小説 【入れ替わり・SM】③(最終話)
Added 2025-09-13 17:35:57 +0000 UTC-目次- ・11.空腹 ・12.着替え ・13.カバン 11.空腹 「はぁ!?延長しないって、どう言うことよ!!こんな体のまま、どこに行くのよ!!」 修一(精神は美紅)が、ベッドの上で全裸で情けなく声を荒げる。 女王様の黒いハイレグのボンテージを纏った美紅(精神は修一)は、わざとらしく腰に手を当て、にやりと笑った。 「こんな体って…♡これからはそれが、ルージュ様の体ですよ…♡」 挑発するようにウィンクまでしてみせる。 「これは、あんたの体よ!!」 全裸の自分の男の体を見下ろした修一(精神は美紅)は、羞恥で顔を赤くする。 その姿に美紅(精神は修一)はさらに優越感を覚え、わざとらしく視線を這わせた。 「じゃあ…もう一度チャンスをあげましょうか…?♡でも、その前にとりあえずホテルから出て、ご飯でも食べに行きますか…?♡」 「くっ…!!」 確かに、修一(精神は美紅)も空腹だったことに気がついた。言い争いなどをしていて、二人とも少し空腹感が生まれていた。 美紅(精神は修一)は自分の横に置いてある、派手な女性用のカバンに手を伸ばした。 しかし、その動作を見逃さなかった修一(精神は美紅)が、鋭く声をかける。 「ちょっと!?私のカバン勝手に触らないで!!」 唇を吊り上げて笑い、わざと“自分の私物”であることを強調する。 「このカバンも今は僕のカバンですよ…♡」 羞恥と苛立ちで言葉を詰まらせる修一(精神は美紅)を見て、美紅(精神は修一)はさらに嗜虐的な笑みを深めた。 「とりあえず着替えましょうか…♡」 12.着替え 「……ルージュ様…♡」 ベッドの端に腰掛けた美紅(精神は修一)が、意味ありげに笑った。 「なによ……?」 ブリーフ姿で腕を組む美紅(修一の体)が不機嫌そうに睨む。 美紅(精神は修一)はわざとらしく美紅のカバンを指先でつついた。 「今、僕たち入れ替わってるんですよ♡つまり──外に出るなら、僕が“ルージュ様の服”を着なきゃおかしいですよね?♡」 その言葉に、修一(精神は美紅)は一瞬息を呑んだ。 「……っ」 確かに、男の体に女物の服を着れば変質者にしか見えない。それを理解した瞬間、美紅(精神は修一)が嬉しそうにクスクスと笑う。 「ふふ♡だって……“男が女性用のミニスカート”って、完全に変態だし、通報されちゃいますよ…♡」 ボンテージ姿のまま、美紅のカバンを勝手に開け、手を突っ込む。 「や、やめなさいよ!!」 慌てて止めようとして、屈辱に歯を食いしばりながらも、修一(精神は美紅)は結局、自分の服を渡すしかなかった。 「絶対汚さないでよ…」 修一(精神は美紅)は渋々、手で服を渡す。 カバンから取り出したのは──淡いピンク色のショーツとブラジャー、赤のミニスカート、白いノースリーブのニット。 「くっ……」 差し出す手は震えていた。自分の可愛い服を“男”に着られる屈辱。それでも渡さざるを得ない。 「ありがとうございます…♡」 美紅(精神は修一)は嬉々として受け取り、ひとつひとつ指先で撫でるように眺める。 「へえ……女の子って、こんな柔らかい布を肌に着けてるんだ♡あぁ……想像以上に興奮する♡」 そう呟きながら、ボンテージを脱ぎ、全裸になりにやついた。ピンクのブラを胸に当て、鏡に映る自分を見てさらににやける。 「ふふ……似合いますか?♡」 ブラのホックを背中で止める仕草も手慣れて見えるほど、嬉しそうに装着していく。 13.カバン ピンクのパンティとブラ、それと白色のニット赤いスカートに身を包んだ美紅(精神は修一)は、鏡に映る自分を満足そうに眺めながら、ふと思い出したようにベッドの脇に転がしていた服を拾い上げた。 「……あ、そうだ♡ルージュ様も着るものが必要ですよね♡」 ニヤリと笑いながら差し出したのは、汗の匂いが染みついた紺色のよれたジーンズと、少し臭い黄ばんだ白いTシャツ。 「なっ……!?こんなの着られるわけないでしょ!?臭すぎるわよ!!」 修一(精神は美紅)は、思わず顔をしかめて叫ぶ。 「ふふ、でも他に選択肢ありますか?♡まさかブリーフ一枚で外に出るわけにもいかないでしょ?♡」 勝ち誇ったように肩をすくめ、挑発する。 「くっ……」 唇を噛み、屈辱に耐えながらも、修一(精神は美紅)は嫌々その汚れた服を受け取った。 「うう……クッサ……」と涙目になりながらも渋々袖を通す。 鏡に映ったのは──だらしない男の姿。可愛い服を奪われ、自分は逆に汚れたTシャツに押し込められた。羞恥と悔しさで胸が詰まる。 やがて二人は、身支度を終えてホテルの部屋からでようとした。 修一(精神は美紅)は無意識に、自分の愛用の女性用カバンを手に取った。 すると背後から、わざとらしい声が響く。 「ルージュ様…♡それ、僕のカバンです…♡ルージュ様のはこっちです…♡」 「……っ!?だから!これは私のカバンよ!!」 悔しさに顔を歪め、しばし手を止める。だが観念したように吐き捨てた。 「……はいはい、わかったわよ!!」 カバンを渋々差し出し、代わりに受け取ったのは、くたびれて薄汚れたリュックサック。ジッパーは壊れかけ、底にはシミが残っている。 「そのカバンの方が、今のルージュ様にピッタリですね♡」 美紅(精神は修一)が、鼻で笑いながらそう告げた。 屈辱に耐えるように歯を食いしばり、修一(精神は美紅)は黙ってそのリュックを背負う。 一方、美紅(精神は修一)は、美紅のカバンを小脇に抱え、まるで本物の女王様のように颯爽と歩き出した。 二人は、対照的な姿のままラブホテルを後にするのだった。 -終わり-