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詠里
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漫画 : ノナの考え / 真白の考え



















「表情が乏しい」というといかにも良くないことのように聞こえますが、スポーツの世界、とくにチームスポーツでは「顔に出ない」ことは長所にもなりえます。ノナはそういう世界に深く根をおろし、生きていくために「表情を落とした」子供です。


聴者にもいろいろいて、意識すればいままで使っていなかった表情でも引き出せる人もいれば、意識しても引き出せる表情がそもそもないという場合もやっぱりあると思います。


そう考えるとこのエピソードはどっちかというとノナが主役なのかなぁ。

自然とノナまし両サイドから描きましたが。


以下、手話などのメモです



「聴者は”これおもしろいね~”って真顔で言ってる時がある」ってやつです…。

厳密には真顔ってほどではないのかもしれないんですが、聴者のコミュニケーションはどっちかというと表情よりも声の調子のほうで微妙なニュアンスを使い分けている傾向が強いようなので、表情を文法の一部としても使う人の目から見ると「真顔かと思うくらい表情が変わっていない」と感じるのかもしれない…と私は考えています。真白ママは真白と違ってけっこう口が読めるので、口の動きと表情が合っていないことに対して余計に混乱してしまいそうです。




日本語だと「(うっかり)落とす」でも「(意図的に)落とす」でもどっちも「落とす」と言えますが、手話だと話の流れ的に「落とす」という手の動きにうっかりなのか、意図的になのかのニュアンスを付け加えて区別する必要がある場合が多いと思います。ただ、ノナは「落とす」の手の動きをやるのが精いっぱいです。


ノナ本人にもどっちなのか説明が難しい部分でもあるのかなとも思う。

うっかり落とした面もあるし、意図的にそぎ落とした面もある。

どっちの意味でも「落とした」なんだというのを、

自分の中で言語化でききっていない感じ。


ろう者の世界は白黒がはっきりしている、といろんなところで耳にするけど、ノナにとって一番高い壁はたぶんここなんだろうな~とうっすら思っています。


読んで下さってありがとうございました。


詠里



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Comments

はじめまして、ありがとうございます✨ 甲子園球場の近くにお住まいだったんですか!球場の周りの通路が大会開催中でも普通に通勤通学路として使われていたり一歩外に出るとすぐ近くに普通にマンションとかがあるので、とにかく日々の生活と驚くほど近いんですよね。私もそれが好きです。 ノナと真白を見つけて下さってありがとうございます!これからもコツコツと描き続けていきます…!😊

詠里

初めまして 朝日新聞の書評でこの作品に出合い、秒で御本(電子)を購入し涙目?で各フォローしこちらにたどり着いている者です。元々高校野球が大好きだったのですが縁あって数年でしたが甲子園球場の近くに住んでおりました。試合がある春夏の時期は他県ナンバーの車も増え、他所から来たせいでしょうか街の雰囲気がガラッと変る事にワクワクしたのを覚えています。 前置きが長く失礼しました… ノナましのお互い無いものを求めて引き寄せあった今が愛おしくてたまりません。 皆さまの素晴らしい感想ばかりの中でのつたない文で申し訳ありません。これからも楽しみにしております。

otobi

お忙しい中お返事すみません、ありがとうございます🙇‍♀️私のはかなり昔の時代の先生の影響が非常に大きい特殊エピソードです笑 他のバスケをしてる方々は自主性や個性を大切にし楽しんでプレー出来てたと思います。バスケについて読んでもし誤解があればすみません🙇‍♀️自主性を重んじらているチームは生徒が生き生きし輝いてますよね✨真白は周りの表情も状況把握に重要なのだと知り改めて深く考えさせられました。真白やろう者の方がそのままの感情を出すのは、ある意味むき身の自身を晒している事もあるのだな、とも思いました。真白のチームメイト達がお互いをありのまま受け入れ協力しているやりとりが垣間見えると、本当に良いチームだなあと胸が熱くなります。

