小説 【入れ替わり・日常2】⑨
Added 2025-09-07 02:25:28 +0000 UTC-目次- ・25.女豹 ・26.男性用下着 ・27.屈辱 25.女豹 浴室から上がった唯(精神は義文)は、バスタオルで肌を丁寧に拭いながら脱衣所の鏡の前に立った。 白い湯気の中で再び浮かび上がる自分の裸体に、また思わず目を細める。濡れた髪が肩に張りつき、豊かな胸の谷間をしずかに滴が伝う――その光景だけで息が荒くなった。 「……髪の毛が濡れてるとまた雰囲気が変わるな…♡」 バスタオルを腰に巻いたまま、そっと袋から例のエッチな豹柄の下着を取り出す。 豹柄のブラとパンティ。艶やかな模様が照明の下で妖しく光り、男の自分の心を刺激する。 「グレーのスポブラとパンティも悪く無いよな…ああいう質素なのを着けてるのも興奮するけど…♡やっぱり、エッチなランジェリーの方が興奮するんだよな…♡」 豹柄のブラを胸に当てる。両肩からストラップを滑らせ、カチリと背中でホックを留めた。 次にパンティ。ゆっくりと両足を通し、腰まで引き上げる。 鏡の中に映ったのは、妖艶さと生々しさを帯びた、いつもと雰囲気が違う唯の姿――それが“自分”であるという事実が、たまらない優越感を伴って胸を満たす。 その上から、義文(精神は唯)に渡されていたパジャマを羽織った。ふんわりとした布地が豹柄を隠すたび、心の奥でゾクゾクとした背徳の快感が膨れ上がっていく。 「うふっ♡唯…気づくかな…♡」 にやけを抑えきれないまま、唯(精神は義文)はリビングへと戻っていった。 26.男性用下着 リビングには、義文(精神は唯)がソファに腰かけて待っていた。浴室から上がった唯(精神は義文)が現れると、その視線が自然と濡れた髪や胸元に吸い寄せられる。 「……お風呂で、変なことしてないよね…」 義文(精神は唯)が、低く探るような声で切り出した。 すると唯(精神は義文)は、口元をにやけさせながら女口調で答える。 「やだぁ♡アタシのこと疑ってるの?♡妻のこと信じてよ…♡」 わざと妖艶に肩をすくめる仕草に、義文(精神は唯)は顔をしかめる。 「……私が妻よ!」 悔しげに吐き捨てながらも、渋々と言った様子で続けた。 「……あなたのパジャマと……下着、貸して…」 待ってましたとばかりに、唯(精神は義文)はクローゼットを漁り、わざとよれたパジャマと、普段自分が穿いていた男性用の質素でよれたボクサーパンツを取り出す。 「はいっ、どうぞ~♡アナタに似合うわよ♡」 その声に合わせて、義文(精神は唯)頬は引きつり、唇が震える。男物のパンツを手にした瞬間、改めて自分が“女ではない”体にいることを実感させられる。 「……最悪……」 心の奥で屈辱が込み上げるのを抑えきれないまま、義文(精神は唯)はボクサーパンツと男性用のパジャマを持って、渋々浴室へと向かっていった。 27.屈辱 義文(精神は唯)は浴室に入ると、曇り始めた鏡の中に、義文の顔――けれども自分の意思で動く“男の肉体”が映っていた。 義文(精神は唯)タオルを強く握りしめ、深く息を吐く。 「……うぅ…これが、今の私……」 湯気の中で裸になった義文(精神は唯)の体は、女とはまるで違う。肩幅は広く、胸は平らで、代わりに股間には元の女の自分には存在しない大きな陰茎が主張している。 スポンジを手に取り、仕方なく泡を立てて腕から洗い始める。ゴツゴツした筋肉を撫でるたびに、違和感が全身を突き抜けた。 「なんで私が、この体洗わないといけないのよ……」 呟きながら胸をこすると、触れた指先に張り出した大胸筋が固く返ってくる。そこに“膨らみ”がないことが、たまらなく虚しかった。 やがてスポンジは腹筋へと下りてゆき、さらに下――視線を避けたかった部分へ近づいていく。 「っ……」 震える手で股間を泡立てると、そこには自分の知らない“突起”がぶら下がっている。思わず握ると、指先に熱と脈動が伝わり、ぞくりと背筋が粟立った。 「……きゃっ!?……」 女としての元の自分には絶対にない感覚。洗うたび、否応なく男の体であることを思い知らされる。頬が熱くなり、屈辱が胸を満たした。 それでも、泡を流すために最後まで洗い切らなければならない。 「うぅ…私、女なのに……」 シャワーを浴びながら、小さな声で繰り返した。鏡に映るのは男の裸体。けれど心の中では、必死に“私は唯だ”と呟き続けていた。 -続く-