少年には、頭から離れない匂いがあった。
「へー、ここでお前、あの化け物に襲われたんだ」
「でも良かったな。あのお姉ちゃんが助けてくれなかったら、今頃お前、炭みたいにされて殺されてたんだろ?」
街が無差別に人を襲う怪物、『ノイズ』に襲われたあの日。絶体絶命の少年を間一髪で救ったのは、彼にとってほんの少しだけ年上の少女、立花響だった。聖遺物によって生まれた戦闘用装着衣シンフォギア『ガングニール』を纏ったその少女に救われ、なんとかこうして、日常に戻ることが出来た。
「でもさ、何か噂じゃあのお姉ちゃん…戦いながらションベン漏らしてたらしいぜ」
「俺は噂じゃ、ウンコまでしてたって聞いたけど…」
一歩間違えれば死というプレッシャーの中で戦う少女達、彼女達がその恐怖心を隠しきれず、涙を流したり排泄物を漏らしてしまうことがあっても不思議はないだろう。しかし、絶対的な英雄を求める大衆の中には、シンフォギアを纏い超常の力を手にした彼女達を常に勇敢で、戦闘中に失禁などしない無敵の存在と信じている者も多い。
少年がその時目にしたのは、その拳で岩を砕き、その脚で空を跳ね、悪を滅し弱者を守るまさに正義のヒロインと言える彼女の鼠蹊部から滴り落ちていた、黄金色の小水であった。
彼女が人より3倍食べる、と巷の食堂では噂の大食漢である事も、急な出撃要請でロクにトイレに行くタイミングもなかった事も少年は知らなかった。
だからこそ、はじめは本当に衝撃の光景だと感じた。正直、幻滅に近いショックを受けたのも事実だろう。
無事に戦闘を終え、またしても死傷者ゼロという快挙を成し遂げだ彼女は、緊張と恐怖からの解放、そして安堵のあまりにスパッツの中に大も小も全て解き放ってしまった。
「ご、ごめんね…お姉ちゃん、実はずっとおトイレ我慢してたの…臭いよね…あともうちょっとで救助の人が来ると思うから、それまで我慢してね…」
彼女のお尻と地面にこぼれ落ちた排泄物は、臭くないとは口が裂けても言えないほどの強烈な匂いを放っていた。彼女の毎日の摂食量と数日抱えていた便秘を考慮すれば、まだあどけなさの残る少女が漏らした大便がむせ返るほどの悪臭を放つ事は、科学的には説明がつく。
しかし、少年はその少ない人生経験の中ではあるが、まず間違いなく頂点に立つほどに印象に残るスパッツ越しの便臭を、頭の中から消し去ることは出来なかった。
「え?あの日漏らしたのはお姉ちゃんじゃなくて、お前だったの?」
「まあ、普通に考えりゃそうだよな…あんなに強いお姉ちゃんが、ビビってお漏らしなんてするわけないもん…」
「それじゃお前、ウンコ漏らしてお姉ちゃんにパンツ替えてもらってたのかよ?かっこわりー」
戦闘時の全ての責任を問われ、トイレに行く暇も無くノイズと戦い、それに巻き込まれる民間人の救助も行う…その末に決壊を迎えてしまったお姉ちゃんの失敗の噂を肩代わりする…。少年には、命を救ってくれた彼女への恩返しとして、この程度の事しか思いつかなかった。
真実を知る少年は、友人2人に何度も嘲笑されながらも、表情は穏やかだった…。
「おい見ろよ!あの女の人、もしかして…」
街がノイズから襲撃を受けた数日後。あの日響に救われた少年を含めた3人は、一人で道を歩いている立花響を見かけた。
「本当だ!ねえお姉ちゃん、この間はコイツを助けてくれてありがとう!」
