小説 【入れ替わり・上司2】④
Added 2025-09-10 15:00:00 +0000 UTC-目次- ・10.真似 ・11.侵食 ・12.仕返し 10.真似 缶ビールを持つ指先が少し震えていた。 酔いか、興奮か。あるいはその両方か。 紗英(精神は翔也)は、ふといたずら心に駆られた。 普段なら絶対に言えないことを、この体だからこそ口にしてみたくなる。 「ねえ……坊や♡」 わざと甘ったるい女口調にして、唇を湿らせながら言葉を零す。 「おばさんが……坊やのこと、気持ちよくしてあげよっか?♡アタシ経験だけは豊富だから……テクニックには自信あるのよ…♡」 自分の耳に響くその声は、確かに「高垣係長」のもの。 色っぽく、落ち着きがあって、どこか母性すら漂わせる女の声。 けれど、その中身は自分──村田翔也なのだと思うと、背筋がゾクゾクした。 翔也(精神は紗英)は、思わず真っ赤になってテーブルを軽く叩いた。 「ちょっ、村田くん!?私の体で、変なこと言わないでくれる!?」 怒っているのに、その声音には熱が混じっている。 紗英(精神は翔也)は悪戯っぽく微笑んだ。 「だって、係長の体だと、こんなに艶っぽい声が出るんですよ?♡話してるだけで……僕までゾクゾクしてきちゃって…♡」 「……っ!」 翔也(精神は紗英)は言葉を失い、思わず脚を組み替える。 その瞬間、下腹部に走る異物感が、彼女をさらに追い詰めた。 自分の脚の間にぶら下がる、男の象徴。 会話の流れと悪ノリの言葉に刺激され、そこがじわじわと熱を帯び、硬くなっていくのがはっきりとわかる。 「……な、何これ……」 小さく呟き、翔也(精神は紗英)は顔を覆った。 「うぅ……立ってきちゃってる……。村田くんの体、正直すぎて……恥ずかしいよ……」 紗英(精神は翔也)は、女の柔らかな唇を指でなぞりながら、低く笑った。 「高垣係長……僕の体で、ちゃんと“男”を体験してますね…♡」 翔也(精神は紗英)は視線を逸らしたまま、声だけで返す。 「……こんなの、想像以上よ。重みがあって……脈打って……。まるで、私の意思じゃなくて体が勝手に反応してるみたい……」 その告白自体が、紗英(精神は翔也)にとってはたまらない刺激だった。 男の声で「勃起している」と語られるだけで、頭の奥まで痺れるような興奮が広がっていった。 11.侵食 紗英(精神は翔也)は、先ほどよりさらに悪ノリを始めた。 唇を濡らして、甘ったるい女口調で囁く。 「ねえ……坊や……こんなおっ立てて♡私の体を見て……興奮してるの?♡」 翔也(精神は紗英)は、思わず顔を赤らめて視線を逸らす。 「ちょ、やめ……私の体で、そんなこと言わないで!」 言葉に熱が混じる。だが下腹部の熱は制御できず、意識せずとも男としての反応が顕著になっていく。 紗英(精神は翔也)は、楽しげにワイシャツのボタンに手をかける。 「じゃあ……特別に坊やに見せてあげるわね…♡」 ブラジャーのホックも外し、豊満な胸と乳首を見せつける仕草をする。 両手で軽く胸を支えながら、妖艶に微笑む。 「特別に…坊やに触らせてあげよっか?♡」 翔也(精神は紗英)は、思わず声を震わせる。 「……や、やめてよ!……私の体で……誘惑しないで……!」 身体は拒絶したいのに、男の本能は逆に反応してしまい、股間の勃起はますます強くなる。 紗英(精神は翔也)は、そんな反応を楽しむかのように、軽く胸元を揺らして挑発する。 「うふふ……やっぱり……男は正直ね♡おっぱい見せただけですぐ反応するんだから♡」 翔也(精神は紗英)は、羞恥に顔を赤くしながらも、熱くなる下半身を押さえられない。 自分の体で、女に誘惑されているような感覚。 言葉だけでこれほどまでに、男としての身体が反応してしまうとは……。 互いに心理的な駆け引きと視覚的刺激だけで、部屋には熱と息遣いが濃く漂った。 異性の体で感じる興奮と羞恥が、理性をかすかに侵食していく。 12.仕返し 翔也(精神は紗英)は、息を整えながら立ち上がった。 「……そうだ、お風呂入りましょうか!」 逃げるように言葉を吐き、少し安心したように微笑む。 明日も早い。酔いも回ってきている。お互い、身体を落ち着かせるにはお風呂が一番だ。 紗英(精神は翔也)はもう少し揶揄いたかったが、女の体でお風呂に入れることを考えて、下卑た笑みを浮かべながらクローゼットから取り出し、着替えを用意した。 「高垣係長、どうぞ…僕のパジャマと下着、用意しましたから…」 翔也(精神は紗英)は、少し照れながらもそれを受け取り、浴室に向かう。 シャワーの水音が浴室に響き、熱い湯が肩から腰へと伝わる。 さっきの悪ノリの仕返しをするかのように、紗英(精神は翔也)を意識して声を漏らした。 「ねえ……私の入浴してるところ…覗いちゃダメだよ♡」 女口調で、オカマっぽく、楽しげに囁く。 その声に、紗英(精神は翔也)は顔を真っ赤にして、浴室の扉越しに叫ぶ。 「や、やめてください!……僕の体で、そんなオカマ口調で話さないでください……!」 シャワーの蒸気が曖昧に包む中で、心理的な羞恥と妙な昂ぶりが交錯する。 自分の体で、オカマ口調の悪ノリを見せつけられる羞恥心。 しかし同時に、それが少し興奮を刺激していることも否めなかった。 湯の熱と会話の余韻で、ふたりの意識はじわりと高まる。 視覚的刺激はなくても、声と体感だけでお互いの異性の体の存在を意識せずにはいられない。 部屋には熱と静けさが混ざり合い、言葉にならない濃密な空気が漂った。 -続く-