「へえ…あんな背の低いおじさん相手に、私の全力を出しちゃってもいいのね…?神サマ達も蹴散らしてきた私の力よ…?これから戦う相手全員に伝えておいて貰えるかしら…私の本気を見てお漏らししても知らないわよ、パンツ汚して恥かきたくなかったらちゃんとおトイレに行っておきなさい、ってね…」
様々な世界が重なり合い、一つの時空を形成するこの空間…ここには、巨悪と戦う勇者や人々から恐れられる化け物、飄々と平和な日常を過ごしていただけの放浪者など、多様な種族と目的を持った『キャラクター達』が集っていた…。
『プレイヤー』と呼称された存在…あなたは、そんな荒唐無稽な世界に集められた者達から出会った一人の女性と行動を共にする事となる。それは、あなたがまるで彼女達に命令を与え、歩き、走り、跳び、そして攻撃を繰り出す…まるで操り人形を遠隔操作をするような、不思議な感覚だった。今、あなたの目の前に立ち挑発的な言葉で存在感を発揮する女性…神をも相手取って戦う魔女、ベヨネッタもまた、この不思議な空間で戦いに名乗りを上げた一人だ。
敵の能力や特性、戦う環境…得体のしれない数々の不安要素を抱えながら、半ば強制的に戦う『大乱闘』と呼ばれるこの異常な状態ですら、元いた世界でいくつもの修羅場をくぐって来た彼女にとっては驚くほどの事でもなかった。
むしろ、自分の余りある力を試す機会として退屈潰しにこの戦いを楽しんで見せるという余裕すらあった。
しかし、誰よりも強いと信じて勇み足で初めての戦場に踏み出した彼女を待っていたのは、『ベテラン勢』からの厳しい洗礼だった。
「ふ、ふぅっ…は、ハァ…ハァ…!!
な、なんで…私と同じくらいの…いえ、私よりも…小さな相手に…全く、攻撃が通らないのよぉ…!」
(そ、それに…向こうの攻撃も…痛みは感じない…何が起きてるの…この空間…!と、とにかく…このままじゃやられっ放しだわ…!一度、逃げないと…!)
巨大な神すらも悠々と打ち負かしてきた自慢の攻撃が、何故か全く通じていない。眼の前にいる敵は自分よりもさらに背丈の小さい男で、これまでの経験上であればすぐにでも打ち負かす事が出来るにも関わらず、だ。
ひとつひとつの所作が自分と全く遜色ないほどのスピードだった。まるでこの世界で戦う者同士は攻撃の強度や素早さを一定に制限され、強さの均衡を保たれているかのようだった。そして、そんな環境での経験の差によるものか、ベヨネッタの攻撃は数コンマ秒先の未来を予測されているかのように飄々とかわされてしまう。
手数を増やし、いざ攻撃を当たると思った途端でも、標的の体の周りに泡のような力場が現れ、全ての衝撃を受け流してしまうのだ。
その一方で、男が放つ攻撃はベヨネッタの動きの隙を突き、ひとつひとつが確実に彼女の体に突き刺さっていた。
男がベヨネッタに手を向けると、魔法のように手のひらから火球が飛び出し彼女を飲み込んだ。その炎の大きさを見て威力の規模と自分が被りうる衝撃を想定し、身構えたベヨネッタだったが、彼女の体は何故か痛みを全く感じていなかった。
痛みを感じない衝撃の数々に困惑しつつも、立ち向かい続けるベヨネッタ。
(あ…あれ…?と、トイレに行きたいわ…!)
なんとか戦いを続ける中で、ベヨネッタは自分の体にある欲求が生まれていることに気付いた。
意識した途端に尿意と便意はどんどん強まり、彼女の焦りを助長した。
(し、したいしたいしたい…!オシッコも、それもう、ウンチも…!な、なんでこんな時に…それも、急に…戦う前は、全然したくなかったのに…!)
