SamSuka
詠里
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漫画 : 息子の言いたいことが、ちょっとだけ分かった気がした。













今回の話を描くにあたり、ハトの「聴こえ」について調べました。


www.naro.affrc.go.jp
https://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/chougai/wildlife/manual_j.html


上記の国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門のウェブサイト内の鳥害対策資料一覧ページにある、「鳥害を防ぐにはまず相手を知ろう」というPDF資料によると、ハトの「聴こえ」についてはこのように書いてあります。


・ヒトの一般的な聴こえる範囲が20ヘルツ~20000ヘルツであるのに対し、鳥の一般的な聴こえる範囲は200ヘルツから8000ヘルツ程度とかなり狭い。ただしハトの場合は20ヘルツ以下の音も聴こえる。


(frame embed)


また、上の記事によると、ハトは鳴き声だけでなく羽ばたきの音によっても敵の来襲などの危険を周りの仲間に知らせる警告音を発することがあるのだそうです。


いずれにせよ、人間より聴こえる範囲は狭いとはいえハト同士のコミュニケーションにおいては「相手の出す音が聴こえること」は絶対条件であることがわかります。


それができないハトが偶発的に生まれる可能性がゼロだとは言い切れませんが、仮に「聴こえないハト」が自然下で生まれたとしても、「私たちが道端や公園でなにげなく見かけるハト」になる前の段階ですでに淘汰されているということだと思います。


「最初からそんなハトはいない」のではなく「最初はいたかもしれないが、今はもうここにはいない」なのかもしれない。


ヒトはハトと違い、コミュニケーションを可視化するツールをたくさん持っています。文字、絵、そして手話…。耳が聴こえなくても生きていく方法はたくさんあります。


でも、はるか昔…文字や絵を使うようになるもっと前のヒトはどうだったんでしょうか。家族の中に偶然、聴こえない子供が生まれたとき…その子供は?…あまりにも気が遠くなるほど昔の話でしょうから、もう知りようがないとは思いますが、つい考えてしまいます。


幼いまーくんは、多くの野生の動物は耳が聴こえないと生きていくのが難しいことをまだ知りません。どんな動物の中にも自分と同じように「ろう者」がいるものだと思っています。なぜなら自分自身が「生ける証明」でもあるからです。


かなり早い段階からすでにろう者としてのアイデンティティをしっかりと持っている子供を描く上で、その段階の様子を描き残しておきたいと思いました。


もう少し大きくなったら、手話の語彙が増えていったら、日本語をおぼえていったら、その「生ける証明」が通用しない場面に色々と出会うことになります。(たとえば動物園に行ったときにも、動物に対する見えかたが変わったでしょう。)


聴こえない人にフォーカスしても聴者に寄り添った感覚だけで作るとどうしても「聴こえないことによる困難さ」「聴こえる人とのすれ違い」などなど…「聴こえる世界を基準として見た時にどうなのか」の部分を強調しがちになってしまいますが、そうじゃなくて、もっとろう者自身の内面的な部分、聴こえない世界を基準として世界を見ている時の気持ちを表現していけるようになりたいと思っています。



ここからは余談なのですが

私は自分の部屋でカメ(クサガメ)を飼っていますが、カメは耳がほとんど聴こえていない動物だといわれています。耳にあたる部分はあるのですが(人間のように外に飛び出していなくて、鼓膜だけが皮膚と一体化してそこにある感じです。鼓膜の部分だけちょっとへこんでます)、ほとんど機能していなくて、基本的に目で見るか嗅覚に頼って生活していると本などには書いてありました。


いやー…でもね…うちのカメ、名前をよんだらちゃんと私のほうを見るし、窓の外からちょっとでも大きな音がするとびっくりして隠れ家に入ったり慌ててわたわたしたりするんですよ。だからてっきり耳は普通に聴こえてるものかと思っていたので、この事実を知ったとき結構びっくりしました。


まあ、言われてみれば打ち合わせとかで大きな声で喋ってても全く動じてないときもあるし、かと思えばイスから立ち上がった気配?だけでびっくりして隠れ家に入っちゃうときもあるので、どんな基準やねんとは思っていましたが、やっぱり音を聴いて判断してるわけではないのかも…鼓膜を通っているとしたら、音そのものではなくて振動だけを感じ取ってる感じなのかもしれませんね。爬虫類が苦手な方もいらっしゃると思いますので写真は載せませんがかわいいですよ。いい意味で人間に媚びないというか、何をするにも自分なりのルールがあるようで色々と考えさせられることも多いです。


読んで下さってありがとうございました!


