雑記(デビラビローグ感想)
Added 2023-07-02 03:29:12 +0000 UTCTwitterくんが寿命っぽいのでとりあえず適当にここで吐き出そう。
<概略>
デビラビローグはいわゆるSlay the spireフォロワーゲームで、そこにガチャ&JRPG要素を足したもの。Switch版では課金要素はほぼ撤廃され、新規カードのアンロックに当たる部分がガチャっぽい演出になるという程度になっている。
<特長>
このゲームの特に優れている点は、カードシナジーの快感から逆算して使えるカードを制限しているところだろう。
デビラビローグは基本的に三人一組のパーティでゲームが進み、戦闘に使えるカードは三人全員で共有する。
その際、ダンジョンに持ち込む「デッキ」があるのだが、これはある例外を除いて5種類のうちから1種類しか選ぶことはできず、そのプレイ中には他のデッキのカードが混じってくることはない。
デッキの属性は大まかに言うと戦士、暗黒騎士、手品師、毒使い、ギャンブラーみたいな感じになっているのだが、戦士デッキを選んだなら毒カードが出てくることはない。つまりパーティは三人だが、三人全員が戦士系のビルドで戦うことになる。
これが非常にゲームをやりやすくしている。カードゲームにおける快感は戦術の構築・取捨選択・シナジー(相乗効果)発動の3段階にあるものと認識しているが、最後のシナジーの部分について「これできたら気持ちいいな」というのはなんとなくわかっても、デッキの取捨選択や圧縮をするのはゲームに慣れてないとなかなかうまくいかない。特にドロー系やややこしい条件付きのカードは取るのをためらうことが多く、ためらってるうちに火力不足やリソース不足になって負けがかさみ、ゲームがつまらなくなる、というのは誘導がうまくないカード系ゲームでありがちな体験だ。
このゲームはそれを避けるために、各デッキにおける「爆発力のあるシナジー」を1~2個に限定して、そこに誘導するために各デッキの初期カードを設定している。
戦士デッキを例を挙げよう。
このデッキの最終目標は「筋力バフを積み重ねて手数で殴る」だ。まず、筋力を上げたら攻撃力が上がることを教えるために初めから「パワーアップ」という、シンプルに使用者の筋力を1上げるカードがセットされている。筋力が1上がると、攻撃するときのダメージがシンプルに1上がる。これが1つ目の仕掛け。(最初に教えないとバフを選択肢に入れないプレイヤーはかなり多い)
そしてこの手のゲームにおいては、筋力バフ戦術で行くなら手数が多いカードのほうが強い。システム上の問題で、「攻撃力2」と「攻撃力1*2」がある状態で筋力を1上げれば「攻撃力3」と「攻撃力2*2」となり、後者のほうが強くなるからだ。そしてバフればバフるほど差は開いていく。
それを教えるために、この戦士デッキにも「手数は多いが初期状態では攻撃力が劣る攻撃」が用意されている。初めは単に攻撃力が劣るだけのカードに見えるが、何度もバフを積み重ねていくうちにこっちのほうが攻撃力を上回っていることに気づく。これが2つ目の仕掛け。
3つ目は、初期手札に0コスト攻撃カードが混じっていることだ。
これもまあこの手のゲームのお約束なのだが、基本的にキャラは1ターンに出せるカードが使えるコストによって制限されている。リソース(だいたいマナとか言う)が3ある場合、1コストのカードなら3枚使えば終わりだし、2コストのカードを使えばあとは1コストのカード1枚しか使えない。
0コストカードを除いて。
0コストカードは、手札にありさえすればどんな状態でも使える。筋力バフと0コストカードが最初から手札にあるプレイヤーは、これで「筋力バフにコストを使っても、0コストカードがあればどんどん攻撃できる」ことに気づく。
そして、0コストカードばかり使っていたら手札として出ていたカードを使い切ったり、リソースが余ったりして、そこでもう一つ気づく。「あれ? この状態でさらにカードをドローできたら、さらに攻撃できるぞ」。
つまり初期デッキを触った時点で、プレイヤーはこのデッキの最終形態――「筋力を上げながら多段攻撃を放ち、さらに0コストカードやドロー系カードを使って手数を増やす」に思い至るのだ。
このゲームは、この誘導が実にスマートで良い。「何が面白いか」を一番最初に表現するゲームは大好きだ。
もちろん他のデッキでもこの形式は保たれている。毒デッキなら初期カードも毒だし、ギャンブルデッキなら運次第でダメージの伸びるカードが予め用意されている。そしてそのシナジーを加速させる装備品(獲得するだけで効果を発揮するアイテム)もデッキ毎に異なるし、かと言って勝ち筋が単調にならないように、各デッキごとに様々なサブテーマも用意されている。たとえば先述の戦士デッキならバフとは別にいわゆる銭投げ――持っている金を消費してダメージを出すカードや、戦闘中に金を補填するカードなどが用意されており、筋力デッキが育ち切ってないときは即効性のある戦術として重宝するようになっている。
<欠点>
一つは先程デッキのときに言った、「ある例外」のピンポイントの話だ。
このゲームにはいくつかストーリー上で攻略すべきダンジョンがあるのだが、そのうちの一つに「2つのデッキをランダムに選び、それを混成させたもので戦う」ことを強制されるものがある。
要するに今めちゃくちゃ文章を重ねて褒めそやしたところが全部なくなる。
もう一つは、いくつか強すぎる装備品があるところだ。このゲームは概ね良好なバランスを保っているが、装備品の中には「1コストカードを全部0コストにする」や「手持ちの1コストカードすべて、使えば使うほど攻撃力が上がるようにする」など、取らん選択肢がないやんけみたいなものが割とある。こういう装備品があるデッキでは、高コストカードを取るメリットがあまりない。
<雑談>
こういうカード系のゲームって引いたカードが主でキャラのほうが従になるから、なんかTFとかそういう空想がはかどるよね。
たとえば敵が強制的に押し付けてきてこちらがリソースを消費して除去しなきゃいけない状態異常カードがあるんだけど、それのTF版(攻撃の合間にその動物っぽい行動をしないといけない)とか。
・獣神の加護的なカードで、自分に積み重なったデバフを加護に変換できるカードがあるけどそれをうっかり自分に毒を蓄積して戦うタイプの毒使いが使っちゃってガッツリ獣になるとか。
・同じく獣神の加護で、普段は軽くバフを乗せる代わりに毛とか生えてくるぐらいの技だな~と思ってたらバフを倍々にする補助を使われてバフ量が多くなるとガッツリ獣化する技だと判明するとか。
・デッキ混成トラブルで、引いたカードを消費する代わりにそれの能力を受け継ぐ「一体化」ってカードをうっかり本来は混在しないはずの「幼いドラゴン」に対して
使っちゃって、ドラゴンと混ざるとか。
・『ヤギ化』っていうカードを食べて消費する代わりに回復できるカードがあるとか。
・『スライム化』で手札に粘液が混ざる代わりに通常攻撃に防御力低下効果がつくとか。
・相手の使うカードを横取りする盗賊的なカードを使ったら、それがちょうど動物に変身するスキルだったりとか。(Dicey Dungeonsにあったね)
・自分の姿も変わる代わりに防御力も上がるカードがあって、使うたびにコストが減ってくので段々常用するようになるとか。
まあ特にこういうカードゲームの場合、「視覚的に自分の手札に自分じゃないものが混ざる」って表現できるのがいいよね。おわり。