このままでは、舐めてかかった対戦相手の男とそして何よりも自分の相棒と呼べる者の前で失禁はおろか、脱糞すらしてしまいかねない。
急激に勢いを増す排泄欲を堪えながら戦いを急ぐベヨネッタだったが、そんな彼女に絶望を与えるように、自分の攻撃が全てかわされ、反対に相手の放つ技を全て受けてしまった影響が、彼女にも分かる形で現れることになった。
(あ、あれ…?わ、私…殴られる度に…大きく吹っ飛んでる…?)
殴られた時のアザも、火球に飲まれたときの火傷も無い…それでは受けた攻撃の影響は自分の体にどのような影響を与えているのか…どうやらこの世界では、攻撃をくらった際に体力が削られたり、目に見えるような傷が残る事はない。しかし、その代償として受けた攻撃の量が増えていく事で、まるで自分の体から重さが抜けていくかのように大きく吹っ飛んでしまうようだった。
ようやくこの世界での戦いのルールに勘づきはじめたベヨネッタだったが、今の彼女はトイレを我慢することに手一杯だった。しかし、そんな彼女でも崖際に追い詰められ、自分の背後に奈落の底への入口があることに気付くと、この暗闇の中に落ちていくことが、恐らくこちらの世界での死を意味するのだろう、と予測することが出来た。
「ハァ…ハァ…あ、あ、あぁ…!」
(こ、ここから…落ちたら…わ、私は…!)
試合が始まる前は相手を挑発するような余裕を見せていたベヨネッタだったが、いざ自分が死の縁に立っており、そしてすぐ近くにはその最後の一押しを容易に出来てしまう相手と条件が揃っていると感じると、途端に恐怖に支配され、魔女としてのプライドを捨て、小馬鹿にしていた相手から逃げるようにステージを駆け回った。
力の限り高速で走り抜け、どうにか男の視界から逃げ延びたと安堵していたベヨネッタ。彼女の長い髪の毛で形成されたボディスーツの股間の部分が決して無視できない程に湿り、そこからアンモニア臭は漂ってることに気づいたのは、立ち止まって息を整ええている時だった。
(そんな…この、私が…オシッコチビっちゃうなんて…!でも、このままやりすごせば、残りのオシッコと、ウンチだけはトイレで出来る…)
そんな恐怖と恥の感情で倒錯する彼女の生き残りにかけたわずかな望みを打ち砕くように、たちまち男は彼女の前に現れた。
(あ、あぁっ…!な、なん、で…居場所が…分かってるの…⁉)
まるで、この高低差のある戦場を横から見渡している人間がいるかのように、男はベヨネッタ位置を完全に捕捉していた。
これまでの常識が通用しない世界での不安、自分の全力をあらゆる面で超えてくる相手。そしてそんな状況の中でもハッキリと感じる死への予感。
「ひ、ひあぁ…あ、ああぁぁぁ…」
じょ…じょろ…ジョッ…ジョジョ…
じょ、じょぼぼぼぼぼじょおおおおお…
こちらの世界に呼ばれてから今までの長い戦いで溜め込んでいた小便。先程漏らした何倍もの量のが、彼女のボディスーツの中に一気に解き放たれた。もはや、尿意を我慢する余裕など全くなかった。
どうにかこの男の攻撃から見を守りたい、その一心で込めた願いを叶えるように、彼女の周りを大きなシャボン玉のような膜が覆った。先程男が自分の攻撃の一切を弾いていたものと全く同じものだ。
(こ、これだわ!向こうも使っていた、このシールド…これならきっと、防ぎきれるわ…!)
ベヨネッタはこれを千載一遇のチャンスと見た。この防御膜で相手の攻撃をしのぎ切り、戦闘状態の終了を試みる。ほぼ全ての小便を漏らしてしまったが、今ならまだトイレで残りの排泄物を解き放つことが出来るだろう。そうすれば、彼女の事を笑うものがいても、これは汗だの、漏らしたのは敵の方で、飛び散ったものが自分に付いただけだとかで、後はどうとでも言い訳がきく。
頭の中で事なきを得た自分の姿を思い描き防御に専念するベヨネッタ。しかし、戦い慣れた目の前の男はひたすら守り姿勢をとる彼女の姿を見てニヤリと笑った。ベヨネッタは自分の周囲を守っているシールドがどんどん小さくなり、やがて破れてしまいそうになっていることに気づいていなかった。
「え…な、何…が!あぁ…あ、あっ…!」
突如、ベヨネッタの体と頭の中にとてつもない衝撃が走り彼女は大きく宙を舞った。そこで彼女は自分の体に発生した異常事態にとてつもない恐怖を感じた。
(に、逃げない、と…あ、あれ?体が…動かな…い…声も、出せないぃ…!)
