「表情が乏しい」というといかにも良くないことのように聞こえますが、スポーツの世界、とくにチームスポーツでは「顔に出ない」ことは長所にもなりえます。ノナはそういう世界に深く根をおろし、生きていくために「表情を落とした」子供です。
聴者にもいろいろいて、意識すればいままで使っていなかった表情でも引き出せる人もいれば、意識しても引き出せる表情がそもそもないという場合もやっぱりあると思います。
そう考えるとこのエピソードはどっちかというとノナが主役なのかなぁ。
自然とノナまし両サイドから描きましたが。
以下、手話などのメモです
「聴者は”これおもしろいね~”って真顔で言ってる時がある」ってやつです…。
厳密には真顔ってほどではないのかもしれないんですが、聴者のコミュニケーションはどっちかというと表情よりも声の調子のほうで微妙なニュアンスを使い分けている傾向が強いようなので、表情を文法の一部としても使う人の目から見ると「真顔かと思うくらい表情が変わっていない」と感じるのかもしれない…と私は考えています。真白ママは真白と違ってけっこう口が読めるので、口の動きと表情が合っていないことに対して余計に混乱してしまいそうです。
日本語だと「(うっかり)落とす」でも「(意図的に)落とす」でもどっちも「落とす」と言えますが、手話だと話の流れ的に「落とす」という手の動きにうっかりなのか、意図的になのかのニュアンスを付け加えて区別する必要がある場合が多いと思います。ただ、ノナは「落とす」の手の動きをやるのが精いっぱいです。
ノナ本人にもどっちなのか説明が難しい部分でもあるのかなとも思う。
うっかり落とした面もあるし、意図的にそぎ落とした面もある。
どっちの意味でも「落とした」なんだというのを、
自分の中で言語化でききっていない感じ。
ろう者の世界は白黒がはっきりしている、といろんなところで耳にするけど、ノナにとって一番高い壁はたぶんここなんだろうな~とうっすら思っています。
読んで下さってありがとうございました。
詠里
詠里
2023-02-14 05:23:51 +0000 UTCotobi
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