you

ありがとうございます✨ えっ、バスケットボールって、そんなふうになってるんですね!知りませんでした。試合を見ていて野球と違って悔しい時に悔しい!って感情を表に出していいんだと驚いたことがあったのですが、単純にスポーツとしての文化の違いがプレイヤーをそうさせているものなのかと思いきや感情の表し方まで本人ではなく指導者側によって操作されている場合があるということなんですね…。それはたしかにまだ成長途中である学生時代にそういう指導を受けなければいけない環境にいると、その後の生き方にもかなり影響してくると思います。もともとそれが合っている人にとってはいいのかもしれませんが、youさんのように元来の性格とは異なる表出の仕方を強要されるというのは本当にお辛かったと思います。教えて下さってありがとうございます。 高校野球の世界ではそこまでの表情操作指導はされていないようにも思われますが、ただ1つだけ気になる最近の風潮として「苦しい時こそ笑え」という言葉がひとり歩きして「辛い時に辛い顔をするな。ムリヤリにでもニコニコ笑って空気を良くしろ」という意識になってしまっている場合があることです。これは、真白のような子には自分でやるのはものすごく難しく、しかも物事の認知を視覚情報に頼っているろう者である真白が周りの全員にこれをされると今どういう状況なのかが目で見える情報だけでは正しく汲み取れず不適切な判断をしてしまう可能性さえある、重大な疎外行為です。そういう視点が全く欠けている、聴こえる人間だけがその場にいるという想定で作られた風潮だということに真白の周りにいる指導者やチームメイトはどこかで気づけたのかもしれないですね(そのあたりも、いつかちゃんと描きたい!)。youさんのおっしゃる通り、真白が周りを気にせず泣いたり笑ったりできているということは真白の元来の性格や生き方、ひいてはろう者としてのアイデンティティを尊重されて野球をしたり日々を生きることができるチームに属しているということだと思います。そういうチームの姿をこれからも目指していきたいと思います…!😊

詠里

ノナの生い立ちや生活環境、野球への戦略的な姿勢からの『表情を落とした』は非常に感慨深いものがありました。  私も学生時代バスケをずっとしており、先生に悔しい時は悔しがれ、嬉しい時は喜べ、でも相手に失礼のない様に喜べ、表情が無ければ=一生懸命やっていない•やる気がない=メンバーから外す、という構図で大分苦労しました。言いたい事は分かるのですが、自分の内から湧き出るものでないので演技になります。バスケと野球は違いますし、戦略的に相手にプレッシャーを与えられる事もありますが、大半は先生の好みを考慮しながらなので表情を出すのが苦手な私は辛かった…ある意味言いなりで自分というものを無くされ大分型にはめられました。良くも悪くもあった体験で、自分の性格にも影響しています。当時は当たり前だったのかも知れません。  真白は元々表情もコミュニケーションには欠かせませんが、ちょっと私はずれてるかもですが、感情を表出できる、自分自身のアイデンティティを制限されない自由さを感じました。泣くな!と制限する人もいるはず(先生やチームメイトが良い方なんだとわかります)。 時代と共に、完璧はないでしょうけども少しずつ良い方向に変わり、色々な価値観を受け入れて、ノナや真白がそうである様に、作品の中で(現実でもそうでしょうか?)一人一人の立場やアイデンティティが尊重された環境でのプレーや生活ができている事を嬉しく思いました。

you

ありがとうございます✨ おそらく真白が一番苦労しているのが、聴者主体の場では「表裏の不一致」「あらゆる言葉に言外の意味がある」という事象が標準であるということだと思います。そしてノナはその、真白が適応に最も苦労しているであろう聴者主体の場の特徴を全部鍋にぶちこんで長時間煮詰めたような人間です。それなのに?いや、それだからこそ、真白にとってノナはいつまでも強烈に知りたい対象であり続けるのかもしれない…😊

