中ストレートすぎて逆に敬遠したくなるほどとすら言えます。


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実際のところ、絵で九龍城砦の魅力を表現しようとすると、結構面倒くさいんですよ。

まず単純にオブジェクトの量が多くて作画コストが高い。そして、九龍城砦の物量を一画面だけで表現するのは難しい。例えば、写真集から一枚だけ切り抜いても、それは「まあまあゴチャ付いた踊り場」だったり「レトロな飯屋」だったりと、魅力はあるけどそこそこありがちなビジュアルに落ち着いてしまう。それは九龍城砦の魅力の一面を表現できてはいるけど、十全には表現できていない。

実際、上で取り上げた探訪記も、いざ読んでみると、意外と刺さる写真がない。悪くはないけど、といったレベル。正直なところ、「こんなものか」と思ったのは事実です。


まあそんなわけで、私の中での九龍城砦は、違法建築物的魅力のイデアとしては存在すれど、それ自体を考えたり絵の直接的な参考にすることはあんまりない、そんな存在であり続けていたのです。


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で、話は映画に戻るんですけどね。トワイライト・ウォリアーズ。

舞台となる九龍城砦の中で主人公たちがあれこれするわけですが、単純に背景セットのクオリティが高いだけではなく、そこで生活する住民の姿もきちんと描かれている。聴いた話では、かつて実際に九龍城砦で暮らした人も制作に携わっていたらしい。それゆえか、本作の九龍城砦に向けられる視線には、我々部外者が抱きがちな廃墟趣味といったものではなく、むしろ生きる場所としての九龍城砦へのノスタルジーが強く含まれている。制作陣もメイキング動画等で色々語っている。


一枚の絵だけでは九龍城砦の表現として不十分でしょうが、それが動き、そこで暮らす人々の声が飛び交い、また様々なシーンが組み合わされてくると、話が違ってきます。シーン同士が有機的に繋がって、九龍城砦の魅力が実感として立体的に浮かび上がってくる。写真集を見たときに足りないなと感じていたものが、今ここでは十全に表現されているではありませんか。動く九龍城砦の映像をみて、「やっぱ九龍っていいな」と二十年ぶりくらいに思ったわけでありました。


もちろん、映画自体も良いものでした。事前の情報やタイトルロゴからは外連味で一点突破する奇作B級の印象を持っていましたが、蓋を開けてみれば普通に完成度の高い王道香港功夫映画。むしろなんで宣伝ケチったのと疑問になるレベル。まあちょっとアクションシーンが間延びしてる感じはあったし、アクションシーン中も「人はいいからもうちょっと九龍見せて」という気分になることはしばしばありましたが。



まとめると。あの九龍城の映像表現が今作限りなのはとても勿体ないので、セットやCGアセットを使いまわして九龍グルメとか九龍ラブコメとか九龍サメとか九龍サッカーとかあらゆる九龍映画を乱造して味がなくなるまで擦り倒して欲しい。そんな映画でした。




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Comments

背景美術に金がかかることに目を瞑れば、九龍城は物語の舞台としてまだまだポテンシャルを秘めてると思うんですよ。やはり九龍サッカーが求められる。

グレゴリウス山田/ヤマーーダ

やっぱり九龍城のごちゃごちゃした熱気と、そして廃墟のような退廃的な雰囲気のミックス そして裏社会の混沌と武侠もののようなプライドのミックス あの時代の九龍城を舞台にしてしか描けない物語というものがありますね

dreadnought

英題をそのまま通しても多少いじってもどのみち魅力が十分伝わらないチープな印象になることは避け得なかったように思いますね。要するに売り方がもったいない。

グレゴリウス山田/ヤマーーダ

見ましたよ。トワイライトウォリアーズを。なぜ薦めてくれなかったんです

グレゴリウス山田/ヤマーーダ

英題だとトワイライト「オブ」ウォリアーズになってて意味通るのになぜこうなった…いやこれでいいのか… 中国映画の割に当時日本製品が人気だったのもそのまま描写しててこだわりがありますネ。

w2c

見ましたか。トワイライトウォリアーズを。

arohaJ

むかしクーロンズゲートっていうそのもののゲームがありましたね。しかし九龍城の魅力を表現するという観点でいえば、まさに今が好機なのかもしれません。

グレゴリウス山田/ヤマーーダ

日本人には、やたらと人気がある九龍城 漫画で似た様な舞台が出てきたり、近年話題になった電脳九龍城であったり そろそろ九龍城が舞台のゲームが絶対出てくるはずだと思っている今日この頃。


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