見えない腕で掴まれているかのように、身体を動かすことが全く出来ない。この状態がいかにマズイかは処刑台に乗せられているような感覚でこの瞬間を迎えているベヨネッタ自身が一番理解している。思い切り助走を付けて正面から思い切り腹部を殴られるか、飛び立つ燕のような垂直上昇のアッパーを喰らい空の彼方まで飛ばされてしまうか…トドメのさし方を吟味されている間、ベヨネッタはこれまで元の世界でも誰も見たことのないほどにみっともなくうろたえ、涙と鼻水を垂らしていた。
(いや…お願い…こ、来ないで…ゆ、許してえぇ!ひ、ひどいわあなた!私…もう、怖くてお漏らししちゃって戦う気なんてさらさらないのよぉ!元の世界でもお漏らしした時はみんな見逃してくれたわよ!ねぇ…お願い、お願いしまひゅ…命だけは…たひゅけてぇ…
そんな…この、私が…神を相手ならまだしも…こんな小さな敵を前にみっともなく命乞いを…でも…やっぱりこの男には…どうやっても勝てない…死にたくない…恐ろしい…!)
「あぁ…がっ…ほがァ…あぁ……!」
じょじょびじょびじょび…ブッ…ぷすうぅ〜…
(は、はあぁ…い、いやあぁ〜!し、死にたくない!ひ、ひいぃ…ひいいいぃぃぃ!)
「うぐ…うぐぶ…うびびびび…あっ…あ…ごっ……」
ブリブリブリ…むりゅりゅりゅりゅ…ぶびゅぶぶぶぶ…
本当はたとえ無様で、世界中の人間から嘲笑の的になったとしても、目の前の男に全力で命乞いをしたい。しかし、今の彼女はそれすらも選択出来ない。
男の攻撃がベヨネッタにトドメを刺す寸前、タイムアップのアナウンスと同時に、男の姿は霧のようにその場から消えてなくなった。
最後には恐ろしさが自我を保つことすら凌駕してしまい、泡を吹きながら失神してしまったベヨネッタだった…。
「い、いやぁ〜!助けて!助けてええぇ!」
数十分後、糞と小便をぶちまけた現場で失神状態からようやく起き上がったベヨネッタ。決着の瞬間から更に大きく尻や太ももが茶色く膨らみ、黄色い水たまりの面積も広まっているのは、おそらく気を失った状態でも先程の恐怖映像がフラッシュバックし、寝小便や寝糞を垂れてしまったからであろう。
自信満々で挑んだベヨネッタだったが、まだこの世界での戦いに慣れていない彼女を待っていたのは、厳しい現実だった。
正体不明の急激な尿意と便意に悶えながら必死に勝機を探るも、結局彼女は糞尿を漏らし、恐怖のあまりに命乞いをしながら失神するという、ある意味衝撃のデビューを果たしてしまった。
ベヨネッタにとって唯一の救いだったのは、自分の事を信じ相棒となってくれたあなたが、期待を裏切るような失態をしでかした彼女を目の当たりにしても、見捨てずに共に戦うことを選んだことだろう。
「きょ、今日はちょっとだけ体調が悪くて、失敗しちゃったわ…い、今まで生きてきて戦いの中でお漏らししちゃったのなんて、今回が初めてよ…ほ、本当よ?」
次こそは、次こそは自分の本当に力を発揮し、あなたにいい所を見せてみせると心の中で意気込みながらみっもなく膨らみ、大きく開いた背中やスリットからボトボトと零れ落ちるウンコでべっとりと汚れたお尻を向けて後始末を手伝ってもらうのだった…。