小説 【入れ替わり・歳の差】②
Added 2025-07-29 14:50:01 +0000 UTC-目次- ・4.おしっこ、行ってもいいですか? ・5.個室の中で、女の子って ・6.“拭き取りました”の余韻 4.おしっこ、行ってもいいですか? その後授業は順調に進み、一限の授業が、終盤に差しかかっていた。 教室内は、すでにちょっとしたお昼前の緩んだ空気が漂い始めている。 眠そうな学生、こっそりスマホを見ている学生、そして前のスクリーンには、教授の講義用スライド。 ——その後方、教室の後ろの扉のガラス越しに、ひときわ重たい影があった。 「……やっと、授業も終わりそう……」 その影の正体は、間宮の体に入った沙耶だった。 (教授が何やってるのかちゃんと見ないと……) 講義中の“自分の体”は、中央の列の真ん中あたりに座っている。 沙耶の可愛らしい背中と、ふわりとした茶髪が見える。が、やたらとソワソワしている。 「……やけに落ち着きがないな……?」 教授の体でそっと覗いている沙耶が首を傾げたそのとき—— 突然、その“沙耶(精神は間宮)”が、ひょいっと手を挙げた。 「先生ぇ…♡」 「……ん?」 授業中の講師が、少し驚いたように目を上げる。 「はい、白石さん、どうしました?」 すると、“沙耶(精神は間宮)”は、何のてらいもなく——むしろ晴れやかな声で言った。 「おしっこ行ってもいいですか〜?♡」 ……その瞬間。教室が、一瞬、止まった。 「えっ……」 「いま……なんて?」 「“おしっこ”……って……」 ざわ……ざわ…… 空気が微妙にざわつき、前列・後列、教室内のほぼ全ての学生たちがこそこそと顔を見合わせ始める。 そして、“沙耶(精神は間宮)”の隣に座っていた友達の二人、理沙と美優が、慌てて顔を真っ赤にして沙耶(精神は間宮)に詰め寄った。 「ちょ、沙耶! なに言ってんの!?」 「おしっこって……もっと言い方あるでしょ!?」 だが、沙耶の体の間宮は、まるで無頓着。 「え〜、だって“トイレ”って言うの、なんか味気ないでしょ?♡おしっこって可愛いじゃん♡」 ニヤニヤ笑って、ケロッと言い放つ。 (さ、最低っ……!!) 後ろのドア越しで見ていた間宮(精神は沙耶)は、思わずガラスをバン!と叩きそうになるのをぐっと堪えた。 (人の体でなに言ってんのよおおおおおおっ!!) 「白石さん、ああ、そ、それじゃ……急いで行ってきなさい」 講師も対応に困りながら、許可を出す。 そして沙耶(精神は間宮)は、立ち上がると堂々とスカートをなびかせて通路を歩き—— 「いってきまぁす♡」 と手を振って、まるで女子高生のように明るく教室を出て行った。 (最低っ……間宮教授、何考えてるんですか!!) 間宮(精神は沙耶)はすぐに後を追うべく、廊下を重い体でゆっくりと歩き出す。 しかし、講義棟の女子トイレの前で、すでに“沙耶(精神は間宮)”はドアに手をかけていた。 「うふっ♡さて。夢の“女子トイレ”、初体験だな♡」 彼は、まるで探検家のような興奮の面持ちで、ゆっくりと中へ入っていく—— (やめて……お願いだから、なにもしないで……!) 間宮(精神は沙耶)は急いで沙耶(精神は間宮)の後を追った、——自分の体が、これから、あの人の手で、あの場所でどう扱われるのか。 想像して、背筋がぞくり、とした。 5.個室の中で、女の子って 女子トイレの個室——その狭い空間の中で、白石沙耶の身体に入った間宮達也は、まるで下卑た男性のようなうっとりした顔をしていた。 「うふっ♡……ついに……来てしまったな……女子トイレ♡」 狭い個室の鍵を閉め、沙耶(精神は間宮)はそっとミニスカートの裾を持ち上げた。 白くてやわらかな太ももがあらわになり、薄ピンクのパンティがそこにある。 (はぁ……これは、背徳感というよりも……優越感、だな♡) 指先でそっと、太ももの肌をなぞる。 白石沙耶という女子大生の、外見も感触も自分のものになったような、妙な優越感がこみ上げてくる。 「うふっ♡……ブラも……ここにあるんだよな♡……」 前かがみになり、パーカーの下に手を入れる。 指先が柔らかな布と、そしてその奥のふくらみに触れるたび、沙耶(精神は間宮)の目はうっとりと細まる。 「……はぁ♡これは……想像以上に、むにゅっとしてるな♡……」 沙耶(精神は間宮)は、興奮していたが、少し息を整える。 「さて♡……次は、女子の“排尿”体験か♡……」 個室の中でそっと身体を屈める。 男子用便器と違い、腰を落とし、足を広げ、スカートを気にしながらそっとしゃがむ——。 (はぁはぁ♡……この姿勢、めちゃくちゃ興奮するな♡……) その姿勢、肌に触れる空気、膝裏の締まり、便座の温かさ、そして…… 尿道の中にためていたものが、ちょろちょろと流れていくその甘美な感覚に—— 「……ふぁ♡……これが、女の子の♡……」 沙耶(精神は間宮)は、思わず目を閉じた。 その感覚は、下品で、どこか神聖で、そして優越感すら含んだ新世界の発見だった。 一方、その外。女子トイレの前の廊下。 間宮の身体に入った沙耶は、ドアの前に立っていた。 もちろん、彼女は“男の身体”になっているため、中に入ることはできない。 (私の身体で、教授……中でなにやってるんですか……) しかも、女子トイレ前でウロウロしている“男性教授”の姿は、どう見ても不審者そのものだった。 「ねえ、間宮教授……?」 「え、やばくない? トイレ覗いてるの?」 「ちょ、通報したほうがよくない?」 数人の女生徒が、ひそひそと間宮(精神は沙耶)を指さし始める。 言い訳もできず、入ることもできず、間宮(精神は沙耶)はただ女子トイレの前で恥と屈辱に震えていた。 (お願い……早く出てきてください……もう、ほんとに無理……!) 個室の中では、沙耶(精神は間宮)が女性の排尿の余韻にふけっていた。 「……ふぅ♡これは、文学より奥深いな♡」 満足げな顔でミニスカートを整え、立ち上がる。 「さて、お昼に行くか♡今日は“白石沙耶”として、女子会ランチね♡」 6.“拭き取りました”の余韻 トイレのドアが、カチッと音を立てて開いた。 朝の1限が終わるチャイムと同時に、白石沙耶の身体に入った間宮達也が女子トイレから姿を現した。 ミニスカートの裾を軽く整えながら、うっとりとどこかスッキリとした表情。 「ふふっ♡……女の子のおしっこ…爽快だったわぁ♡」 その下卑た自分の笑顔を見て、廊下の柱の影にいた**間宮(精神は沙耶)**は、素早く駆け寄った。 「ちょっと! 何してたんですか!?……中で、まさか変なことしてないですよね!?」 目を吊り上げ、低い声で問い詰める。 だが、相手は自分の顔をした間宮。その顔が——うっとりとニヤついていた。 「変なことぉ?♡ まさかぁ♡」 声色まで女の子っぽくして言うものだから、余計にイラつく。 「ただ、初めての“女の子のおしっこ”を体験しただけよ♡」 「……それが変なことだって言ってるんですっ!」 思わず声を上げそうになるが、周囲にはまだ学生がちらほら残っている。 間宮(精神は沙耶)はぐっと声を飲み込んだ。 沙耶(精神は間宮)はそんな彼女の様子を楽しむかのように、さらに言葉を重ねる。 「ねぇ、白石くん♡知らなかったよ。女の子って、おしっこしたあと……こうやって丁寧に拭くんだねぇ?♡」 ……にやぁ。 「最初、ちょっと戸惑ったけど、慣れると楽しいわね♡“あ、自分って女子なんだ”って思えて♡」 その口ぶりはどこまでも悪意があり、どこまでも楽しそうで、どこまでも——屈辱的だった。 間宮(精神は沙耶)は、その姿を見つめながら、自分の身体がどんな風に座って、どんな風に拭かれて、どんな風に見られていたかを想像してしまう。 (……うぅ、本当にもう最悪……) 胸のあたりがじくじくと熱を持つような悔しさに包まれる。 「股間と肛門はトイレットペーパーでしっかり拭いてるから、安心してね♡」 「本当に最悪ですっ……!」 堪えきれず、つい低い声でにらみつける。 が、沙耶(精神は間宮)は肩をすくめてひらひらと手を振った。 「さて、私はお教室に戻るわね♡午後は体育の授業だったかしら……?♡」 そのままミニスカートを揺らしながら歩き出す。 後ろ姿はどこから見ても、ただの女子大生。歩くリズムに合わせて髪もふわふわ揺れて、まるで本人以上に“女の子”に見えた。 間宮(精神は沙耶)はその背中を、やるせない気持ちで見送るしかなかった。 (……私の体……私の生活……完全に、奪われてる) 悔しいけれど、今は取り返すすべはない。 今日はあと半日、あの男に**“私として過ごされる”**という現実が、ずっしりと胸にのしかかる。 (もう返してよ……私の体……好き勝手に、しないでよ……!) だが、その“私の体”はもう、教室の扉の前で、友達の女の子たちに笑顔で手を振っていた。 「おまたせ〜♡ ちょっと便秘気味で〜♡」 「もう沙耶〜、さっきの授業中の発言、マジやばかったからね!?」 「“おしっこ”って! あんた小学生かよ!」 友達にからかわれながらも、沙耶の体の間宮は平然と笑っていた。 むしろ——楽しんでいるようにさえ見える。 -続く-