詠里

ありがとうございます✨ 娘さんも単行本を読んで下さったとのことで、嬉しいです…!私も家族に自閉傾向を持つ人たちがいまして、らぴさんのお話にある独特の言語感覚や価値観という部分にすごく共感しました。私の家族の場合は言語感覚のユニークさが特に顕著で、突然、奇想天外な表現や造語が斜め上から飛んでくるときがよくあるのですが、詳しく話を聞いてみると私とは視点や方向性が違うだけで同じものを見たり聴いたり感じて発した言葉だというのがちゃんとわかります。不思議ですね。日本語のいわゆる普通のルールに縛られない言語感覚や価値観を持っている人は、手話に対する考え方も”正しい日本語表現”に縛られている人よりむしろ柔軟な面があると私は思います😊

詠里

そうですね……一方、聴者にとっては、口話があることで、一部の感情がイントネーションに分化しているのかもしれない。しかしその一方で、地域文化、置かれている環境、人生経験なども大きな役割を果たしているのではないかと思います。 先生の言うように、野球の経験は選手が一般の人よりも多くの表情を隠すことができる。アメリカに留学していた友人が、留学に行ったアジア人と生まれ育ったアジア系アメリカ人を見分けるには、話す表情や仕草を見れば明らかに違いがわかると言っていたのを思い出しました。アジア系アメリカ人のボディーランゲージ、表情はより豊かで誇張されており、白人によく似ている。 これが文化の人への浸潤だと思います。東アジアの文化は保守的で、人の表情も言葉も、より微妙です。言葉の外側、表情の下に隠されているものがたくさんあります…… ろう者の表情が聴者よりも豊かなのは、表情が言葉の補完であるという理由に加えて、一方でろう者の世界には「表裏の不一致」「言外の意味」がそれほどないからだと思います。 ろう者の世界の「白黒がはっきりして」、「话があったら率直に言って」がうらやましい時がありますね…… p.s。真白の目は本当に美し……見るたびに思わず感嘆してしまいます。近くで観察しているノナはいったいどんな気持ちを持っているのでしょうか? 好奇心を持ちながら、羨ましい内容が増えました(笑)

Lan

白黒の世界で言うとうちの自閉症の娘たちは言葉のニュアンス顔の表情や会話の前後の受取り方が苦手、物事に対し白黒付けたがるけれど、本人たちが言葉で表現すると上手く出来ず頭で言葉を組み立てるけど、上手く表現出来ないから誤解される部分もあるうえニュアンスやら表現が独特というかグラデーションなんですよね。こう表現するか!って部分があってこれも有りだなと気付かされる毎日です。 どの世界でも言語化ができないというか表現しづらい物があるんですね。 そんな中娘は手話通訳士になりたい。さり気無く置いて置いた単行本読んでいました。 話はかなり反れてしまいましたが、今回の話はお互いを理解したいなど共感する部分もあって涙出ました。

らぴ

ありがとうございます✨ バッテリーの関係性って野球チームの中でも特殊なものですが、ノナと真白の関係はその中でもさらにさらに特殊な部類に入るかもしれませんね😊

詠里

ありがとうございます✨ どちらか片方の視点だけだとどうしても見えない部分ができてしまうので、二人ともの考え方が見える描きかたが私自身も好きでよく使っています。読みやすいと感じていただけているのであればよかったです…!✨

詠里

ここまで拝読させて頂いて、 真白の豊かな表情と ノナの無表情の中にある熱い流れが、 経緯として描いて下さっていたおかげで、 此度の回は涙腺崩壊でした(/ _ ; ) 痛い顔をせず思い切り野球と自分を信頼させるノナ。 表情を捨てたノナの全てを全身全霊で信頼しようとするマシ。 バッテリーは夫婦と聞きましたが、 何かそれ以上に崇高なモノが、 この2人には流れ始めている様な、 とても尊い回でございました。

Toki博士

2人の違いが愛おしいなあと思いました。 単行本「僕らには僕らの言葉がある」を拝読した時も思いましたが、真白とノナの相互の視点があると作者さんが何を中心的に描きたいのか(野球メイン漫画なのか、野球の周囲の人々なのか)が分かりやすく、読みやすいです。

MooPong


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