学生服を着た彼女のもとに駆け寄り、感謝の言葉を次々に並べる少年達。恐らく慣れた光景だろうが、何故か彼女はすこしだけバツが悪そうな顔をしていた。
「でも大変だったでしょ?だってコイツ…お姉ちゃんに助けられたあと、トイレ行きたいって言えずにその場でウンコ漏らしやがったんだから!」
彼女の視点に立ってみれば、3人の少年の中にいた1人は、あの日自分が失禁し、脱糞した痴態を見せつけてしまった張本人なのだから、少しばかり気まずい思いがあるのも事実だろう。ここで彼女は、自分があの日お漏らしをしたのが既にバレており、スパッツからはみ出る程の大量のウンコを漏らした事をなじられてしまう覚悟を決めていた。
しかし、彼らが口にしたのは、あの時現場で大小便を漏らしたのは助けられた少年で、自分はそれを優しく見守り、更には人が来る前に衣服の交換も手伝ってあげたという、彼が彼女の尊厳を守る為に付いた優しい嘘だった。
「え!?………う、うん、でも、お姉ちゃんも昔、学校の帰り道でお漏らししちゃったことあるし!全然気にしてないよ!」
ここで、本当にお漏らしをしたのは私。と言えなかったのは、彼女自身がまだ未熟である証拠かもしれない。それでも、彼女は少年の優しさにあやかり、自ら汚名を被った彼に話を合わせ、それでいてお漏らしについては決して笑うことのないよう他の2人に注意を促した。
「お前は本当…お姉ちゃんにこんな嘘までつかせて…」
「さあ、お姉ちゃんも忙しいんだから早く行こうぜ、なんかここ、下水臭くて鼻が曲がりそうだ…」
挨拶も程々に2人は歩いて行った。そして、その場には彼女と、彼女の真実を知る少年だけが残っていた。
少年は、友人の放った下水のようなひどい臭いを覚えていた。あの日お姉ちゃんのお尻からずっとただよっていた、あの臭い…。
「この間私がお漏らしした事…自分がやったって言ってくれたんだね?ありがとう…」
彼女の言葉と仕草を見て、少年はまたも衝撃を受けた。
「実は…こんなのも履いてたり、して…」
スカートを捲り上げた響のお尻には、小型ではあるがハッキリとソレだと分かる、オムツが装着されていた。
更に、彼女が少年達に囲まれた時に焦りの表情を浮かべていたもう一つの原因が、そのオムツの中には入っていた。
「みんなには、内緒にしてね…!」
何故自分よりも大人である彼女が、オムツを履いて生活しているのか、少年には想像する事しか出来なかった。彼に出来るのは、彼女のお尻が抱える問題を知る数少ない1人の人間として、その秘密を誰にも話さない事を胸に誓う事だけだった…。
風鳴翼には、シンフォギア奏者と歌姫という、二つの輝かしい姿とそれに伴う二重の重圧があった。
「そ、そんな馬鹿、な…!」
ライブの直前、狼狽し、震えた声で呼び出しを受け控え室に向かったのは、彼女がマネージャーとして一番心を許している、『あなた』でした。
ドアの前に立つと、すでに鼻を通り抜ける悪臭を感じ取る事が出来ます。
あなたが優しくドアをノックし、同意を得た後に静かにそのドアを開けると、そこには今回のステージの為に用意された衣装を着て仮眠用のベッドの上で放心している翼の姿がありました。そして、彼女のお尻の下には、おぞましい程の量の軟便がほんのりと湯気を放ちながら広がっていました。
「も、申し訳ありません…!う、うぅ…まさか寝小便どころか、う、ウンチまで漏らしてしまうなんて…!私はど、どうしたら…」