詠里

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Comments

ありがとうございます✨ ばななさんはコーダなのですね!『僕らには僕らの言葉がある』は作者が当事者や当事者に近しい関係の人間でないという性質を抱えていますが、そのギャップをなんとか少しでも埋められるようにと思いながら描いているので、実際に聴こえない世界のことをよくご存じの方からそのような温かいお言葉をいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます。 実は私は「ろうの鳥」というアメリカの手話ジョークについては今回教えていただいて初めて知りました。そしてさらに調べてみるとある事実が… https://www.starkey.com/blog/articles/2022/01/national-bird-day 「鳥は人間と違い、聴覚に不可欠な内耳の感覚有毛細胞が損傷しても簡単に再生するため、聴覚を失ったとしてもすぐに回復する」… なんと…。 1年越しに知りました。 さすがにお父さんも鳥に造詣が深いわけではないのでこれは知らなかったでしょうが…動物が好きなお母さんはもしかしたら知っているかも…。 これはいろいろ考えちゃいますね。興味深いお話を教えてくださりありがとうございました。 これからも頑張っていきますので、ぜひよろしくお願いいたします…!😊

詠里

手話ジョーク(アメリカンジョーク的なお決まりのやつ)の中にろうの鳥、という話があるのを思い出してました。 私も最初はパパと同じことを考えていたので、作品に思いを重ねていました。 そして、先生の解説を読んで色々と考えていました。 私はコーダで聴こえない世界(家族も従兄弟も家族の友達もろう)の中にいる聴こえる人なので、色々な手話を題材にする作品を読みながら共感したり共感しなかったり楽しんでいました。 しかし、先生の作品は他の作品にはない、すごく自分の中へスっと入る感覚があって不思議です。 (特に、恋愛の話は初めてスっと自然に読む事が出来て驚いています。) てっきり先生もコーダなのかと思っていました。 今回のカメさんの観察やインタビュー、先生の解説を読みながら、これが先生の感性なのかと納得しました。 (ちっちゃいまーくん可愛いです) これからも陰ながら応援しています。

ばなな

ありがとうございます✨ これはどんなふうに答えるか、人の数だけ答えがありそうですね。どのみちいつかは厳しい現実を知ることになるので本当のことを先に教えたほうが良いと思う人もいれば、幼いうちは子供の気持ちに寄り添って話したほうが良いと思う人もいれば…(海人熊さんのお考えもとても素敵だと思いました!)

詠里

おはようございます。 ちっちゃいまーくん、ほんとに 可愛いですね(^^) 私は人の親になった事ありませんし、 まして、ろう者の身内も知り合いも いませんので、 まーくんのお父さんの立場に なったら、どう答えるだろう、と 考えると、やはり 「昔の」まーくんのお父さんのように 答えるだろうと思います。 もし、「今の」お父さんの立場 だったら、と想像する事しか 出来ないのですが。。。 「もしかしたら、人間にはわからない 鳩どうしの、クチバシとか、目を 使った言葉があるのかもね」と、 微笑んで話すかもです。 逃げ、かもしれませんが。。。 幼いマシロくんに、ちゃんと 向き合っていける自分でありたいです。 しかし。。。。お父さんかっこいいですね!! 好きです(^^)

海人熊

ありがとうございます✨ 言葉が開発される前…初期の人類の社会はむしろ、現代のろう者にあたる存在の人々が今よりも生きやすい社会だったかもしれないというLanさんの考えがすごく興味深くて、たしかにそうかもしれない!と思いました。真白がその時代にタイムスリップしても、コミュニケーションの面では聴こえる人よりも早くコツをつかんでその時代の人々としっかりと話ができるようになるかもしれないですよね。 ご友人が飼っているというカメの話も面白いです!耳はあまり聴こえていないけど、飼い主の声は覚えてくれているんですね。ご友人のカメのように家の中を歩かせていると家の間取りを覚えることができるという研究結果もありますし、いろいろと不思議な力を秘めた生き物だと思います。

詠里

言い忘れそうになりましたが、幼少期の真白はかわいいで!。かわすぎます!! 彼もいつか自分の空を存分に飛び回ることを願っていますね……

Lan

とても繊細な話ですね…… 私はとても好きです。ハトが羽ばたいて飛ぶ映像に私は不思議に感動した。 先生の鋭い観察と感動的な絵画に感謝します。 確かに、動物界の競争はとても残酷です。 耳の聞こえないハトは、おそらく生き残れないだろう。人間社会もそうではないだろうか……「生死」というほどではないかもしれませんが、障害のある人が「良い」生活を送りたいと思うのは、簡単なことではありません。 ただ、「言葉」と「文字」が発明される前は、コミュニケーションの面でも、人間は「半聾」に近い状態だったのではないかと思います。いくつかの研究によると、チンパンジーは様々な姿勢でコミュニケーションをとる。 これも一種の初級「手話」と言えるかもしれませんねww 初期の人類は彼らの祖先の古猿と同じように鳴き声で情報を伝えていたが、肢体側のコミュニケーションは必ず高い割合を占めていた。そう考えると、その時のろう者が今より楽に生きていたかも定かではない…… 先生はカメを飼っていたのか!面白いですね。 カメは聴覚が悪いですが、長く付き合っていると、飼い主の声を覚えてしまうそうです。だからカメは他の声には無関心かもしれませんが、飼い主がそれを呼ぶのを聞くと、反応します。家でカメを飼っている友人は、カメは動きの遅い犬のように、いつも自分について部屋の中を歩いていると言っていました。 どうやら、カメはほとんどの動物よりも人間と親しいようですね(笑)

Lan


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