小説 【入れ替わり・上司2】⑦
Added 2025-09-11 12:32:57 +0000 UTC-目次- ・19.安物 ・20.高揚 ・21.歯磨き 19.安物 風呂から上がった紗英(精神は翔也)は、脱衣所の棚に置いてあった、コンビニで買ったばかりの女性用の薄いピンク色の下着を手に取った。 まだ紙タグがついた新品の女性用パンティ。色は薄いピンク色で質素、飾り気のないデザインだった。けれど――「女性用の下着を履く」という事実そのものが、背筋をぞわぞわとさせる。 震える指でパンティを広げ、片足を通し、もう片足を通す。ゆっくりと腰まで引き上げると、のっぺりとした秘部を柔らかく包み込んでくる感触があった。 「……俺が、女性の下着に足を通してる……♡」 呟きながら、その生々しい密着感に息を飲む。男の体ならすぐに反応してしまうはずが、今はふくらみもなく、ただ代わりに秘部がじんわりとえっちな汁が湿り気を帯びていく――その違いに、得も言われぬ優越感が押し寄せる。 続いて、同じく質素な薄いピンク色のブラを手に取った。肩紐を通し、カップに柔らかなおっぱいを収めると、きゅっと背中にバンドが食い込む。 胸を支えられる安心感と、布越しに乳首が押し出される感覚に思わず体を震わせた。 鏡に映るのは、女上司の身体に安物の女性用の下着をつけた自分。 ――新品の下着に、自分の湿り気が移っていく。 その背徳感がさらに昂ぶりを煽り、紗英(精神は翔也)は胸を押さえ、熱い吐息をもらした。 20.高揚 紗英(精神は翔也)は、コンビニで購入した安物の下着姿の自分の女体をしばらく鏡で眺め、思わず息を呑んだ。 ――これが、女性の熟れた体。しかも今は、自分のもの。 胸を包む質素なのブラ、秘部をぴたりと覆うパンティ。その上から翔也の男性用のパジャマに袖を通すと、すぐに体格の違いが浮き彫りになった。 袖はやや短く、胸元はボタンを留めても豊満な膨らみに押されて隙間ができる。布越しに乳首が浮かぶのを見て、翔也はゾクリと震えた。 「……男女の体って、全然違うんだな……♡」 そう呟きながら、優越感と興奮にうっとり浸った。 やがて髪を軽く整えてリビングへ戻ると、ソファに座った翔也(精神は紗英)が、紗英のスマホをいじりながらちらりと視線を上げた。 「――ねぇ、村田くん」 低く落ち着いた声で問いかけてくる。 「私の体で、変なこと……してなかった?」 心臓が跳ねた。ついさっきまで乳首を弄り、秘部を洗いながら興奮していた自分を思い出す。 紗英(精神は翔也)は、視線を泳がせ、頬を赤らめながら小さく首を振った。 「……し、してないです…♡」 その表情は明らかに嘘を隠していて、翔也(精神は紗英)は口元をゆるめ、意味深に微笑んだ。 「ほんとに…?顔が赤いけど…」 21.歯磨き 「明日も早いし、そろそろ寝ましょうか、村田くんも一緒に歯磨きしよ」 翔也(精神は紗英)がそう言い、立ち上がる。 洗面所に並んで立つと、鏡に映る二人の姿はどう見ても男女逆。だけど、そこにあるのは入れ替わった自分たちの心と意識だ。 「村田くんの歯ブラシ、使うわね」 そう言って、翔也(精神は紗英)はためらいもなく翔也の青色の歯ブラシを手に取り、口に入れた。 紗英(精神は翔也)は一瞬ドキッとし、頬を赤らめた。 (え……俺の歯ブラシ……ってことは、あれ……間接キス……?) だがすぐに、頭の中で整理する。――今は体が入れ替わっている。つまり、自分の歯ブラシで、自分の歯を磨いているだけ。問題ない。……はず。 それでも胸の奥がざわつく。歯ブラシをくわえ、口を動かす仕草が、どこかいやらしく見えてしまうからだ。 紗英(精神は翔也)も新品の歯ブラシを取り出し、口に含んだ。 しゃかしゃかと歯を磨くたびに――これは「高垣係長の歯」を、今、自分が磨いているのだという事実が浮かび上がり、胸が熱くなる。 「……なんか変な感じですね…♡」 そう口にすると、翔也(精神は紗英)は鏡越しに目を合わせ、口元に泡をつけたまま微笑んだ。 「ふふ、入れ替わってるんだから当たり前でしょ」 その笑顔に、紗英(精神は翔也)はまた小さく喉を鳴らした。 -続く-