人々に注目されながら歌い、戦う。そんなプレッシャーを日々受けるなかで、排泄関連のトラブルを起こしてしまうのは珍しい話ではありません、私生活には少しばかり無頓着な翼であれば、そのような事態を起こしてしまう可能性も上がってしまうでしょう。
お尻から脚までベットリと付着した軟便を拭き取り、替えの衣装に着替えながら泣きじゃくる彼女を、あなたは優しく慰めていました。誰もが、漏らしてしまった本人ですら鼻をつまみ逃げ出したくなるような状況で、時に機械のように排泄物を処理し、時に傷ついた少女に寄り添い続けたが故に、彼女は自分の失態に気づいた後、真っ先にあなたに助けを求めたのでしょう。
その後、皮肉にもお腹の中の老廃物を全て漏らし切った翼は、ステージの上で完璧なライブを披露しました。しかし、異性の前で糞尿まみれの姿を晒し、更にはその後始末まで任せてしまったという事実は、どれだけあなが協力をしても彼女の心に刻まれる傷を完全に消し去る事は出来ませんでした…。
「わ、分かりました…言われた通り、今日はお、オムツを履いて…戦い、ましょう…」
先日のお寝グソ事件の数日後、街で発生したノイズ討伐の出撃に供える彼女に、ある提案がなされた。
ギアの上から着用出来るオムツの開発と、その性能テストである。
本来であれば、身体にフィットする彼女達の戦闘服の上にオムツを履けば、これから私はお漏らしをしますと言っているようなものであり、いくらお漏らしの前科がある翼といえど受け入れられるものではないだろう。
しかし、油断の末に夢の中で思い切り排便をして寝糞という最悪の結果を迎えてしまったトラウマを抱える彼女にとっても、これは悪い話では無かった。
着用している間は途方もなく恥ずかしいが、オムツを着用したまま一切排泄物を漏らさずに任務をこなし、履く前の何も変わらない状態のオムツを返せば、自分にはオムツは必要無いと証明する事が出来る。そう感じた彼女はこの提案を渋々ながら受け入れた。果たして彼女は、このオムツに大便はおろか、一滴の小便も漏らさずに戦いきることが出来るのだろうか…
「え、ええ…耐久テストの結果は概ね良好…も、もちろん、私はこのオムツの性能を確かめる為に、自らの意思でひり出したのですから…あ、あしからず…」
無事に戦いが終わった後、彼女が履いていたオムツの中身を確認する事を許されたのは、やはりもっとも心を許しているあなただけでした。
そしてあなたは、戦闘中の翼の体調を確認していました。その為、彼女の顔を赤くしながら俯く表情を見たり、周囲から漂う異臭を嗅がなくても、彼女のオムツの中がどうなっているのか容易に想像する事が出来ました。
自分は実験に協力する為に恥を忍んでワザと排便をした、と言い張る翼にあなたは優しく歩み寄り、ねぎらいの言葉をかけ続けました。
「そ、その態度…まさか、私が戦闘中に恐ろしさで我を忘れ、糞便を垂らしてしまったと思っているのですか!?」
シンフォギアの機能を通じて彼女の体調をモニタリングしていたあなたは、ノイズの群れに囲まれ狼狽していた翼と、その瞬間にオムツの中身が一気に増幅したのを目にしていましたが、敢えてそれを口にする事はしませんでした…。
一つ目の油断は、戦いに慣れ相手の力を見誤った事だろう。そしてもう一つの油断は…
「あー、どうしよう…結構お腹、痛いかも…」
(ノイズ共にぶっ放した時に、勢い余ってウンチちびっちまったりして…。いや、ガキじゃないしそんな訳ない、よな…!)
雪音クリスは下腹部に違和感を抱えながらも、自らの責務を全うする事を選んだ。かつては敵側として戦った事もある彼女は、口調は荒いが実は誰よりも責任感が強く、自分の過去の過ちをなんとか拭い去ろうと無茶をする事が何度もあった。
1秒でも遅れたら犠牲者が増えるかもしれないという状況で、彼女は少しばかり下し気味の腹でも、気にせずに戦いに赴いた。彼女は今でも、もしこの時に正直に体調不良を訴えトイレに行っておけば、あのような事態は起こらなかったのでは無いかと後悔している。
「く、クソ!こんなはずじゃ…!あ、ああっ…」
クリスはこの戦いをすぐに終わらせるつもりでいた。過去に何度もくぐり抜けてきた修羅場の経験から、敵の規模と自分の戦力を照らし合わせて算出した信頼度の高い予測である。
しかし、彼女の予想は敵勢力の新たなノイズが現れた事で、外れてしまった。
「く、来るな…!いやぁ…た、助け…う、うぁ…あっ…」
理屈も分からないまま自慢の武器や砲弾の連射が全く通用せず、こちらだけが敵の攻撃をさばかなければいけない状況。精神的に少しずつ追い詰められていったクリスは、緩んでいた腹から送られてきた下痢気味の軟便を、ノイズの攻撃を必死にかわしながら少し、間髪入れずに放たれた別の攻撃を自分の武器を犠牲にして受け止めながらまた少しレオタード調の戦闘服の中にビチビチとちびりながら追い詰められていった。
(ち、ちくしょう…私、こんな…ウンコとションベン、漏らしながら死んでいくのかよ…は、ははは…)
そして、いよいよ彼女のシンフォギアの固有兵器である無数の銃火器も全ての弾薬を使い尽くし、彼女は無数の新型ノイズに囲まれたクリスは身体の中に残っていた最後の銃弾…茶色い液状の宿便を一気に噴出させてしまった。今までに感じたことのない絶望と恐怖に身体中の穴という穴から汗や涙、鼻水に小便や糞汁も垂れ流しにしながら、死を目前にした自分のみっともなさに諦めてように笑ってしまっていた。
その後、恐怖の頂点に達して失神してしまったクリスは、誰に助けられて五体満足の状態で帰ってこれたのかを覚えていない。しかし、他のシンフォギア奏者の少女達も未解析のノイズとの戦いに敗れ、追い詰められた末に自分程の悲惨な状況では無いにしろ各々が抱えていた排泄物を漏らしてしまっていたという報告を受け、少しだけ救われた気分だった…。
たくさんの時を共に過ごしても、中々周囲と打ち解ける事の出来なかった雪音クリスにとって、同じ苦難や悩みを抱える事が結果として人との繋がりを作るきっかけとなった。
あの日、プライドを完全にへし折られるほどの圧倒的な敗北を喫し、恐怖のあまりに糞尿を垂れ流しにして以来、「私も何回もお漏らしした事がある」「あの日、私も漏らしていた」という響や翼の励ましは、彼女の尖った部分のあった心を少しずつ穏やかにしていった。
周りの人間と交流を深める事が出来るようになった彼女は、あの日腹痛を抱えたまま戦いに挑んだ事を後悔しながらも、心の奥底ではウンコを漏らして良かったのではと感じてしまうようになった。
「や、ヤバい…今日も…トイレまで我慢できなかった…」
そして、そんな彼女の幼児退行にも似た感情はすぐに行動として表れ、新たなる問題を引き起こしてしまった…。
(本当にヤバいのは…ウンコ漏らして、ドキドキしてる変態の私の方だよな…)
どんな場所でも、格好をしていても、彼女はいくつかの大惨事を起こしてしまった。もちろん、ワザと漏らしている気など無いし、失敗を重ねる度に対策を講じているつもりだった。
それでも、お漏らしをすればまたみんなが優しくしてくれる。ここでウンコ漏らせば、もっと周りに自分の弱さを打ち明けられる…。と、まるで心の裏側にいる自分が仕向けているように、彼女はトイレに行けない状況で強烈な腹痛を催し、どうにか我慢してトイレまで行っても個室の前に立つと何故かふとお尻から力が抜けてしまい、限界まで我慢していた大便を漏らしてしまうのだ。
脚を伝う軟便もろとも自分の尻を撫で、下痢気味の糞に流されるように肛門から這い出てくる一本グソすら止められずに、彼女は大便を漏らして興奮している自分を責めながらその背徳感にまたしても酔いしれてしまうのであった…。
ウーパールーパー
2022-05-23 14:45:48 +0000 UTC